今回、鳥取県元気づくり総本部東部振興課の方から鳥取の観光資源を
もっとPRしたい!とのご要望を受け、実際にとっとりの山々を歩いてみようと、あややとふたりで出掛けてきました。
正直、発足4年目にして、お役所からそんな依頼が来るようになったのかと、
少しは名が知れてきたなと、内心ニヤリしたことは言うまでもありません。
これも日頃の皆様のお力添えの賜物だと感謝致します。
去る5月29日(月)、
7:57三ノ宮駅発のスーパーはくとに乗車しました。
もっと早い時間に出発するものと、
勝手に思っていたので、意外と朝はゆっくりできました。
10:02JR群家駅に到着です。
乗車時間およそ2時間、案外近い。
「いいぞ、鳥取。」そんな印象です。
鳥取県の山と言いますと、大山や氷ノ山が有名ですが、今回登った霊石山は334mと
標高は低いですが、侮ることなかれ。「西は大山、東は霊石山」と地元の方が誇る、心の山です。
また歴史は古く、「最勝寺延喜」では、天照大御神や猿田彦の尊などの神様をはじめ、
行基、慈恵大師などの名僧、源範頼や羽柴秀吉と言った武将が登場しているそうです。
今回案内をしていただいたのは、この霊石山の麓片山で生まれ育ち生活をしているという、
生粋の片山っ子、谷さんです。
スタートは「最勝寺」です。
名前が非常に縁起が良く、勝利の神様として遠くから参拝に来られる方もいらっしゃるそうです。
立派な鐘楼は、「とても良いモノらしいですよ。」と谷さん。▲
林道を30分程歩いて行くと、鳥取の「落ちない岩」と言ったらココ!の御子岩が見えてきます。
1943年の鳥取大地震の時も不動だったそうで、道案内の神様として崇められています。
受験生のみなさん、ぜひゲン担ぎにお越しください。
この御子岩からは、河原の名前の所以ともなった、この町を象徴する素晴らしい景色が見られます。
伊豆から因幡に逃れてきた源範頼は、教頼法師と名乗り、最勝寺に入って、ここで死去したそうです。
範頼の愛刀二振は最勝寺の寺宝として保管されているそうです。
夜な夜な山を越えて一人の女性に会いに行っていたそうな。
「あの公衆トイレみたいのが、奥ノ院だよ。」
谷さんの帽子がベンツ
「供御の水」決まった時間に白濁するそうです。
続いて水天宮へ。「乳の神」と聞いて、食いつくおとな女子を尻目に、穏やかにお話し下さる谷さん。
三十三番観音
「山王宮」最勝寺の守護神
山頂は、スカイスポーツのメッカとしても有名だそうで、この日も平日にも関わらず数名がハンググライダーをしていました。
私も何年か前にパラグライダーのタンデム飛行を経験した事があるのですが、
それはもう物凄い感動で、何を思ったか、風力計と吹き流しをその場の勢いで購入したことを思い出しました。
霊石山から車で30分ほど車で移動して、
ランチは県立博物館内のカフェ・ダール・ミュゼにていただきました。
鳥取の食材を用いたお料理を出されているそうで、私たちは、「日替わりランチ アジフライ定食 (¥890)」にすることに。
境港で水揚げされた新鮮なアジを使用しているそうで、お隣の方が美味しそうに召し上がっているのを横目でちらちら見ながら、期待が膨らみます。
料理が登場すると、お腹の前にまずカメラに収めるおとな女子。
私は、以前食べ物の写真なんて撮らなかったのですが、部を発足して4年。
確実に女子に近づいていることを実感しました。
おアジの方は、期待以上にとても美味しく、幸せな気持ちになりました。
ランチ後は、鳥取市街地からも近く、
気軽に登れる山として地元の人からも親しまれている久松山へ。
その山の麓にあるのが明治40年に建てられた国指定重要文化財の『仁風閣(じんぷうかく)』。
大正天皇も訪れた事のある白亜の洋館は、ついさっき白いペンキを塗ったように輝いています。
建築費は当時換算で44,000円。
市の年間予算が50,000円というのですから、いかに高額だったかが伺えます。
今でも中は見学可能で、周りの芝生エリアではゆっくりとランチを食べられるそうです。
何だか、『ルネッサーーンス!!』と叫びたくなりますね。
そんな素敵な仁風閣を横目にまずは鳥取県立博物館から西坂下御門をくぐります。
(※中坂コース起点は吉川経家像前からです。)
こちらは広い敷地の二の丸跡。
ここは何と、世界文化遺産・姫路城の“弟城(おとうとじろ)”と呼ばれており、
姫路城が築かれてから約10年後、同じ職人さん達が携わったと言われています。
兵庫県とゆかりがあるなんて少し嬉しくなりました。歴史好きにはたまらないですね。
桜の樹が沢山あり、ボンボリも灯るそうで、お花見の時期は大混雑するそうです。
確かに景色も良いし、何だか一国の主になった様な気分になれそうです。
続いて歩いていくと、変わった形の石垣が見えてきます。
