バーグハウス(berghaus)

バーグハウス(berghaus)

バーグハウスがこの世に誕生してからの間、世界各国の一流登山家・クライマー・冒険家達がバーグハウスのプロダクトを身に付けて、新たな試みや苛酷な自然への挑戦を可能にしてきました。
バーグハウスの専属アスリートは、彼らの極限でのアクティビティの中で、機能性をテストし、フィードバックを行っています。また、バーグハウスは彼らの意見を商品開発に反映させ、アウトドアのいかなる状況下でも、確実なパフォーマンスを可能にするプロダクトを絶えず生み出しています。

アスリート達の限界を押し上げる挑戦を可能にしてきたのがバーグハウスであり、また同時にアスリートの実績によって進化してきたのがバーグハウスなのです。

「まだ誰も成し遂げていないことにアグレッシブにチャレンジし、常に先駆者として挑み続けたい」という人間の欲求こそがバーグハウスのインスピレーションの源であり、「誰よりもさきに」というスピリットはバーグハウスプロダクト全体にDNAとして受け継がれています。

ブランドの特長

1960年代後半 =すべての始まり=

LD マウンテンセンター クライマー/登山家で、イギリス北東部出身のピーター・ロッキーとゴードン・デイビソンの2人がまともなアウトドアギアがないことに不満を募らせ、自分たちで輸入、販売しようと思い立ったことがすべての始まりでした。

彼らが。ニューキャッスル・アポン・タイン(イギリス)に【LDマウンテンセンター】という名前のアウトドア専門店をオープンすると、アトミック製スキー製品やマーカー製ビンディング、ノルディカ製スキー製品など、良質な高性能アウトドアプロダクトを販売していると瞬く間に評判になりました。

LDマウンテンセンターが大盛況を博したため、ロッキーとデイビソンはほどなくして自分たちの店で販売するためのギアをデザインし、テストを行い、製造をし始めます。クライマーが実際に何を望み、何を必要としているのかを踏まえた、良質で革新的なウェアラインは【バーグハウス】と名付けられました。これがバーグハウスの誕生です。

1970年代後半 =数々の画期的な発明=

バーグハウスの創始者ロッキーとデイビソンは、ベテランのクライマーとして、荷重をもっと効果的に分散させることのできるリュックサックの需要があることを知っていました。そこで、ワシントン(イギリス)にバーグハウスの工場を新設して、リュックサックの製造も手がけ始めます。

バーグハウス172モデルや272モデルをはじめとする、ハーグハウス初のリュックサックは、外部フレームを使い、コンパートメントが1つのベーシックなタイプでした。このような、ややトラディッショナルなスタイルのリュックサックが発表されてから2年後の1972年に登場したのが、真に革命的なリュックサック「サイクロプス」。おそらくは世界初の内部フレーム型のリュックサックです。

Berg272、サイクロプス サイクロプスは内部フレームを使用し、クッション材を増やすことで、クライマーに優しい、背負い心地の良さを実現。
そのこともあり、空前の人気を誇るリュックサックのひとつになったのです。実際、サイクロプスシステムの最新型であるサイクロプスⅢ背面システムは、未だにエクストレムレンジのリュックサックに搭載されています。

1970年代後半 =GORE-TEX®時代の幕開け=

クリス・ポニントン卿と創始者の二人 70年代後半は、アウトドアクロージングテクノロジーのイノベーションが相次いで起こりました。その最前線にバーグハウスがいたことは言うまでもありません。
特に1977年には、他の欧州ブランドに先駆けて、いくつかのプロダクトに新しく開発されたばかりの防水透湿性ファブリックGORE-TEX®を採用しています。

その後1979年には、最高レベルのフィット&レッグ用プロテクションとして広く人気を集める、イエティ®ゲイターを独自開発。実際のところ、イエティ®ゲイターは、今でもアウトドアクロージングにおける最も目覚しい進歩のひとつに数えられています。
これと並行して、バーグハウスは、厳選したプロダクトを有名なアルパインオートルート沿いの国々に輸出することで欧州各国への進出を続けていました。

