おとな女子登山部レポート八ヶ岳冬期クライミング 阿弥陀岳北西稜

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投稿者
つじまい(おとな女子登山部)
日程
2020年02月21日 (金)~2020年02月21日 (金)
メンバー
他1名
天候
快晴
コースタイム
赤岳山荘→(1時間半)→北西稜への分岐→(1時間半)→下部岩稜取付き→(30分)→ボルトテラス→(2時間)→阿弥陀岳山頂→(1時間)→行者小屋→(1時間半)→赤岳山荘
コース状況
アプローチの南沢は、凍結でツルツル。
地面の露出したところもあり、12本爪では歩きづらく、チェーンアイゼンがオススメです

八ヶ岳山荘前の「J&N」で食事ができ、お風呂も入れます。

☆ギア
60mダブルロープ
キャメロット#0.5~#3
リンクカム1セット
ナッツ1セット
アルパインヌンチャク8本
ヌンチャク5本
Google Map

感想コメント

昨シーズン阿弥陀岳北陵を登ったときに、右手にそびえる北西稜に目が釘付けになりました。

その時から、憧れのルートのうちのひとつとして、心の中にありました。

あれから1年、フリーもアルパインもがんばってたくさんやり、そろそろ自分でも行けるんじゃないか、と厳冬期の締めくくりに決めました。

計画が直前だったので、パートナーがなかなか見つからなかったのですが、知り合いの山岳会の方が仕事をやめたらしいという噂を聞きつけ、連絡をとると暇だから行きたいとのこと。
言ってみるもんだなあと思いました。

南沢登山道から北西稜への取付きはGPSと明瞭なトレースのおかげで真っ暗でもすぐにわかりました。
雪は少なく、残っていたトレースを使わせていただけたおかげで、予定の半分で樹林帯を抜けることができました。

露岩を右に巻くところからアックスを出し、凍った草付きを登りますと、小ピークまで出て、これから登る北西稜の全貌が明らかになりました。
先輩パートナーのMさんは、うわぁ・・あんなの登れるのかなぁ・・と弱気に。

下部岩稜のナイフリッジまでくると、思ったよりは悪くなさそうだったので、右側をトラバース気味にノーザイルで通過。
尾根に戻る場面で、通常なら雪がついて登りやすそうな斜面が露出し少しいやな感じでした。
 
さらにボルトテラスまで進み、ここからが本格的なクライミングとなります。
ジャンケンで順番を決めようとなり、勝った私がトップを行きました。

右側のバンドをトラバースすると、自然なラインで岩と草付のミックス帯へうつります。
通常ならここでピッチを切る所ですが、ロープの流れも悪くなさそうだったのでもう少し伸ばそうと
、凹角を登ります。

プロテクションはとりづらいとトポにありましたが、わりとあちこちに残置を見つけました。

その後はリッジに乗り上げた形になり、目の前に2ピッチ目の終了点が見えました。

あと2~3メートルというところで60mロープがいっぱい、最後は同時登攀となってしまいましたが、2ピッチをつなげたため時間の短縮ができました。

最後は核心といわれるピッチで、右のクラックか、左の垂壁か選ぶことができます。
フリーで登りたかったので、私たちはクラックを行きます。

最初はチムニー状で、足元が切れ落ちて高度感が凄まじいですが、手はガバで足もたくさんあります。

ガバ、足、ガバ、足と順調に上がっていくと、一カ所ジャミングを決め、ハイステップで、遠めのガバを取りにいく、というワンムーブ。
ハンドサイズのジャムは私の手だとギリギリ決まらず、グローブが脱げそうになるのを耐えました!

ペツルやピトンがたくさんありますが、カムがバッチリ決まるので、残置無視でも楽しめそうです。

上の安定した斜面でロープとギアを片付け、山頂へ!
微風快晴☀
360度見渡せる素晴らしい景色の中、阿弥陀岳山頂に到着。
中岳沢を下りあっという間に下山しました。

13時半には赤岳山荘に下り、念願のJ&Nでランチと入浴(^v^)
そして、16時茅野駅発のバスで帰阪することができました。

今回は厳冬期とは思えない雪の量と気候で、あっさりと終わってしまいました。
順調に行ったのは、やはり天候や雪のコンディションによるもので、個人的には1月末の赤岳主稜の方が厳しかったです。
ただ岩稜登りでは八ヶ岳で一番難しいといわれる阿弥陀北西稜を余裕を持って登れたことは、自信になりました。

フォトギャラリー

北西稜のナイフリッジにて

もうすぐ夜が明ける

北西稜の全貌

赤岳をバックに

ナイフリッジを巻き

岩壁下が取付き

1ピッチ目の終わり(実質2ピッチ目)は尾根へ乗り上げる

フォローを迎えて

核心ピッチ!

チムニー状

クラックです!

上から撮ってくれました

一般道に合流

スカイライン

阿弥陀岳山頂!

ふじさん

富士山とわたし

雪の少ない赤岳

下りも慎重に

中岳沢を下る

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