北日高:1857峰北西面直登沢

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投稿者
小山田 隆博
日程
2021年09月14日 (火)~2021年09月15日 (水)
メンバー
小山田 他5名
天候
晴れ
コースタイム
【9月14日】
千呂露川林道終点(0.5h)取水施設(1.5h)北西面直登沢出合(6.5h)1857峰(2h)C1:1286m
【9月15日】
C1(4.5h)取水施設(1h)林道終点
コース状況
〇1857峰北面直登沢
 F1~F3が核心部。今回は気温が低かったのでF2のみ直登したが、トップはワンポイントが難しく空身で越えた。体感5級くらいか?U字状に開けた渓相に大きなスラブが連続し飽きることなく高度を上げる。『隠れた銘渓』と言われるも納得。山谷グレード:『!!』おすすめ度は高い。

 下降の南東面は長いがところどころ大きな釜を持った滝もありそれなり楽しめる。取水施設から1857峰北面直登沢出合い、さらにその奥のチロロ三股左股沢出合い付近まで林道跡があり、上手く辿ると時間短縮になる
難易度
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感想コメント

 北日高の千呂露川水系は日高の中でも札幌からのアクセスが比較的近く、林道状況も良いところが多い。中日高ほどの奥深さはないかもしれないが、明るい渓相とコンパクトさ手頃な沢も多く比較的経験の浅い方でもしっかりしたリーダーがいれば入渓しやすい。今回は1857峰というやや地味な頂きにつき上げる沢ながらも評判の良い沢に山岳会の仲間とともに足を踏み入れた。

〇1日目
 千呂露川林道終点にメンバー集合。7時出発。十分に明るくなっているがとても冷え込み寒い。40分ほどで取水施設。ようやく体があったまる。この先で川原に出る。きれいな岩盤が続く川原に先の渓相に期待が膨らむ。林道跡をつなぎながら810mの北面直登沢出合に到着。
 出合いからすぐに滑滝が続く。快適に登れて楽しい。澄んだ秋晴れに紅葉に彩られた渓相がとても綺麗だ。メンバーそれぞれ、楽しく登る。すぐに現れるF1は気温が低く水流突破する気になれず左岸を巻く。しばらく退屈なゴーロが続き、やがて側壁が高くゴルジュ上になると屈曲点の先に20mのF2。上部までなんとかフリーで水流際を登れるが、抜け口5m程が悪い。トポではシャワークライミングとあるがとても気温が低くて無理そう。空身で左手の逆層気味のフェースから潅木帯に抜けたが、ハーケン打ち込み空身で這い上がった。後続にロープを出したが6人ということもありこの滝の処理に1時間ほど要してしまった。

 その後は極端に難しい滝はないが、大きなスラブ滝が連続して現れる。傾斜増して気持ちよく高度を稼ぐ。登るほどに紅葉は綺麗になり、疲れた体と気持ちを癒してくれる。途中には少人数のパーティならテントサイトになりそうな箇所もあるが、時間にもまだ余裕があるので頑張って行動を続ける。
 上部は藪こぎもほとんどなく稜線に抜け、巨岩の点在する稜上をわずかに歩くと標識もなにもない1857峰に到着。主稜線からも外れ地味なピークだが、眺望はなかなかに良い。やや時間も押してきたので短い休憩と写真撮影で南東沢に下降を開始。少し北方向に稜線を辿ってから藪の中に突入。割と直ぐに沢地系に当たるが、枝沢なのでなかなか水流のある本流につかない。なんとか6人が寝れそうなテン場についたのが暗くなる直前の5時半ころ。
 長い一日を頑張ってくれたメンバーに感謝。夜はいつも通り焚き火が疲れた体を暖かく包んでくれた。木がやや茂っていたので星空はやや眺めにくかったが今シーズン最後の沢の夜を楽しむことができた。

〇2日目
 またまた寒い夜でほとんど眠れなかったメンバーもいたようだ。僕は焚き火の横で一人横になり、快適に安眠(?)。今日は5時を起き、8時出発のゆっくり。朝から澄み切った秋空が本日も広がり気持ちがいい。
 ほとんど何もないとの情報だったがポンチロロ川の本流は時々大きな釜を持った滝が出てきたりとなかなか面白い。チロロ岳にあがる通称三股沢右股の出合い手前くらいから林道跡が断続的に出てきて、それを辿ると予想よりも早く下山することができた。

 今シーズンは早めの沢納となったが、スラブの連続する綺麗な沢に巡り会えてとても印象的な二日間だった。天気もよく、今年は少ないながらも充実したシーズンを送れた。今シーズン同行してくれたメンバーみんなに感謝!

フォトギャラリー

上部は気持ちの良いスラブが連続。楽しい!!

林道を歩き奥にある取水施設

期待を抱かせる川原

直登沢入渓してすぐに小ぶりなナメ滝

F2。これが核心かな

この上部が悪かった

F3は簡単に左岸巻き。巻道は明瞭

断続してスラブ状の滝が出てくる

傾斜もまして面白い

天気も良くて気持ちよい

稜線まで続きそうなスラブ滝

迫力のある滝もあり

紅葉も綺麗

ここはテン場に迷いました

振り返るとチロロ岳

もうすぐかな

稜線上。ヤブは少ないが岩がゴロゴロ

二日目も気持ちの良い朝

少し泳ぎもあり?

二日間、良い沢歩きができました!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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