おとな女子登山部レポートはじめてのマルチピッチ 大台ヶ原サマーコレクション
- 投稿者
- つじまい(おとな女子登山部)
- 日程
- 2020年10月06日 (火)~2020年10月06日 (火)
- メンバー
- GR岸和田スタッフ1名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 大台ヶ原駐車場→(50)→サマーコレクション取り付き→(4時間半)→終了点→(30)→大台ヶ原駐車場
0850出発1530到着
- コース状況
- ・千石嵓は西大台の利用調整地区に指定されているため、事前申請と当日のレクチャー受講が必要です。
・申請は有料(1000円/人)で、一日の入山人数も制限されます。
・お早目に計画されることをおすすめします。
・レクチャーが平日は8:30~、繁忙期の土日祝は7:30~となるため、時間に余裕が無いのも注意。
・大台ケ原駐車場からシオカラ谷方面の遊歩道を行き、石畳の階段を下りると大きな看板がある。
・看板から遊歩道を離れ、右に折れて踏み跡をたどる。
ガレたルンゼを下りていくとシオカラ谷がみえ、右手に千石嵓があらわれる。
大きなコーナーまで壁沿いに進むと、「サマーコレクション」の取り付きとなる。
・2度目でしたがアプローチが難しいのでGPSを頼りに行きました。
・装備60mシングルロープ、クイックドロー20本、アルパインクイックドロー数本。
・2~3ヶ所ハンガーが取れていました。もともとのピン間隔が近いので問題はありませんでした。
・おすすめの温泉は「小処温泉」今年も(2020年)西大台申請者は入浴無料券もらえます。
感想コメント
関西が誇る名ルート「サマーコレクション」へ二度目の来訪。
フリークライマーのH氏がマルチピッチに挑戦したいということで、彼のマルチデビュー戦に同行いたしました。
私が初めてそこに訪れたのは約2年前。まだクライミングも本格的に始めたばかりでオールフォローで登りました。
この2年でどれくらい自分は成長したのかを知りたい気持ちもあり、今回も張り切ってのぞみました。
サマーコレクションは、大台ヶ原の千石嵓(せんごくぐら)という岩場にあるルートですが、このエリアは西大台の利用調整地区内にあります。
そのため事前の申請と当日朝のレクチャーが必須であり、明日は天気がいいから登りにいこっと⭐︎みたいなことは無理で、そういった意味で敷居は高いかもしれません。
天気が悪ければ入山料金の1000円は寄付するかたちになりますが、それでもまた行きたいと思わせるのは、そのロケーションの素晴らしさとルートの面白さにあります。
前置きが長くなりましたが、当日はこれ以上ないほどの秋晴れで私たちを出迎えてくれました。
西大台利用のためのレクチャーは、コロナ対策のためか10分ほどの映像を見て終了。
レクチャー参加者は、ほかに2人組のクライマーで、彼らはサンダーボルトを登るとのこと。
シーズンですね。土日はもっと多いことでしょう。
1度来ているのでアプローチは問題なく1時間弱で取り付き到着。
リードは空身、フォローが背負うスタイルで登ります。
1ピッチ目は、前回同様、ハーネスとクライミングシューズを履き、ロープレスで登りました。が、テラスに上がる時に手がかりとなる木が朽ちてきており、普通に危ないのでロープは出したほうがいいと思いました。
ちなみに、本業・刀職人H氏の本気シューズは、やはり「カタナ」でした!
2ピッチ目からはツルベで登ります。
早速、H氏から。2~4ピッチはスポートルートといっても差し支えないほどすっきりした壁で、ピン間隔は狭く、H氏にとっては少し簡単すぎたでしょうか(^_-)
(私は、必死でしたが)
その後2ピッチほどはルートファインディングが複雑になり、後半の3ピッチがハイライトです。
足元が切れ落ちたトラバースピッチは、日本離れした景色で爽快。
リードでもフォローでも絶対に落ちたくないので、緊張感があります。
2ピッチはカンテを直上でトップアウト。
全9ピッチ。H氏も満足そうでうれしいです。
登ってきた高低差200メートルの岩壁を見下ろすと、その下にはシオカラ谷がキラキラと輝き、目を上げると幾重にも折り重なる峰々の大パノラマ。しっかりと目に焼き付けました。
大自然の中でクライミングができる喜びを感じられるのが、この千石嵓。
歩道ではない場所を歩くこと、大声でコールを叫ぶこと、私たちがこの場所でクライミングをすることは自然に少しでもインパクトを与えていると思います。
クライミングは認められてはいますが、いつでもそのことを忘れないで、クライマーは謙虚な気持ちで登ってほしいと願います。
駐車場にテントを張ったり、レクチャーを受けずに入山するのは絶対にやめましょう。
いつまでもこの素晴らしい場所でクライミングができますように。
私自身の成長は感じられたかというと、半々。
H氏のなめらかな美しい登りを目の前にすると、自分はまだまだ。反省と宿題を残して終わりました。