おとな女子登山部レポート辺境climbing @尾鷲 カナトコのテッペンへ

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投稿者
つじまい(おとな女子登山部)
日程
2020年11月01日 (日)~2020年11月01日 (日)
メンバー
東さん
天候
晴れ
コースタイム
二又峠→(20)→元盛松→(60)→懸垂地点→(30)→カナトコ石

地図のGPSログは、元盛松の奥からカナトコまで。
コース状況
三木浦の町から元盛松への林道は、工事の関係で通行できない可能性があり、その場合は三木崎灯台から元盛松へ徒歩でアプローチする。
二又峠から元盛松へはハイキングコースのように歩きやすく整備されている。
元盛松から岬へ向かうには尾根の東側をトラバースするように行くと楽である。
所々で白いテープで目印がつけられており、おそらく釣り師のものだと思われる。
尾根に上がると、そのまま南へ突き当たりまで歩き、西の岬へ向かう。
最後は懸垂下降で、70mロープをフィックスして下りたが60mでも足りそう。
帰りはユマール。
Google Map

感想コメント

岩場開拓のプロである東秀磯さんから、未知の岩場へのお誘いをいただいたのは、今年の春先だった。
それから、コロナのことで緊急事態宣言が全国に出され、ゴールデンウィークに行く予定が随分延びてしまった。
それからwithコロナということでクライミングも解禁されるような雰囲気となったが、やはり人気の岩場には行きづらく、東さんとは近場でのクライミングを楽しんでいた。
武庫川オベリスクや、小和田山や、笠形山といった今ではほとんど行く人もいない忘れられた岩場だ。
それらは、アプローチ道がほとんどないので読図を必要とし、藪漕ぎの先に岩場を発見したこともあった。そんな大変な思いをして辿り着いた岩場でのクライミングは格別だ。
今回の尾鷲の岩場は、そのコロナ禍でのクライミングの最終課題のような気がした。

決行当日朝、これ以上ないほどの晴天に恵まれた。
東さんが釣りのガイドブックで見つけた岩峰『カナトコ』は、20年前に一度、仲間とともに訪れたことがあるそうだ。
その時はアプローチに時間がかかりすぎで、たどり着いたのは15時。見るだけで終わったとのこと。
今回の準備は万端である。どんな藪漕ぎも越えていけるだろう。

車で二又峠へと向かうと途中の林道で重機が動いている。
もうここで敗退かとがっくりしたが、東さんの交渉により車で入ることができた。どんな人に対しても安心感を与えられるような東さんの話術は巧みである。

無事、二又峠に到着し廃村の元盛松(もとさがりまつ)へ向かう。
元盛松は、昭和4年まで20戸ほどの住居があり、そこで生活がされていた。
こんな山の中に人が住んでいたとは信じがたい秘境感が漂うが、お寺や子どもが遊ぶ運動場まである。
住居跡には、割れたお茶碗のようなものが落ちていた。
苔に覆われた廃村を歩きながら、当時ここに住んでいた人々に思いを馳せた。

元盛松を離れるとそこからは道なき道を…というつもりだったが、幸運にも道のようなものを見つけた。藪漕ぎは無しで、海に出ることができた。

カナトコが眼下にあらわれた。海からそそり立つ姿は大型船のようにも見える。
夢のような景色!
ロープをフィックスし、懸垂下降で海岸に降り立つ。
まずは記念撮影を、という東さんの目は少年のようだ。
私もワクワクが止まらない。どこを登ろうか。

すると、東さんが既に打たれたボルトを見つけた。どんなに調べても記録のようなものが出てこなかったから初登を狙っていたが、誰かがすでに登ったらしい。

それは残念ではあったが、他のルートからテッペンに立とうということで、東さんが私でも登れそうなラインを見つけてくれた。
早速、鬼のような東さんの仕事の早さであっという間にボルトが打たれ、岩の弱点をついたルートが出来上がった。
私は2回トップロープでリハーサルをし、3回目のリードトライで完登した。
東さんは、このルートの初登を私に譲ってくれた。

カナトコのテッペンに立つ。青い海と白い岩の世界だ。
クライミングをやってよかったと思う。

東さんと、私のカナトコプロジェクトは成功に終わった。

フォトギャラリー

カナトコとわたし

元盛松は苔で覆われている

懸垂で海岸へ

船のようにも見える

アプローチにもいいクラックがあった

ボルトを打つ東さん

上までつなげる

トップロープで練習

リードトライ

なんとか完登

カナトコに立つ東さん

ビビるわたし

上から見た図

カナトコの頂上

魚影が濃い

打たれていたボルト

東さんと私、うしろにカナトコ

ユマールで帰路へ

元盛松のメインストリートを歩く私

運動場

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