おとな女子登山部レポート初めてのアイスクライミング&両神山・八丁尾根で安全確保勉強会

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
日程
2022年01月10日 (月)~2022年01月12日 (水)
メンバー
山仲間6名
天候
晴れ
コースタイム
【一ノ滝、二ノ滝】
駐車スペースから歩いて20分。
【河原奥の滝】
美濃戸口から車で5分。橋から5分ほどでゲレンデ。
コース状況
【一ノ滝、二ノ滝】
・唐沢鉱泉まで除雪されてますが車は4WDでないと厳しいです。最終駐車スペースは4~5台程度。除雪してから停めました。
・今年はまだ氷が薄いとのこと。二ノ滝のトップロープ支点はリードでアクセス、立木で取りました。一ノ滝の終了点は左から歩いてアクセスできます。
【河原奥の滝】
・美濃戸口から最初の橋の手前に駐車しました。左の氷柱と共に上の支点まで左側から歩いてアクセス可能。強固な分散支点、残置カラビナも付いているので下から回収できます。
・オーベルジュJ&Nさんは素泊まり5500円。レストランのお料理はラストオーダー平日17:30まで、お風呂は21時まで。閉店後は談話スペースとして利用できます。
【両神山・八丁尾根】
チェーンスパイク必須。かなり冷え込みますので防寒対策はしっかりと。
難易度
Google Map

感想コメント

 前からやってみたかったアイスクライミングに初挑戦!3日間の連休をもらったので、最初の2日は八ヶ岳でアイス講習とゲレンデアイス、3日目は両神山まで移動して同行者安全確保講習へ。3日間山漬けの日々を過ごしました。

 初日は醤油樽の滝で有名な唐沢鉱泉エリアにて。手前の一ノ滝、二ノ滝で講習に参加し、登る練習とVスレッド構築までやりました。アックスは握るのではなく引っかけるだけと教わりましたが、腕につい力が入ってしまい、すぐにパンプしてしまいます。足は足で、踵を上げると途端にアイゼンの爪が抜けてバランスを崩してしまうので、そちらにも注意しながら登りました。日が暮れるまで練習して、終わった後は久しぶりにひどい筋肉痛になりました。コツを掴むまでは少し時間がかかりそうです。
 この日の夜は側でテント泊。地面が斜めだった意外は快適で、風もなく穏やかな夜を過ごしました。

 翌朝は曇り、美濃戸まで移動して河原奥の滝に取付きました。美濃戸口から赤岳鉱泉方面へ進み、最初の橋を渡らずに川の左岸を歩くこと数分で到着します。赤岳鉱泉までの長い道を歩かなくて済むのでとてもお手軽。滝は登るには十分な凍結具合でした。
 河原奥には右に傾斜の緩い滝、左に垂直の氷柱があり、どちらも上まで歩いてロープを設置できます。支点までは踏み跡も付いておりアクセスは容易。支点構築を任されたので張り切って行ってみたら、なんと大規模で立派なバックアップ付の分散支点が設置されておりました。マスターポイントにはビナが3つも。私の仕事はロープをかけて懸垂で下りるだけでした。
 準備ができたら早速昨日の復習。今日は皆アイスの経験者なので、フォームを見てもらったり、それぞれ愛用しているアックスを試してみたり。もちろんVスレ訓練も。何度かチャレンジしては失敗、それでも百発百中のアバラコフマスターの先輩の指導のもと、初めて貫通させることができました。
 その後は左の氷柱に挑戦。こちらは垂壁、所謂バーチカルというやつでしたが、上部へ出るにはハングを右に越えなくてはなりません。狭いバーチカルにはダイアゴナルが有効とのこと。ただアックスとアイゼンの先端の感覚を捉えられていない私には、2点で支えるのは恐怖でしかありません。トップロープなのでつい甘えて何度もテンション、遂に力尽きてアックスが刺さったまま手を離してしまいました。支点が直下でなかった為大きく振られてしまい、富士急のトンデミーナのごとく左右にブラ~ン。えらく心配されましたが、振られてる本人は久々の浮遊感覚に大はしゃぎでした。
 回収にトライしましたが何度やっても届かず、結局先輩に尻拭いしてもらいました。

