おとな女子登山部レポートはなこを見に春の大力山へ
- 投稿者
- るんちゃん(おとな女子登山部)
- 日程
- 2021年04月03日 (土)~2021年04月03日 (土)
- メンバー
- 友人1名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 宝泉寺(60分)大力山頂上(50分)712m地点(40分)大力山(30分)宝泉寺
- コース状況
- ・駐車スペースは、宝泉寺向かいの道路にあるゴミステーション隣の白斜線部分。5~6台ほど。トイレは道の駅ゆのたにが便利です。
・ずっと尾根上を歩くので晴れていれば道は明瞭です。
・雪は腐っていて夏道がかなり出ていました。ツボ足で歩けます。時々踏み抜いたり、登山道が川のようになっている箇所もあるのでゲイターがあると安心です。
- 難易度
感想コメント
越後三山のことを親しみを込めて、はなこと呼ぶのが最近流行っているそうです。八海山の「は」、中ノ岳の「な」、越後駒ヶ岳の「こ」。そのはなこが見渡せる魚沼の里山・大力山(だいりきさん)が、何やら今新潟の山屋さんの間で熱いとの情報を耳にしました。
越後三山の前衛といえば坂戸山は知っていましたが、大力山も同じく1000mに満たない低山なので今まで全くノーマーク。しかし、豪雪地帯の雪山はラッセルできたり、冬にしか歩けないルートが満載でそれはそれは楽しいものです。読図力が問われたり、雪庇などの危険もたくさん、雪山を歩く力が否が応でも身に付きます。大力山も、冬はピークを繋いで周回したり、山スキーをする猛者が大勢いる模様。しかもはなこの大展望!これは登らないわけにはいかないと、チャンスをうかがっていたのですが、何シーズンか機を逃して今回ようやく機会が巡ってきたのでした。
恐らく一番良い季節は1月や2月の厳冬期。しかしそこは新潟の魚沼、登山口に近付くことさえ困難な大雪や安定しない天候に阻まれ、よそ者は簡単に登らせてもらえません。今シーズンは雪山になかなか行けなかったので、時期は逃しましたが残雪を少しでも味わえればと思いやって来ました。
この日の新潟は関東と立場が逆転していました。いつもならからっからに晴れた関東から関越トンネルを抜けると、どんよりとした雪国の空が待ち受けていますが、雨の関越トンネルを抜けると、まるで関東のような爽快な青空が広がり、思わず声が漏れてしまいました。
小出で下りて登山口へ向かう間も、日差しはすっかり春。しかしそこはやはり雪国のようで、集落のあちこちにまだ高い雪の壁が残り、今は畑仕事より雪かきに追われる毎日のようでした。同じ新潟でも沿岸部とここまで差があるとは驚きです。
さて、肝心の大力山ですが、所々夏道が出ているものの、雪のあるとこないとこがはっきりしていて想像していたよりも歩きやすい印象でした。時々踏み抜いても容易に復帰できて、尾根の天辺に道が付いているからか藪に揉まれることもありません。アップダウンが多く始めは急登に辟易しますが、その先が見たいという気持ちどでんどん歩けてしまいます。しかし近付けば近付くほど手前の尾根が競り上がってきて、結果的にはなこは隠れてしまいます。最深の中ノ岳なんてどこへやら。良い時間だったので黒禿の頭手前で戻ることにしました。
はなこばかり見ていて気付きませんでしたが、すぐ近くには残雪期の雄・毛猛山が。いつか行きたい山の一つです。もう少し経験を積んでから挑戦してみたいと思います。
大力山まで戻るとお腹が鳴ったので下る前に腹ごしらえ。はなこを思う存分眺めてから下山しました。
帰りに立ち寄ったのは、はなこがよく見える見晴らしの湯。魚野川を挟んだ丘陵地にあります。はなこが見たいと登った大力山でしたが、なんということでしょう、ここから見た景色が実はこの日一番の好展望でした。山あるあるを身をもって体験できた山行となりました。