おとな女子登山部レポート北八のんびりメルヘン旅
- 投稿者
- るんちゃん(おとな女子登山部)
- 日程
- 2019年02月21日 (木)~2019年02月22日 (金)
- メンバー
- 単独
- 天候
- 晴れ!
- コースタイム
- 【1日目】渋の湯(110分)黒百合ヒュッテ(60分)東天狗(20分)西天狗(50分)黒百合ヒュッテ
【2日目】黒百合ヒュッテ(30分)ニュウ分岐(45分)ニュウ山頂(35分)ニュウ分岐(50分)高見石小屋(20分)白駒池(30分)高見石小屋(40分)渋の湯
- コース状況
- ・渋の湯周辺は登山道が凍っているので始めからアイゼンを装着した方が安全です。
・中山峠を過ぎてからの岩稜帯は岩がかなり出ているのでアイゼン引っかけ注意。
・稲子湯へ抜けるシャクナゲ尾根は通行止めでした。
・白駒池は凍っているので池の上を歩けます。
・渋の湯では先に旅館まで行って受付、料金を支払い指定の場所に駐車します。まだ道は凍っているので冬タイヤでないと危険です。駐車料1日1000円。トイレあり。
・黒百合ヒュッテ、テント1000円、水はペットボトル購入か雪を溶かすかどちらかになります。夏のように無料提供はなし。外トイレあり。喫茶チョコレートリリーは15時まで。
- 難易度
感想コメント
おとな女子登山部ツアーで行ってた天狗岳、皆さんの楽しそうなレポートに触発され私も晴れを狙って行ってまいりました!なのに!!カメラと携帯を忘れてしまいました・・・。絶景をお見せできず残念です(T_T)拙い文章から美しい景色を想像してみてください。
忘れ物をしてテンションだだ下がりの私を励ますような快晴の空の下、渋御殿へ向けて車を走らせました。到着してドキドキしながら玄関を開けると旅館のご主人が。料金を支払い駐車カードをもらうと、今度は女将さんが車を誘導してくれました。恐れることはない、礼儀正しくルールを守ってさえいれば普通に接してくれます。
一安心していざ出発、しかし橋を渡るといきなり登山道はつるっつるのアイスリンク状態。滑って転んでバンザーイしてる場合じゃないので早くもアイゼンを装着しました。
荷物の重さもあって風の無い樹林帯は暑いこと。ウール長袖を一枚脱いで、手袋もネックウォーマーも外してようやく適温でした。
ゼーハーしながらたどり着いた黒百合ヒュッテ、この後天狗を往復して、15時前には小屋に戻ってコケモモケーキを食べたい!という目論み。昼前でしたが、早速受付してテントを設営、軽く食べてから天狗岳へ向けて登り始めました。
東天狗までは、雪山を始めたばかりの頃になっちゃんと登ったことがあり、懐かしい思い出と共に岩と雪の歩きにくい道を辿ります。対して右に見えている西天狗はなだらかな曲線を描き、雪面が照らされてっかてかに光を放っていました。
一度鞍部に下り登り返すと、そこはもう北八ヶ岳の最高峰。目の前には南八の荒々しい岩峰群と南アルプス、振り替えれば穏やかな蓼科山や浅間山、北アルプスの端から端まで名峰がずらり。こんなに豪華な顔ぶれが揃っているのに誰もいない静かな山頂でした。
あまりの絶景に時間が経つのを忘れてしまい、はっと我に返りました。コケモモにありつけなくなってしまう!早足で下山してヒュッテの玄関を勢い良く開けると、先ほど受付をしてくれたお姉さんが駆け寄ってきて「今14時半ですよ!」ぎりぎりコケモモセーフ。ケーキとお茶のセットを注文して、喫茶室チョコレートリリーで息を整えながら待ちました。出てきたケーキの美味しそうなのは勿論、器やスプーンがいちいち可愛くてキュンキュンしてしまいます。疲れた体にコケモモの甘酸っぱさがとっても沁みる!(画像はあややのレポートをご参照下さい)一口一口大事に味わっていると、これから下山するパーティが「黒百合ならブラックリリーだろうが!」チョコレートの方が圧倒的に可愛いし。心の中で静かに突っ込み返しました。
今日の目標を達成して大満足。日没までまだ時間があったので水を作ったりして夜に備えました。空が茜色に輝き出したので、夕飯前にスリバチ池を見渡せる高台まで登ってみることに。するとそこには息を飲むようなアーベントロート、今まで見た中で一番優しい双子の天狗が佇んでいました。写真に残せない悔しさを噛み締め、絶対に忘れないよう目に焼き付けました。
夕食は八海山の糀入り味噌鍋。新潟の知人から頂いた出来合いのものでしたがこれがまた美味い。からだポカポカのまま眠りに就きました。
翌朝目を覚ますと外が仄かに明るい。しまった寝坊?慌てて入口を開けてみると月がまだ煌々と輝いています。そういえば前々日はスーパームーンだったっけ。雪に反射して辺りは一層明るくへッデンなしでも歩けそうでした。目が覚めてしまい、向こうの学生パーティーも起き出したみたいだし、私も連れて準備に取りかかりました。凍った昨日の鍋の残りを火にかけ、シュラフ、マットを畳みます。朝食を終えて身支度、後はテントを仕舞うだけの状態にして外へ出ると既に空が明るくなってました。
この日はニュウと白駒池へ寄って下山予定。オレンジ色に染まる登山道を歩きながら北を目指します。ニュウへ行くまでは何度か見晴らしの良い場所があり、徐々に遠ざかる天狗を振り返ることができます。山頂までのトレースも明瞭、岩場が現れるとニュウは間もなく。頂上の岩をよじ登ると昨日見えなかった富士山が頭を出しており、同じく昨日は気付かなかった台形の立山と鋭い剱が目を引きました。天狗山頂とはまた違った角度の絶景が拝めるので、ぜひ寄り道することをおすすめします。
分岐へ戻り再び高見石へ。中山を越え標高が下がり始めると、道は大きく西から北へ角度が変わります。展望台からの景色は素晴らしく、広大でなだらかなシラビソの森が印象的でした。
オコジョが生息するという森を抜け高見石小屋へ到着。荷物を置いて白駒池へ、森の中を急降下すると一面凍っていて天然のアイスリンクが出来ていました。恐る恐る足を踏み出し池の上に立ってみると、踏み跡も沢山あり今のところ割れる心配は無さそうです。しかし真ん中へ向かうほど水溜まりが出来てきたのでビビって引き返しました。これほど広い凍った池の上に立ったのは初めて、神秘的な体験ができました。カメラがあれば遠近法を使った面白い写真が撮れたかもしれません。
坂を登り返して高見石小屋へ。高見石の名の通り高台の岩の上から先ほどの白駒池を見下ろせるようになっています。この景色を堪能したら名残惜しいけど下山の時間。再び渋の湯を目指して下りました。
しばらく続く林道の後は下へ行くにつれガレてきます。賽の河原を通過するとまたあのツルツル地獄。今度は下りなので滑落しないよう最大の注意を払って歩きました。硫黄の香りがしてくるともうゴールはすぐそこ。橋まで来て安心しきってアイゼンを外すと、端っこの氷で足を滑らせコントのように尻もちをついてしまいました。やれやれです。
写真を撮れませんでしたが、2日間良いお天気で何よりでした。おとな女子登山部・忘れ物大賞もそろそろ卒業しなければ・・・。