 雪は一層強くなったので15時には撤収、早めに美濃戸に戻ってきました。この日のお宿は美味しい料理と可愛らしい雰囲気が素敵なオーベルジュ、J&Nさん。以前赤岳の帰りにお風呂とビーフシチューとソフトクリームをいただいてすっかり虜になっていました。そして今回は念願のお泊まり!温かいお風呂で癒された後は、お待ちかねのお食事タイム。ハンバーグやドリアなど、美味しそうなメニューは他にもありましたが、やっぱりビーフシチューをチョイス。お肉はホロホロ、野菜はホクホク、付け合わせのパンをシチューにくぐらせたらもう言葉が出てきません。調子に乗って食後のデザートまで堪能。明らかに摂取カロリーオーバーでしたが、愉快な先輩方に囲まれ、ほぼ貸し切りの和やかな宴を楽しみました。

 最終日は所変わって奥秩父の両神山へ。4時過ぎに発つ予定でしたが、放射冷却で朝から車のフロントが凍るというハプニング。雪国ならあるあるですが、関東ナンバーがスノーブラシやスクレーパーなど積んでいる筈もなく、ガラスに傷が付かないようクレカや免許証などでせっせと氷を削るはめに。何とか動ける状態になり、集合時間に間に合うよう飛ばし気味で出発しました。

 予想通り登山口の上落合橋はうっすら雪。風が強くじっとしていると凍えるほどの寒さです。メンバーが揃ったところで元気にラジオ体操、その後2人1組でコンテで繋がり八丁尾根を目指しました。
 今回も同行者は初心者という設定。基本ショートロープで進み、危険箇所ではコンテに切り替え、立木を利用したビレイや中間のセットなど、寒さで注意散漫になりがちな頭をフル回転させながら歩きました。
 八丁尾根は両神山の中でも鎖ばかりの岩尾根コース。普通なら確保なしで行ける所も、自身のロープで鎖にカラビナをかけ換えながら登ったり、同行者をロワダウンさせたり。デバイスを使わず、ムンターヒッチでのビレイや懸垂下降も体験しました。万が一デバイスを無くしたり、短くそれほど危険でない場所では、素早くセットできるので有効な技術だと思います。
 ふと見上げると、秩父ブルーの空に佇む赤岩尾根が。秋に皆で登ったバリエーションルート、束の間寒さを忘れてこっそりと思い出に浸っていました。
 一通りシステムを繰り出したので、良い所で八丁峠に戻って講習終了。昨日一昨日の八ヶ岳より寒いのはかなり堪えましたが、システムを実地で復習できて大変有意義な時間でした。

 アイスの季節はまだまだ続きます。シーズン中に少しでも感覚を掴めるように、楽しみながら取り組んでいこうと思います。

フォトギャラリー

真ん中に人様のノミックを見事に残置してしまいました。

初日のお天気は最高!雪はさらさら。

対岸には南アルプスがくっきり。

念のためチェーン巻きます。

二ノ滝で先輩のVスレッドを拝見。

一ノ滝で日暮れまで遊びました。

夜はキャンプで鍋対決。辛味噌鍋と鮭豆乳鍋。

デザートにお餅も焼きました。

翌日は曇り。河原奥はゲレンデまで近いので楽チン。

早速右の滝をアップがてら登ります。

今日はアバラコフ貫通記念日♪

アイスの後はJ&Nでほっこり。看板犬のマロ君が外から覗いてます。

夕食は絶品ビーフシチュー。

食後にティラミスもいただきました。

グッズが可愛いの何のって。左上カムのヘアゴムが気になります。

翌日、両神まで移動して極寒の勉強会。

足元は雪が付いてます。レイジングの練習。

秋に登った赤岩尾根。

こちらではコンテからの自己脱出の練習。

寒い中頑張りました!

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