”天球丸巻石垣”と言って、1807年頃に背後の石垣が
膨らんできたため、崩落を防止する為に築かれた丸い石垣は
非常に珍しく、日本唯一だそう。
ただ戦の際、敵陣はやすやすと登れそうですね(笑)
ここから先は本格的な登山道が始まります。
今回は地元でガイドを務めていらっしゃる 前田さんに案内をしていただきました。
前田さんは以前久松山のすぐ傍でお仕事をされており、 1時間のお昼休みを利用して山頂にお弁当を食べに行かれていたそうで、 山への並々ならぬ情熱を感じました。
肝心のルートですが基本的には最初から最後まで急な石段が続きます。
1~10合目まで標識があるのですが、ひとつひとつの間隔が短いので、 数えながら登るのもまた一興です。
5合目には三日三晩で江戸⇔鳥取を往復したという伝説を持つ狐が祀られた中坂稲荷神社があります。私もその健脚にあやかりたい~。
ここからも鳥取の市街地を眺める事が出来ます。正面は鳥取のメインストリート。山と街がとても近いです。
わずか30分程で山頂の本丸跡に到着しました。標高は263m。
お城自体は16世紀中ごろに誕生。因幡国(鳥取県東部)の拠点となり、 やがて毛利家の傘下となり、当時織田信長の武将を務めていた羽柴(のちの豊臣)秀吉との間で壮絶な籠城戦が繰り広げられたそうです。
その地形の良さと、急峻な立地から極めて高い防御性を兼ね備えて いたことから『日本(ひのもと)にかくれなき名山』と言われているんだそう。
鳥取市街地が一望でき、日本海に面した鳥取砂丘まで見えました。
お天気が良ければ中国地方最高峰の大山も見えるそうですが、今回は少し霞んでおり見えず残念。部長もしばし静観。
日本百名城にも選ばれているこの鳥取城跡。
日本百名山に続きすっかりはまってしまいそうです。
折角なので部長と記念撮影。
手のひらで「3」「9」サンキューと砂丘をかけております。
ワハハ。誰か関西人に突っ込んで!!
(※部長は埼玉県人ですが、とうの昔にそのアイデンティティーは失われております。)
ここで前田さんから素敵なプレゼントが。
パカッとケースを開けるとそこにはそら豆がどっさり。
「退職してからたくさん山に登ろうと思っていたけど、こちらの方が忙しくて」と前田さん。
ガイドの傍ら畑もしており、道の駅などでも販売していらっしゃるそうだ。
塩加減が丁度良く、素材そのものの味がしてとても美味しかった。
「大人になってからその美味しさが分かる食べ物やね」と部長。
そうかもしれない。
歳を取るのも悪くない、と思った出来事でした。
下山は別ルートより。
いくつかコースがあるので興味のある歴史を絡めながら 選んでも良いかと思います。
鳥取城の武将・毛利方の吉川経家に対し、 羽柴秀吉がわずか1.5㎞の場所に築城した城が奥に見える本陣山頂にあります。 久松山から縦走も出来るそうなのでこちらもおすすめです。ふと前田さんが綺麗な葉っぱを拾った。
”タラヨウ”という名前だそうで葉の裏面に 鋭利な枝で文字などをかけば、スウッっと浮かび上がってくる。 ハガキの語源ともなっているこの葉っぱで 昔は文(ふみ)を交わしたそうな。 今でも切手を貼るとちゃんと送れるそうですよ。 何てロマンティック!!
看板を見落さないようにしながら進んでいきます。
時間があれば途中の十神砦に立ち寄ってみましょう。 そのまま下山する場合は長田神社方面へ。
最後は長田神社まで歩いてゴール。
歩いた時間はそんなに長くはありませんでしたがギュッと密な時間を 過ごすことが出来ました。桜の時期や新緑の初夏、紅葉の時期があまり 暑くなくおすすめですので、是非皆さんも歩いてみて下さい。
最後は鳥取県民の憩いの場で一休み。
鳥取県は日本全国で一番最後にスターバックスが出来話題になりましたが、
県内に数件、『すなば珈琲』が存在しております。
店舗は休日になると行列が出来るくらい人気があるそう。
他にも、「あなば珈琲」なるものも。
スタバ、スナバ、アナバ・・・。
まさに珈琲天国です。
部長はアイスコーヒーを、
私はアイスココア(飲めないのですみません...)を注文。
大き目のグラスは火照った体を涼ませてくれました。
あっと言う間の1日で、去りがたい気持ちで帰路に着きました。
海産物も有名な鳥取県。次は山登り+カニや牡蠣を食べに行きたいと思います。
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名物・とうふちくわ(180円)
木綿豆腐(7):白身魚のすりみ(3)の割合で出来ている。
生姜醤油がおすすめ。
何と、とうふちくわで作った笛「とうふるーと」なるものもあるそう。
是非演奏してみたいですね(食べちゃったので次回!!)。
「砂の丘」和風クッキー(540円)
ほろほろ溶ける砂のようなお菓子。和糖を使った甘さが優しい。