おとな女子登山部レポート御神楽前ヶ岳南壁第2スラブ

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
日程
2017年11月02日 (木)~2017年11月02日 (木)
メンバー
山の先輩2名
天候
晴れ
コースタイム
本名御神楽岳登山口(25分)八乙女滝(40分)入渓点(40分)ゴーロ地帯(210分)藪のツメ(30分)御神楽岳避難小屋(120分)登山口
コース状況
・本名御神楽岳登山口は本名ダムからダート道を約30分走ります。駐車スペース5台ほど。トイレなし。
・本名御神楽岳登山道は悪路の連続。序盤は沢沿いのへつりを鎖を頼りに下ります。ぬかるみの平坦な道を歩いた後は、山頂まで急登、崖には鎖も設置されています。下りは滑落注意。
・沢の中の唯一の滝は右岸からへつりを登ります。
・スラブ終了点から避難小屋まで藪漕ぎ。葉が落ちて視界が効くので小屋を前方に捉えながら進みました。
難易度
Google Map

感想コメント

 御神楽の沢から南壁のスラブを覗きに行こう!覗くだけのつもりが、気が付いたらツメまで行ってしまいました。それもこれもエキスパートの大先輩がいたおかげ。一人では絶対に見ることのできない絶景と貴重な体験をさせてもらいました。

 本名御神楽岳は新潟の室谷側から縦走したことがありますが、そちらの道とはだいぶ違いかなりの悪路で初めっからひやひや。八乙女滝沿いはうっかり足を滑らせると滝に吸い込まれてしまいそうな恐怖感があります。かえって入渓してからのほうが安心して歩けました。

 今回歩いた沢はほんの少しでしたが、グリーンタフといわれる緑色のきれいな地層には一見の価値ありです。沢の奥へ奥へ入り込むにつれ、立ちはだかるのが紅葉に染まった燃えるような赤いスラブ。あれは本当にスラブ?寝ているように見えないけど…。登れる気がしない。不安を覚えながら近づいて行きました。
 ゴーロ地帯は浮き石が多かったり、全身ずぶ濡れになったりしながら越えて、時折ロープを出して…気が付いたらスラブの末端に立っていました。念のためクライミングシューズに履き替えましたが、草付きはとっても歩きにくい。沢、岩、土全てOKな靴が欲しいなぁと心の中でぼやきながらやっと中間地点。今回登った前ヶ岳スラブは第1から第4まであり、中でも第2は最も登りやすいとされています。それでも私にとってはかなりの大冒険でした。

 傾斜は増しますが上部は階段状。そしてやっとツメ。一息着いてから楽しい藪漕ぎのスタート。地面があるだけ安心感が違います。何度かスリップして枝を鼻に突き刺しながらボロボロになった頃、ようやく登山道に出ました。皆ホッとして思わず握手!まだ下山が残っているというに。

 私はすっかり安心して下り始めたのですが、みるみる急になっていってストックが欲しくなりました。途中から登った南壁が見えてしみじみ。あそこを登ったなんて信じられない…。感動に浸りながらさらに急な崖を下ったのでした。尾根道が終わり、相変わらず恐ろしい八乙女滝沿いを歩き、最後に盛大なスリップして、駐車場にたどり着いた頃には月が出ていました。まんまるのおぼろ気な優しい月。無事に帰ったことをささやかに祝福してくれているようでした。

フォトギャラリー

スラブ登攀中。

森の中はすっかり秋の色。

八乙女滝。かなり大きくて迫力あります。怖いくらい。

霧来沢の八丁洗い坂から入渓。

キャッチ&リリース。岩魚さんご自分から飛び込んで来ました。

グリーンタフ。うっとりするくらいきれいな岩でした。

なめこつやっつや。

前ヶ岳の南壁出現。

いかにも滑りそう。

この崩壊地は素早く通過。

崩壊地の先も濡れていて気が抜けない。

台形の山が前ヶ岳。すぐ左の谷が第1スラブ。その隣が第2スラブ。

逆層のところは緊張しました。

行っても行ってもさらに立ちはだかる。

振り返ってみるとなだらかに見えるんですが。

ラストは階段状で疲れた体にはありがたい。

ツメからの景色。

これから藪漕ぎ!

避難小屋は冬仕舞い。側に雪がありました。

登山道から。あそこ登ったんだ~感無量!!

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