剣岳源次郎尾根と長次郎谷

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投稿者
好日山荘 公認 島田ガイド 日本山岳ガイド協会認定登攀ガイド
日程
2010年07月17日 (土)~2010年07月20日 (火)
メンバー
好日山荘 公認 島田ガイド と お客様2人(源次郎尾根)、お客様2人(長次郎谷)
天候
晴れ
コースタイム
剱沢~源次郎尾根~剱岳~別山尾根~剱沢 10時間
剱沢~長次郎谷~剱岳~平蔵谷~剱沢   12時間
コース状況
源次郎は例年通り、取付までの雪渓は剱沢キャンプ場から続いています。三連休の中日とあって10パーティー程が取付いていました。長次郎谷は右俣、左俣共にコルまで雪渓あります。しかし、ヒドンクレバスが開き始めているので注意してください。
剱沢はテント場から真砂までビッチリ雪で埋まっています。夕方や早朝はよほど慣れてなければアイゼンが必要です。
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感想コメント

今年の北アルプスは残雪が多いですね。まずはみくりが池や立山連峰の白さに、別山乗越から剱沢の下りにそう感じさせられました。
源次郎の顧客は30代前半の夫婦、長次郎谷の顧客は75歳の女性2名。双方とも念願の剱岳をバリエーションルートでトライしました。山行期間は朝から晩まで快晴と、天気に恵まれなによりなにより。夏山で恐いのは午後からの雷雨。安全登山のよりよい環境を作るため、朝の3時代に出発です。私たちは無事に登頂下山したものの、当日は池ノ谷乗越や小窓で滑落事故、またこの雪の多い中北方稜線をピッケルなしアイゼンなしで長靴の単独男性登山者が大けがをしながら下山する騒動もありました。
剱岳は決して、軽い気持ちで行ってはいけない山。各ルートに応じた装備持参、事故を予防する考え方、警備隊や剱澤小屋のアドバイスに耳を傾け、その素晴らしい山にトライしていただきたいものです。
過去に2度、ガイド中に遭難者を救助することがありました。双方ともに装備や考え方の甘さが原因でした。山登りは自己責任が基本ですが、もちろん助け合いも必要です。
登山者、登山店、登山メーカー、山小屋、警備隊、山岳会、ガイド、それぞれが自立した活動の中で良い協力関係が保たれればと思います。

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猛暑を避けてやってきたのは立山室堂。みくりが池と立山連峰の姿がようやく夏山到来を感じさせてくれました。

雷鳥坂では雷鳥の夫婦に出会えました。とてもキュートです。

さあいよいよ剱岳へ。剱沢はテント場から真砂までビッチリ雪で埋まっています。夕方や早朝はよほど慣れてなければアイゼンが必要です。

源次郎尾根を登攀中。8パーティー程が取り付き、お互いに先を譲ったり、浮き石に注意しながら進みます。

源次郎尾根から見た長次郎谷雪渓と八峰です。六峰フェースを登攀するパーティーの姿や長次郎谷をつめ上がり剱岳へ向かう登山者がよく見えました。

このⅠ峰から眺める剱岳はカッコいいですね。ご覧の日差しで飲料はひとり2リットル を準備、サングラスや日焼け止めも必須!

頂上に着きました。最高の展望ですね。地図とコンパスを使って山座同定。槍ケ岳や笠ケ岳を見つけることができました。

さて顧客が変わって今度は長次郎谷左俣から頂上へ。コル手前の上部雪渓はヒドンクレバスが2カ所程ありました。最悪を想定し安定した雪上でロープ確保中です。

あわせて150歳の登頂。戦時中育った方々は本当に元気でいつも驚かされます。でもさすがに別山尾根の岩稜下りは足腰に負担が大きく、平蔵谷雪渓を降りる事にしました。

さあ剱沢を登り返して昨年改築された剱澤小屋に到着。あたたかい小屋のスタッフに迎えられ、ようやく「お疲れさまでした」と声をかけあい、いつものあつあつのおかずにご飯

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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