ルート開拓。そして初登!! 兵庫県の岩場
感想コメント
梅雨真っ只中のある日。
東さんから「新しいルートを開拓してみませんか?」とお誘いをいただきました。
その岩場は、東さんが少し前に開拓されました。
アプローチの整備をイチからおこない、憩いの場にテーブルとイスセットまで用意された東さんにとって思い入れのある岩場。
私もクライミング初心者の頃から通っていて、たくさんの思いでがあります。
そんな岩場で、まだ手つかずのスペースがあり、そこに1本ルートが作れるとのこと。
ぜひやりたいです、と連絡すると、さっそく10日後に決行となりました。スピード感がすごい。
開拓の日は一日中雨予報だったのですが、奇跡的に壁にぶらさがっている間は降られませんでした。
(他にクライマーがいると開拓ができないので、雨の時でないといけない)
開拓では勉強になることがたくさんありました。
まず一番気を付けることとしては、ロープが擦れて落石を起こすこと。ぶらさがっている自分にそのまま当たります。
ボルト(クリップ)位置もとても重要です。
ルートを導くための印となるほかにも、安全な位置であること、クリップがルートの核心となってはいけないこと、など考えなければいけないことだらけです。
また、ボルト位置は岩をハンマーで叩いて大丈夫かどうか判断するのですが、これもなかなか難しい。
開拓では不安定な石を落とすこと、岩を掃除すること、ボルトを打つことが主な仕事ですが、それらを東さんはものすごい速さで進めていきます。神業です。
テレビ~タンスくらいの岩を鬼のように次々と落とし、それらは武庫川に消えていきました。
ルートが出来上がったところで試登しましたが、やはり難しくだめでした。
自分が打ったボルトがこんなに信用できないとは。
帰ってからは、先に誰かに登られてしまったらどうしよう、と眠れない数日間を過ごしました。
そして運よく平日にビレイヤーが見つかったので、登りにきました。
トップロープで1回、リードで2回、失敗したのち、
この日4度目のトライで成功しました。
実は、失敗した直後、お昼に東さんから励ましのお電話をいただき、すごくやる気になりました。
いつもでは出ない力が出たと思います。
初登は、既存のルート(たとえ自身の最高グレードであっても)とは比べられない程、何ものにも代えられない達成感がありました。
登れたことを東さんに報告すると、まるで自分のことのような喜んでくれました。
ルート名は「宝塚物語」 5.11a
東さん作成のトポには「岩場の最も傾斜のある部分をダイレクトに上がるディレテシマルート」と説明。
三ツ星★★★をつけていただきました(^^)
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。