おとな女子登山部レポート高山植物の女王を求めて蓮華岳へ
- 投稿者
- るんちゃん(おとな女子登山部)
- 日程
- 2021年07月24日 (土)~2021年07月24日 (土)
- メンバー
- 銀座店スタッフ
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 扇沢(60分)大沢小屋(10分)雪渓取付き(120分)針ノ木小屋(60分)蓮華岳(50分)針ノ木小屋(70分)雪渓取付き(60分)扇沢
- コース状況
- ・休日は扇沢無料駐車場は早い時間から満車となります。今回は朝5時で満車だったため、上の有料駐車場に停めました。12時間で1000円)
・雪渓は前爪のあるものが断然歩きやすいです。雪質は意外と固く傾斜もあるので爪が多い方が安全に通過できます。
・針ノ木小屋は営業中。トイレ100円、喫茶や軽食も利用できます。
- 難易度
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感想コメント
夏山を代表する高山植物の女王・コマクサ。7月はなんだかんだ山に行く機会がなく、実はちゃんとコマクサを見た経験がありませんでした。そんな折、蓮華岳稜線のコマクサの群生が見頃との情報をキャッチしたので、日帰り弾丸プランで出かけることにしました。
連休中のため、早朝の扇沢無料駐車場はすでに満車。仕方なく上の有料駐車場に停めて出発しました。立山方面ほどではないものの、針ノ木岳へ向かう登山者もちらほら。テントを担いで黙々と歩く人もいれば、私たちのような日帰り装備の人、小屋泊の団体さんなど、様々な人が雪渓を目指して歩いていました。
まずは雪渓入り口まで約1時間。沢を3~4回横切り、鬱蒼としたジャングルをアップダウンタウンを繰り返しながら進みます。休業中の大沢小屋を過ぎると雪渓取付きまで間もなく。雪解け水がごうごうと音を立て勢い良く流れていく様子を左に見ながら、針ノ木雪渓全体が見渡せる場所までやって来ました。
以前秋の中頃に訪ねた時は、雪渓は僅かしか残っておらず夏道をジグザグ横切って上がりました。今回は半分以上雪渓を直登するので、傾斜のきつさを克服すれば登り下りともにかなりの時間短縮になりました。
ただし下りは一歩間違えば滑落の危険があり、足を滑らせたら最後、大きな口を開けた雪渓の穴に落ちてしまいかねません。前爪のないアイゼンならまだしも、つぼ足のまま及び腰でジグザグに下ってくる方は見ていてハラハラしました。初めて行くのであれば、お盆くらいまでは前爪アイゼンが安心だと思います。
雪渓が終わると小屋まではあと僅か。距離はそれほどでもありませんが、ザレ、ガレでなかなか高度が上がりません。ここも雪渓と同様、下りは慎重に進まないと危険なゾーン。寝不足の身体には少々堪えました。
なんとか小屋にたどり着いてベンチで一息。小屋の南側、つまり雪渓の向かい側には、大きな薬師や槍穂の鋭峰など、ザ・北アルプスなパノラマが広がっていました。元気なら針ノ木と蓮華をそれぞれピストンしたかったのですが、体調がイマイチだったので、今回は比較的緩やかな蓮華に絞り、高山植物と戯れるプランに変更。稜線に出てからは見事な群生に圧倒され、写真を撮りながらゆるゆると山頂へ向かいました。
山頂へたどり着くといよいよ眠気に勝てず少々仮眠タイム。しかし照りつける灼熱に耐え切れず、すぐに目を覚ましました。蓮華の大下りを辛そうに登ってくる登山者を眺めたり、イワツバメの鳴き声に耳を傾けたり...。いつもはあそこも行きたい、ここの山頂も踏みたい、などなど欲張りな私ですが、何も考えずにただ目の前にある広大な景色を眺めるのも悪くないなと思い、腰を下ろしたまましばらく佇むことにしました。
長い下りを考えたら少し面倒な気持ちになりましたが、剱と立山がスバリ岳の上から頭を出してるのを見たら力が湧いてきました。蓮華から針ノ木小屋、そして再び雪渓へ。午後の日差しを浴びて、一層照り返しの強くなった針ノ木雪渓もアイゼンで軽快に下りていきます。この日も下界は30℃越え、氷を入れた山専ボトルのお陰でバテそうになるたび息を吹き返しました。山専ボトルは主に冬に使っていましたが、この夏は何度も出番がありそうです。
扇沢に着いたらファンタで乾杯。いつもの薬師の湯で汗を流した後は、近くのお蕎麦屋さんで〆。久しぶりに一日たっぷりと遊び尽くし、夏の良い思い出ができました。