南風吹く 伊予ヶ岳

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2013年03月16日 (土)~2013年03月16日 (土)
メンバー
天候
コースタイム
平群天神社(30分)→富山分岐(15分)→展望台(20分)→伊予ヶ岳(10分)→展望台(10分)→富山分岐(15分)→県道出合・車道歩き(20分)→平群天神社
コース状況
よく整備された登山道。山頂直下のみ急な岩場有り。危険個所には鎖や補助のロープが設置してあります。
難易度
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感想コメント

まだ春の訪れには少し早い先月の事


父の育った故郷でもあり、父方の先祖の眠る千葉へお墓詣りに行った




その時の、暖かくて穏やかな青い海が見たくて、南房総市にある伊予ヶ岳にやって来た


房総のマッターホルンとも呼ばれ、337mと小さいながらも山々や海を望む事が出来る




早朝


お天気は快晴


風もなく、暖かな太陽が降り注いでいる




小さな神社でお参りをすると、校舎を横目に森の中へと歩いて行く


頭上にはこれから挑もうとする伊予ヶ岳頂上の先端が見える


短時間で登れる山とはいっても、その山容は切り立った崖になっており、少しワクワクする




展望台のある東屋までは丸太の続く階段になっており、ハイキング気分でも楽しめる


緑の木々の間から時々差し込んで来る光の柱をすり抜けながら一汗かいた頃に東屋に着くと、木で出来たテーブルとベンチの先に房総の町並を望む事が出来、先程までいた神社から随分上がって来たんだなぁ、と思わされる




スゥー、と吹き抜ける風が心地良い


静かで、穏やかで、このまま眠ってしまいそう






けれどハイキング気分もここまで


それから間もなく、ロープや鎖の連続する岩場が現れる


足場はしっかりしているので、落ち着いて登れば危険な事はない


こんな岩場歩きも久々で、岩を掴む手がワクワクし、額には汗が走る






夢中になって木々を潜り抜ける様に登り続けると、急に空が開けた


立ち上がると、そこはもう山頂だった





人、一人立てる程の狭さ。切り立った岩の淵をぐるりと銀の鎖が囲む


手前からその先は見えない


ドクンドクンと波打つ心臓を抑え、その銀色の向こう側へと身を乗り出した










目の前に広がったのは、小さな箱庭の様な風景だった




目の前には富山や箱根の山々、ぼんやりと霞む青の中にうっすらと富士山


その先には海が広がっていた





岩の先端は、強風が吹き抜けていた


飛ばされない様にとしっかり足と足を踏みしめ、帽子を手で押さえていると、どこからともなくトンビが口笛を吹きながらやって来た




ピーヒョロロ




風と共に気流に乗って飛んで行く


その姿を見失わない様にと、しっかり目で捕らえていると


空と海の間 トンビは水平線と重なり、ピカピカっと光を放ち消えて行った









帰りは元来た道を戻り、富山分岐から車道へと下った




道端には菜の花の絨毯、水仙の線路、スミレや早咲きの桜が目を楽しませてくれる


甘いお菓子を片手に、歌でも歌いたくなる、そんなのどかな散歩道






私はやっぱり山が好き


そう思わせてくれる、好日だった

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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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