おとな女子登山部レポート残雪の大雪山縦走 旭岳~トムラウシ山
- 投稿者
- つじまい(おとな女子登山部)
- 日程
- 2019年06月11日 (火)~2019年06月13日 (木)
- メンバー
- 天候
- 一日目 曇のち晴れ 二日目 晴れのち曇 三日目 曇りのち雨
- コースタイム
- 一日目 姿見駅~白雲岳避難小屋 約7時間
二日目 白雲岳避難小屋~南沼キャンプ場 約12時間30分
三日目 南沼キャンプ場~東大雪荘(トムラウシ温泉) 約7時間
- コース状況
- ・稜線ではほとんど雪は見られなかったが、ところどころにある残雪の踏み抜きに注意。
ゲイターと軽アイゼンは必携。
・コマドリ沢分岐あたり、夏道と冬道のピンクテープが入り乱れており少しややこしかった。
・今年(2019年)、ヒサゴ沼避難小屋とキャンプ場がシーズンいっぱい使えないので要注意。
・飲み水は雪渓と沢からとれるが、煮沸か浄水器必要。
・寒さは、同じ時期の北アルプス3000m級と同等と考えていい。
稜線上は吹きさらしのため、悪天候下ではさらに過酷となる。
・地形が複雑な所やロックガーデン付近では、ホワイトアウトになると方向がわからなくなる恐れあり。
・キャンプ場ではキツネがイタズラするので、前室にものを置かない。
・登山道を歩くこと。(沢を避けてお花畑に入らないように)
・携帯トイレ必要。
・シーズン前(6/13現在)は、トムラウシ温泉までのバスが運行していないため、東大雪荘に宿泊して新得駅まで無料送迎してもらうことになる。
- 難易度
-
感想コメント
アイヌ語でカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)とよばれる大雪山へ行ってきました。
久しぶりのテント泊縦走でしたが、不安要素はアルプス登山よりも多く・・
行き帰りのバス移動、残雪具合、飲み水の事(エキノコックス対策)、熊のこと、
どのくらい寒いのか?などなど・・
様々な不安を抱えながら、初めての北海道登山へ!
旭岳ロープウェイの売店でプリムスのガスカートリッジを無事GETし、姿見駅に降り立つと、
そこは天空の楽園。
残雪と、チラホラ咲きはじめたチングルマに、シャクナゲ(受粉したものは少し赤くなります)
石室を過ぎると、ゴロゴロとした岩の急登になります。まるで富士山のような。
旭岳山頂からは雪の斜面を下りて行きます。グサグサでアイゼンは必要なく、滑るように下りて楽ちん。
やはり、初日は一番荷物も多く、とても大変でした。なだらかなアップダウンをくりかえし、白雲岳の分岐へ
。
ここで、なんと友人にバッタリ!
去年、K2に登頂した彼と、3日間一緒の行程のようで、すごく頼もしく、楽しい山旅になることになるだろうなと嬉しくなりました。
白雲岳のキャンプ場でテントを張り、くつろいでいると、テントの中を覗いてくる怪しい影が…
キタキツネでした。
野生のキツネなんて初めてで、初めは舞い上がっていましたが、なにか悪さをしようとしている模様。
私がコラ!と言っても全然逃げず、同行者が睨み付けるとテントの外においていたストックのストラップを噛み噛みしたのち、ノソノソと去っていきました。
その後、他のテントの方が、登山靴をとられそうになったそうです。
みなさん、前室にはなにも置かないように注意しましょう!
二日目、長い行程になるので、2時起き3時半出発です。
北海道は日が長い。
素晴らしい朝焼けを堪能し、ものすごく先に見えるトムラウシ山を目指します。
今回、雪の状態が全くわからなかったので、12本爪アイゼンとピッケルを持っていきました。
結局、そこまでは必要なかったのですが、せっかくなので、アイゼンを装着して、適度にしまった雪渓をおりていきます。
まっ平のトレイルを歩くのはとても気持ちよく、やはり北海道の山は、ピークハントよりこのような縦走路を歩くことが醍醐味だなあと思います。
日本じゃないみたいな、景色がいつまでも続きます。
6月の平日ともなると、わたしたちと友人以外は誰も歩いてなくて、贅沢なこと。
今回の個人的な目的は、「ナキウサギ」に会うことだったのですが、ロックガーデンで運よく出てきてくれたり、リスにもたくさん会えました。
ガスの中、トムラウシ山を登頂し、南沼のキャンプ場へ。
たくさん水を担いできていたので、ここでやっと水をとりました。
雪から水をつくることになるかなと予想していたのですが、雪渓が融けていました。
翌日の朝、天気がよかったので、トムラウシ山を再度往復し、トムラウシ温泉へ下山。
ルートファインディングが必要な場面がありましたが、雪の状態もよく、大きなトラブルなく下りていけました。
3日間天気のことが心配でしたが、無風で寒くもなく暑くもなく、とても快適でした。
逆にいえば、悪天候の中は吹きさらしになる上、逃げ場もなく、絶対に歩きたくないなと思います。
雪渓の中、ガスでホワイトアウトしたときは、地図とGPSで現在地を確認しながら歩きました。
体力ももちろん必要ですが、山の知識やしっかりとした装備が必要な山域だと思います。
は
縦走好きの方はぜひ、目標にされてはいかがでしょうか(*^^*)