おとな女子登山部レポート奥秩父の奥の奥 和名倉山
- 投稿者
- るんちゃん(おとな女子登山部)
- 日程
- 2021年05月14日 (金)~2021年05月14日 (金)
- メンバー
- おとな女子登山部 なみへ~
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 民宿みはらし(30分)牛王院下(60分)山ノ神土(80分)東仙波(90分)和名倉山(60分)東仙波(20分)カバアノ頭(20分)東仙波(60分)山ノ神土(60分)民宿みはらし
- コース状況
- ・民宿みはらし駐車料金1日500円。早朝や深夜の場合は料金をポストに入れるように書いてあります。一ノ瀬林道通行止めの為、作場平経由か犬切峠経由で通行可。作場平は現在駐車できません。奥多摩界隈の日帰り温泉施設はどこも営業していません。駐車場も限られています。
・山ノ神土からしばらく笹藪をトラバースします。滑りやすく右側に切れ落ちているので歩きにくいです。
・西仙波の手前の北側の樹林帯で大きな崩落箇所あり。シャクナゲに捕まりながら慎重に通過しました。
・カバアノ頭は明確な登山道はなく踏み後がある程度です。ピークには三角点があります。
- 難易度
感想コメント
雲取山や大菩薩に挟まれるようにひっそりと佇む奥秩父の和名倉山。周りの百名山のせいで存在が薄く、知る人ぞ知る地味な山ですが、二百名山ブームで今じわじわと人気が高まっているようです。コースタイムは約10時間、日帰りするには早立ちする必要がありますが、多少のアップダウンはありつつも全体的にはなだらかな印象を受けました。
今回は奥多摩側の一ノ瀬地区から入山、こちら側には2時間ほどの地点に将監小屋がありテント泊も可能。ここを拠点にすれば山頂へ無理なくアタックできて、周辺の飛龍山や笠取山などもぐっと近くなるのでとてもありがたい存在です。当初はこちらで幕営予定でしたが、初日に雨が降りやむなく日帰りピストンに計画変更。夜明けと共に出発することにしました。
麓の予想最高気温は30℃と予報が出ていましたが、朝はかなり冷え込んでいて、フリースや手袋をしっかりと装着して出発しました。動いていても日陰は寒く、日なたの暖かさが身に染みるほど。その代わり遠くの空まで澄んでいて、富士山や南アルプスが綺麗に見渡せました。
虫が苦手ななみへ~さん。前日雨で湿っていたせいか、牛王院平まで大量発生したピンク色のヤスデに阿鼻叫喚の様相。私は後ろから微笑ましく見守っていました。
やがて山ノ神土という分岐に到着、テントを張ったらさぞかし気持ちの良さそうな平原で、ここから東へ向かえば将監小屋、さらには飛龍山、雲取へと続き、反対に西へ向かえば笠取山、雁坂峠を経て甲武信へ至る、奥秩父主脈へと繋がります。妄想に掻き立てられつつ、我々は北の和名倉山へ。といってもその前に、歩きにくい笹藪のへつり、切れ落ちた岩場、退屈な長い樹林帯...。それらを漸く乗り越えた先に、予想通り地味な山頂が待っていました。
山頂で休憩していると、秩父湖側から来たという単独男性に遭遇。向こうはひたすら樹林帯で余計に長さを感じるとか。少し前までは荒れ果て道迷いが多発したため、現在も破線ルートとなっています。こちら側のコースも考えましたが、車の回収が困難なので端から諦めました。
東仙波まで戻り気になっていたカバアノ頭へ寄り道。どっしりなだらかな和名倉山と対照的に、目立ったとんがりピークが特徴で、道はないものの展望の良い笹尾根を見たら足が自然にそちらへ向いてしまいました。
名前の由来は分かりませんが、独特の語感に妙に親しみを感じて、カバアカバアと呟きながら頂上へ。そこからは隣の雲取がごく近く、小屋の赤い屋根も確認できました。
カバアから登山道へ戻る時ちょうど最高気温に達したらしく、暑さも相まってきつい登り返しとなりました。いつもの寝不足の割りには調子が良かったのですが、カバアピストンで一気に体力を消耗、その先の下りは非常に長く感じました。
登山口へ無事帰ってくると、民宿みはらしのおばあちゃんがお出迎え。お一人で切盛りされているそうです。温かいお茶とキュウリ漬けをいただき、すっかり眠気も体力も回復しました。ここを拠点にして登る登山者も多いようです。帰りは犬切峠に抜ける近道を教えてもらいましたが、こちらも狭く落石や陥没のある悪路でした。
久しぶりの長距離登山でたっぷり汗をかいたので、温泉に立ち寄り一息つきたかったのですが、今はまだ我慢。また以前のように下山後の温泉が楽しめる日が来ることを切に願います。