1980年代前半 =ブランドの確率=

チームを率いるクリス・ポニントン卿 80年代初め、バーグハウスはプロダクトを世界各国の遠征隊に提供するなかで、アウトドアウェアの新しいコンセプトを打ち出しました。「ジェミニ」――現在使用しているインターアクティブシステムの先駆け――は、初めてフリースをジップインしたウォーキングジャケットで、アウトドアクロージングに対する人々の概念を変えました。

元祖A.B.(アジャスタブルパック)キャリングシステムとオクシピタルキャビティテクノロジーの導入や、リュックサックの「ダート」の登場もちょうどこの頃です。こうした数々のイノベーションのお陰もあり、リュックサックだけにとどまらず、アウトドアパフォーマンスプロダクト全体の先駆者というバーグハウスの世評は定着してきました。
また、世界で最も偉大な冒険かの一人クリス・ボニントン卿が「公式に」バーグハウスのウェアを着るようになったのは80年代初めのことです。そして1985年にボニトニン卿はバーグハウスのウェアを着て、エベレストの初登頂を果たしました。また、この頃には、後にイギリスで最も成功したエクストリーム登山家となるアラン・ヒンクスとの協業もスタートしています。

1980年代前半 =イノベーションの爆発=

初代トランゴジャケット 本格的に登山に取り組む多くの人からすでに信頼を得ていたバーグハウスは、エクストリームアドベンチャーに挑む冒険家専用のレンジを立ち上げました。「エクストレム」と名付けられたそのレンジは1986年に投入され、トランゴジャケットは、発表からほとんど時をおかずに最高傑作となりました。

その翌年には、もうひとつのイノベーション、「アタック」ソールユニットを発表し、世界中に輸出しています。また、1988年に英国女王賞(輸出実績部門)、そしてNorthem Business Award for Exporter of the Yearを受賞したことで、グローバルブランドとしてのバーグハウスの名声がさらに高まりました。

身近なところでは、バーグハウスは女性用アウトドアギアをいち早く開発した企業でもあります。世界トップクラスの女性クライマーや女性登山家、女性冒険家との緊密に連携して、女性のニーズに応えたパフォーマンスギアを生み出す取り組みに着手しました。このときに誕生したプロダクトのひとつが大人気を博した女性用のリュックサック「パンサー」です。

1990年代前半 =変革と革新の時代=

ベースキャンプのクリス・ポニントン卿 90年代に入ってからもバーグハウスはイノベーションの手を緩めず、特に広告宣伝のイノベーションに力を入れました。今やアイコン的な存在となった、バーグハウスのレイヤリングシステムについて説明する1993年の「cut-in-half man」広告など、プロダクトを前面に押し出した大胆な広告宣伝を発表しています。

常にバーグハウスのアプローチの中核を成しているのはレイヤリングで、バーグハウスは「レイヤリングシステム」という概念――他のクロージングアイテムと上手く調和して機能するようプロダクトをデザインし、最適な保護機能と快適性を実現すること――のパイオニアと言えるかもしれません。バーグハウスが他のアウトドアメーカーに先じた「レイヤリングシステム」も今や、これを採用していないアウトドアブランドがないほどまでに広まっています。

1993年は、バーグハウスの歴史がもうひとつの大きな節目を迎えた年です。スピードやエレッセなどスポーツ用品のトップブランドをすでに傘下に収めていたペントランドグループがバーグハウスを買収。バーグハウスは、世界で最も資金力に恵まれたアウトドアパフォーマンスプロダクトメーカーのひとつになりました。
また、90年代初めには、フットウェアにも目を向け、バーグハウス初のフットウェアコレクションを発表します。
なかでも「ストーム」ブーツは当時、3シーズン対応のハイキングブーツの決定版と評判を呼びました。
そして忘れてならないのがリュックサック。1993年にFGAアジャスタブルリュックサックシステムを開発しています。

