おとな女子登山部レポートいい湯だな♪本沢温泉と初冠雪の硫黄岳

　五反田の特販メンバーでまったり温泉旅に出かけてきました。当初の予定は那須の三斗小屋温泉でしたが、強風で有名な那須岳は爆風予報の為、当日朝に急遽予定を練り直し、温泉を満喫できる八ヶ岳は本沢温泉に行き先を変更しました。
　バタバタのまま関東を発ち、登山口に着いたのは13時を回った頃。かなり遅いスタートだったので急ぎ足で歩き始めました。初日は八ヶ岳も少し曇っていて、みどり池から見えるはずの天狗岳はガスの中。代わりに表情豊かな足下の苔を楽しみながら歩いて、本沢温泉に16時少し前には到着しました。

　本沢温泉はその名の通りお風呂のある山小屋で、真冬に2度滞在したことがあります。内湯、外湯、そして川沿いの崖の上に佇む野天湯は特に有名で、日本一標高の高い場所にある露天風呂として知られています。
　夕方だったので野天風呂は明日のお楽しみとして、夕飯前に内湯で寛ぎました。寒さで冷えた指先は、ぽかぽかのお風呂で血行が良くなりピリピリと電流が流れているような不思議な感覚を覚えました。
　この日小屋に泊まっていたのは他に2組ほど。夕食の席でお風呂の感想や明日の行き先などを語り合いながら、楽しく美味しく過ごしました。夕食後お茶をしてからもうひとっ風呂。ほかほか温まったまま眠りに就きました。

　翌朝は八ヶ岳ブルーの青空。期待を胸にまずは雲上の湯へ。身震いしながら服を脱ぎ捨ていざ入浴。寒さが吹き飛ぶ良いお湯でした。
　野趣溢れるお風呂のある山小屋は各地にありますが、着替えはメリノウールがおすすめです。入浴後に軽く体を拭いて、そのままウールのウエアを着れば、まだ乾いていなくとも濡れ戻りせず冷えないので快適です。今回は3人ともベースはメリノウール。私はさらに靴下、ショーツもメリノウールでした。冬の温泉旅には欠かせないアイテムです。
　温まった体は稜線の風で一気に冷えてしまい、夏沢峠で山びこ荘に隠れてレイヤリングし直しました。アウターシェルを上下重ねて、手袋は二重に。ニット帽とネックゲイターをして準備万端、強風に備えました。念の為チェーンスパイクも持参しましたが、僅かに降った雪は風で吹き飛ばされ、霜が着いた道も登山靴で問題なし。雪は日ごとに深くなるので今後は6本爪、さらには前爪アイゼンが必要となるでしょう。
　私は上下レインウエアに3シーズン用の防水手袋でしたが、ミッドレイヤーは厚手のフリースと裏起毛パンツで寒さ対策しました。他の2人はハードシェルを着用し、雪山と強風に耐え得る装備。いずれも冬を意識したレイヤリングが功を奏しました。

　稜線のケルンや標識にはエビの尻尾ができており風の強さを物語っています。北側の空には北アルプスや御嶽山の銀嶺が輝いていました。強風に耐えながら山頂に到着すると、急に風が落ち着き穏やかな気候に。硫黄岳はいつも爆風のイメージが強かっただけに、これはチャンスとカメラを構えて絶景を堪能しました。
　それでもやはり寒いので滞在時間はほどほどにして下りました。天狗岳へも心惹かれましたが、もう一度雲上の湯に入りたくなったので来た道を戻ることに。朝より穏やかになった野天湯で冷えた体を再度温めました。まさか1日に2度も入るとは思っていなかったです。今回は温泉に始まって温泉に尽きる旅でした。

【使用ウエア】
(アンダー)ミレー/ドライナミックメッシュ
(ベース)アイスブレイカー/オアシスロングスリーブクルー
(フリース)ノースフェイス/バーサMクルー
(アウター)ミレー/ティフォン50000ストレッチジャケット
(パンツ)フォレストワードローブ/サーマルストレッチパンツ
(オーバーパンツ)ミレー/ティフォン50000ストレッチパンツ
(手袋)アイスブレイカー/200オアシスグローブライナー
(オーバー手袋)アクシーズクイン/レイングリップ

【使用ギア】
(シューズ)サロモン/Xワードレザーミッド
(ザック)ノースフェイス/ノーム28