小粒でもピリリと辛い岩櫃山(群馬県)
- 投稿者
-
浅見 直紀
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2015年04月27日 (月)~2015年04月27日 (月)
- メンバー
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- JR郷原駅→(25分)→岩密通り登山口→(25分)→天狗のかけ橋→(15分)→岩櫃山山頂→(30分)→沢通り・尾根通り分岐点→(20分)→一本松登山口→(30分)→岩櫃城温泉→(10分)→JR群馬原町駅
- コース状況
- 雨の日は岩場が滑るので厳しい。
山頂直下の鎖は、ある程度岩場の経験が無いと厳しい。
- 難易度
感想コメント
里山だけど、アスレチックなものが良い。そんな趣旨で数年前に選んでいた山だ。今回、漸く行けた。つい最近まで、台風の影響による登山道崩落と危険回避のために登山道が封鎖されていたからだ。解除されて嬉しい。犬だったら尻尾が振り切れてる勢いだ。
色々と特徴的だが、まずは読み方。「いわびつ」。どうやら真田一族にゆかりある土地らしい。2016年度の大河ドラマの舞台となる予定だとか。そんなホットな山だが、油断大敵である。今回行った岩密通りは、前述の通り岩場・鎖場が連続するアスレチック性に富んだコース。楽しいのだ。しかしハッキリ言って、初心者や岩場通過の経験が少ない人には「ぜひ行って欲しい!」とは言いづらいのも確か。
岩密通りまではコンクリ歩きだ。駅から行けば迷わずに勧める。不安になったら顔を上げるだけで、奇岩ぷりを主張されるので、そっちの方へ進めば大きく間違うことは無い。だろう。多分。きっと。えぇ。
里山に入る時、しかもそんなに有名ではない山の場合、藪と蜘蛛の巣は覚悟しておくべきだ。今回も例にもれず、蜘蛛の巣が日の光に照らされてワイヤーの如く光り輝いていた。拾った木の枝をオーケストラのタクトの如く振り回して回避する。小さな虫や蜂も結構居て、バグネットを持っていないことを少し後悔した。
で、最初の鎖場はすぐに現れる。難所でもなんでもない。そのまま沢筋の道を行けば鞍部へ飛び出す。するとすぐに「天狗のかけ橋」が現れる。細い岩のアーチだ。不安な人は迂回路があるのでそちらへ。ここを通過したらすぐにまた鎖場が出て来る。こんな感じで、岩場・鎖場が連続していく。
なるべく鎖は持ちたくないので、少しムーブを考えるのだが、この時が格別だ。進めば進む程にホールドは小さく・少なくなっていくルートだったし、大岩の影になっている箇所なんかは苔むした鎖場になっていたりで、とにかくお腹一杯。夢中になっていると、難所が出現した。山頂直下の鎖場である。なるべく鎖を持たないように行ったら、本当にホールドが少ないのだ。アルパインブーツでなければ無理だろう。幸いにして我が一張羅のブーツはアルパイン系。爪先に神経を注ぎこみ、ファイト一発!な気合いで潜り抜けた。
山頂の景色を堪能した後、鎖場を下り返す。上から見る分にはまだ足を置けそうな箇所が解った。このちょっとした緊張感が堪らぬ!途中で蜂が旋回したりして一瞬焦ったものの、無事通過だ。
山頂から少し行くと、同じく眺望の良い休憩ポイントに出る。何組かが進行方向から来る気配がしたので、食事休憩を取った。
その後はずっと道なりで、特に難所も無い。分岐で沢通りを選択して、一本松登山口に出た時にはコンクリに絶望したものだが、貯水池脇からまた里山の道になったので気持ち良く歩けた。
しかし油断大敵。ガサ!バキ!という比較的大きな音が左手(尾根の方)から聞こえてきたのだ。反射的に見れば、黒いお尻がのそのそと藪の中に消えて行った。ベアー!?
もう一人言全開である。「熊鈴忘れてんじゃんよぅ」「まぁったくやんなっちゃうぜ!」
「ついてないな」「いやある意味ラッキーと言える」
一心不乱に歩いていたら、原町の雑踏に身を置いていた。排気ガスの臭いを嗅いだ瞬間に下山した実感が湧き、もう頭の中は温泉しかなかったのは我ながら現金だと思う。道なりにすすんで、ガードレールが出てきたら左折すればお城が見える。このお城が日帰り温泉だ。ちなみに、駅までは目の前の大通りを渡って左折するとすぐという好条件。
時刻は11時を少し過ぎたあたりだったので、地産地消をかかげる自治会の方針にのっとり、地元の幸に舌鼓を打って帰った。
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