おとな女子登山部レポート【イベントレポート】ユニバーサルキャンプ@しあわせの村
- 投稿者
- あやや(おとな女子登山部)
- 日程
- 2021年11月02日 (火)~2021年11月03日 (水)
- メンバー
- 〇主催
・公益財団法人こうべ市民福祉振興協会
・神戸学院大学
〇参加団体
・岡山大学
・トヨタ自動車株式会社
・株式会社LIXIL
・その他サポートメンバー多数
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- コース状況
感想コメント
2021年2月に神戸市と締結した事業連携協定の一環として、11月2日(火)~3日(祝)に、福祉施設・しあわせの村キャンプ場をフィールドにした「車いすユーザーの野外生活参加への環境整備を目指す実証実験」に好日山荘が参加しました。
目的は車いすユーザーとのキャンプ体験を通じて、避難所などを想定した「有事」と、キャンプなど「余暇」の生活場面におけるモバイルトイレの果たす役割や有用性を検証することです。
※当日はトヨタ自動車㈱と㈱LIXILが共同開発した移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」も設置されました。
好日山荘ではテントや調理器具をはじめとするキャンプ用品の提供を行い、アウトドアの知識・知見を活かして、テント設営やキャンプの醍醐味である食事作りなど、一連のプログラムについてサポートさせていただきました。
■1日目 11/2(火)
まずは参加者全員で自己紹介を兼ねたランチミーティングからスタート。
様々な企業や大学関係者の方々がおられ、かなり緊張しました。。
今回の私たちのメインミッションは車いすユーザーのお二人と一緒にキャンプを行うことです。
ランチ後、モバイルトイレ見学ののち、早速テント設営から一緒に作業しました。
私自身も山岳テントには慣れているものの、ファミリーテントの設営は不慣れで、説明書を見ながらひとつひとつ進めました。
タスクとして重労働だったのがペグ打ちです。
打つ箇所が多いことと、インパクトする部分が小さいので重たいハンマーをピンポイントであてるのが難しく、スコップを使って打点の表面積を大きくし、打ちやすいように工夫しました。
屈んだり立ったりするのは通常でも疲れますが、ペグを打つために車いすの乗り降りはとても負担がかかったと思います。(実際パーソナルアシスタントさんも普段こんなに乗り降りすることはまずない、と仰られていました。)
それでもお二人のガッツとアクティブさでポールを差し込んだり、フライをかけたりといった作業もどんどんこなし、最終的にかなりの数のテントの設営をすることが出来ました!やった!!
設営完了後は実際に中に入ってみます。
今まで意識したことはありませんでしたが、床から10㎝ほどテント出入口に高さがあるため、車いすがそのままエントリーすることが出来ません。
左右に止水ファスナーを付け、フラットになるといいのにな、と思いました。
シュラフも足元から首元までファスナー開閉がし難く、ファスナーコードを長くしたり、シュラフ自体にもっと伸縮性があるともう少し使いやすくなるのではないかと感じました。
その後たき火の準備や包丁も使いながら一緒に夕食の準備を行いました。作業台の高さが変えられれば、もっと一緒に食材のカットが出来そうです。
1日目の総括の際、モバイルトイレの感想を話していたのですが、車いすユーザーさんが普段無意識に「トイレを我慢している」「外出前は水分補給を控えている」といったコメントが出た時は、アウトドアと通ずる部分があると感じました。
モバイルトイレはまだ試作段階で様々な課題を抱えている状態の為、使用回数も30回と少なく私が実際に使用することは出来ませんでしたが、アウトドアのシーンでもこういったモバイルトイレは需要があると思います。
■2日目 11/3(水)
朝は簡単に朝食を済ませ、午前中に撤収を行います。
荷物が多いので、登山でのテント泊以上に手順を考えながら進めました。
撤収が終わると最後に改めて総括ミーティングです。
車いすユーザーさん、アシスタントさん、その他とそれぞれの視点から積極的な意見が交わされ、今回残念ながら参加出来なかった他の車いすユーザーさんともオンラインで繋がり2日間を終えました。
振り返りの中でやはり一番印象に残ったのはお手洗いの問題です。
私自身、急にお手洗いに行きたくなった時に、土地勘のある場所だと「ここにある」と知っているので焦りつつもそこまで切羽詰まることはありませんが、トイレの位置を把握しているか否かでは心の持ちようが全然違います。
車いすユーザーさんの外出と置き換えた場合、心身ともにかなりのハードルになることを考えるとそのストレスは想像を絶します。少しでも早くこのモバイルトイレが実用化され普及して欲しいと願います。
最後に、車いすユーザーのパーソナルアシスタントの方々が、ユーザーの方が過ごしやすいように、でも適度な距離を保ちながら本当に様々なことを考えながら動かれている点が印象的でした。
私も少しでもそんな風に動けるようになりたいです。
このモバイルトイレをもっと多くの方に知ってもらい、利用してもらい、ひいては所有してもらい、というのが最終的なゴールだと思います。好日山荘も購入できるように頑張らなければなりません!笑
キャンプシーンではこういった実証実験を重ね、アウトドアブランドで全ての方が使いやすいアイテムの開発が進んで欲しいと思います。そのためにノウハウを蓄積していく第一歩となりました。
またこのような機会があれば是非参加したいと思います。
本キャンプに関わった全ての方に厚く感謝申し上げます。