日帰りバリエーション 朝日岳東南稜
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2016年08月08日 (月)~2016年08月08日 (月)
- メンバー
- 天候
- 晴/時々曇り
- コースタイム
- 峰の茶屋駐車場(30分)下降点/看板(15分)東南稜取付(120分)朝日岳山頂(60分)駐車場
- コース状況
- ■全体を通して、足場が崩れやすくなっています。
■数か所、両側が切り立っている場所があるので、風の強い場合は慎重に行動してください。
■今回、途中でガスの中に入りましたが、稜線上は踏み後が明瞭で迷うことはありません。
■夏は足元が非常にボロボロです。自分が落ちないことは当然ですが、落石を絶対しない技術は必須です。
■今回、ロープは出しませんでした。
パーティで不安がある場合は、ギャップの下降等、ロープを使用して下さい。※下降点はケミカルアンカーがあります。
■入門ルートとは言っても、あくまでもバリエーションルートです。未経験者はある程度の経験者に同行してもらいましょう。そうすれば、楽しい経験になると思います。
- 難易度
感想コメント
日帰りができる。
アルペンムードも味わえる。
ついでに、温泉も楽しめる。
そんな、都合の良いルートがあるのか?
で、有りました!
栃木県、那須にある朝日岳の東南稜に行ってきました。
このコースは一般道ではありません。
特に、冬のバリエーションの入門コースとして地元では楽しまれているようです。
冬に登られるのは、この山のボロボロの岩が冬季にはセメントされて安定し、アイゼンを付けて岩稜を登る練習になるからでしょう。
当然、夏はボロボロのままです。特に一般道から分かれて下降する所から、東南稜取付き、そして核心(?)の通称「ギャップ」辺りまでは、コブシ大の岩が堆積した中を登るので落石に注意が必要です。
今回、初めてバリエーションルートに登るという同僚と一緒に、日帰り計画を実行。
初めてのコースなので、早めに行動しようと朝5:30頃に駐車場をスタートしました。
すでに、何組かの登山者が登っていきます。皆さん早いです。
冬には雪に埋まってしまう鳥居も、きちんと潜ります。手前の登山届提出ポストに用紙を提出して、穏やかな夏の朝の道を歩きます。
遠く、那須の町が見える場所では、雲海も見えました。気持ちが良い。
汗をかく間もなく、息も切れる前に、一般道からの下降点に到着。
有名な「こんな所に高山植物が?」の看板から、今日のルート東南稜を正面に見ます。
ボロそうな岩が重なるルートは、正直に言えば夏に登る場所じゃないなぁ、と言う印象。
しかし、せっかくなので下降します。遠目に見るより、近くでルートを見て確認するのはクライミングする人間として鉄則です。意外と弱点も見えます。(まぁ、逆の場合もありますけど)
冬と違い、堰堤に向けて下降するとなんとなく踏み後らしい部分はあるものの、夏草が多く突然沢に吸い込まれそうになるので、目標との位置関係を考えて、堰堤を目指のが良いです。
また、足場は途中からザレザレです。落石注意です。
堰堤を超えて対岸に取付けば、すぐに東南稜の取付きです。
ここで、一応ハーネスとヘルメットを装着し、準備を済ませて登攀開始です。
登り返して尾根に出るまでも、足場の悪い急登です。後ろから来るパートナーに石を落とさないように慎重に登ります。かなり急なので、一気に高度を上げて稜線に出ます。
ここからは、ひたすら稜線を進みます。
20分程度で、通称「ギャップ」と言われる核心に到着。他の部分よりは比較的岩もしっかりしています。
下降地点には、立派なケミカルアンカーも設置されています。
※ 今回、一応補助ロープを20m持ってきましたが、時間短縮と岩の形状、相方の力量も考えロープを使いませんでした。先に自分がクライムダウン&登り返しを行い、ホールドを確認した上でロープを出すか考える、と言う方式で進みました。
クライムダウンは7m程度、登り返しも7m程度でしょうか。
浮石に注意しながら下降します。登り返しは、一か所足を高く上げる動きがありますが、難しいクライミングではありません。ただ、岩の状態だけは常に気にしながらフリーで超えます。
※ 今回は上記の理由でロープを出しませんでしたが、同行者に不安があれば必ずロープを出して下さい。また、冬はアイゼンを付けての登攀になりますので、グレードが変わると思います。
この後も、ザレたルンゼ状の部分を二回程度上がったり、ナイフリッジ上のワンポイントが在ったりと、明瞭な踏み後を辿りながら、アルパインチックな景色を楽しみつつ進みます。
途中からガスの中に入り、さっきまでの青空から一変して風の中を進むと、山頂直下に最後のスラブがあります。直登も出来そうですが、わざわざロープを出すのも面倒なので、左側の緩傾斜(60度くらい)をササっと登れば、ひょっこりと朝日岳の山頂です。
取付きからのんびりペースで2時間程度。あっという間に終了です。
ここからは、一般道を下山します。峰の茶屋避難小屋を経由して、下降ポイントまで戻り、そのまま駐車場へ。
なんと、まだ朝の9時半!
帰る準備をして、老舗の温泉旅館で朝風呂に浸かり、帰宅しました。
帰宅後に装備の片づけも洗濯もできるという、ありがたいルート。
今度は、冬に一人で行ってみようと思います。
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