当時、まだ新興のスポーツであったマウンテンバイクを取り上げた最初の広告のひとつが、90年代初めからバーグハウスが出していた広告でした。

1990年代後半 =シンプルかつ高性能というコンセプト=

レオ・ホールディングとクリス・ポニントン卿 21世紀が近づくなか、バーグハウスはこれまで通り未来志向の姿勢を貫いていました。バーグハウスが1997年に打ち出したシンプレックスというコンセプトは、先進的な考え方の「最優良事例」と言えるでしょう。

これは、ウェアに使用するファブリックの層をできるだけ少なくし、不要なデザインを排することで、透湿性を向上させ、軽量化を図り、エネルギッシュな活動に最適な製品を実現する、という考え方です。そして、それは成功しました。

1999年に発表されたのが、市販されているアウターウェアの中でも最も軽量で、最もコンパクトに収納できるGORE-TEX®パックライト®です。防水性と防風性、そして透湿性に優れたクロージングレンジはすぐさまヒットしました。

2000年代前半 =新しい世紀=

バイオフレックス背面システム GORE-TEX®を採用した最新のプロダクトをいち早くお届けするメーカーという名に恥じないよう、バーグハウスは2001年に、並はずれて丈夫でありながら、透湿性にも優れた防水ファブリックを採用したGORE-TEX®SummitⅡXCR®を発表。
このプロダクトは大好評を博しました。

これに続いて、より速く、より遠くへ、より心地よく、をテーマとして軽量なウェアとフットウェア、リュックサックの総合的なレンジ「スクストレムライト」を発表しました。

同じように、2004年にはハイパフォーマンステクノロジーとリラックスした心地良さを融合させたトラベルレンジを作ることを目指して、「バーグハウスアドベンチャートラベル」レンジを立ち上げています。嫌いな臭いを防ぐ「ドライリリース™」や害虫から身体を保護する効果のある「ヘルスガード™」など、高度ファブリックテクノロジーを搭載したアドベンチャートラベルは、最も革新的な、そしていかにもバーグハウスらしいトラベルウェアでした。
2005年には今もなお、世界で最も革新的な背面システムが発表されました。
言うまでもなく、そのメーカーはバーグハウスです。
身体の自然な動きに同調して機能するように設計されたバイオフレックス®は、その年に英国内外で開かれた主な展示会や見本市すべてで話題をさらったばかりでなく、その革新性が認められ、ISPO賞を受賞しています。

2000年代後半 =イノベーションの40年=

バーグハウスは、40年余りアイトドアパフォーマンスウェアの最前線にいますが、現状に甘んじず、今でもイノベーションを生み続けています。

恐れを知らぬクライマーのレオ・ホールディングや世界的に有名な登山家のミック・ファウラー、そして国際的なボルダラーのレア・クラウンなど新たな顔ぶれがアスリートチームに加わったバーグハウスは、アウトドアの世界で新たな道を拓き続けています。

イギリスのゲーツヘッドとロンドン・コヴェントガーデン。この2ヵ所に旗艦店をオープンさせたことで、アイコン的なブランドとしてのバーグハウスの地位を一段と確かなものにすることができました。

一方、2008年に映画館で流された、アドレナリン溢れる60秒間コマーシャルはアスリートのレオとアネキンが企画、出演。広告宣伝でも、そのパフォーマンスウェアと同様にバーグハウスが革新的であることを証明しました。

バーグハウスは2006年、アウトドア製品のデザインと技術開発のイノベーションが認められ、英国女王賞(革新部門)を受賞しています。

とはいえ、世界中のアウトドアマニアのために最高のアウトドアプロダクトを作ることに照準を合わせるバーグハウスの姿勢に変わりはありません。世の中には、決して変わらないものもあるのです。

2009年。バーグハウスのアスリート、レオ・ホールディングは、バーグハウスのアスリート仲間カルロス・スアレスと、数々の賞に輝くフィルマー、アラスター・リーとともに、これまでで最も過酷なチャレンジ――バフィン島にあるアスガルド山の登頂――に挑みました。1度だけの歴史的なアドベンチャーでは満足できず、レオは同じ年に崋山も登攀しています。中国でも最も神聖な山のひとつである崋山をレオはわずか1日で制覇。世界で最も偉大なクライマーとしての地位を確かなものとしました。


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