奥秩父 笛吹川東沢釜ノ沢東俣
- 投稿者
-
伊藤 岳彦
横浜西口店
- 日程
- 2011年07月26日 (火)~2011年07月27日 (水)
- メンバー
- 単独行
- 天候
- 曇
- コースタイム
- 【1日目】 道の駅みとみ8:30~山ノ神10:30~釜ノ沢出合11:30~両門ノ滝12:30~幕営地13:30
【2日目】 幕営地8:45~甲武信小屋10:45~近丸新道~道の駅みとみ13:10
- コース状況
- 迷いやすい箇所や高巻きには、比較的新しい赤布や赤い矢印がきちんと付けられています。
「千畳のナメ」付近の傾斜のあるナメには残置ロープがあります。
- 難易度
感想コメント
釜ノ沢はかつて甲武信岳へと至る登山道として紹介されていましたが、現在は沢登り初級の好ルートとして知られています。
奥秩父の名瀑を眺め、大ナメを体感できる美渓であり、明るく開放的で情緒あふれる渓相は、訪れる者の心をいつも優しく癒してくれます。
日本の山岳史においても、沢登りの原点とも評されることのある歴史のあるルートです。
旧登山道としての要素を残しているため、高巻きの踏み跡も比較的しっかりとしていますが、入渓点までのアプローチをはじめ、
全体的に廃道化した登山道未満のようなところを多く辿ります。
しかし、地元関係者のご尽力によるものか、赤布が的確にルート取りを示してくれるので、迷う箇所はありません。
ただルートファインディングの要素は薄れてしまっています。
登攀的な悪場もないので、山慣れた方ならロープなしで容易に単独遡行することが可能です。
軽装備で甲武信小屋泊の方も多いと思いますが、自然との一体感を重んじる方にはやはり沢中1泊がおすすめです。
両門ノ滝上にある広河原は、長く単調なゴーロ歩きとなりますが、幕営適地も薪も豊富にあります。
今回は「読書」も一つの楽しみとしていたので、途上で早々に幕営し、瀬音をBGMにひたすら読書にふけてしまいました。
タープでごろ寝もよいものですが、虫に読書を邪魔されたくなかったので、テントをフライなしで使用しました。
どうでもいいことですが、ガスストーブにヘッドランプを固定させると、寝ながらの読書にはとてもよいスタンドになることを発見しました。
翌朝は目覚ましをかけずに、まったりとしてから出発。
上流部は以前と比べると、いささか荒れてきたという話も聞きます。昔はもっと美しかったのでしょう。
明治大正の先達の方や、私の父親を含む昭和の世代の方々が、どんな風景をみて、どんなことを感じながらこの渓を歩いたんだろうな、などと思いを馳せてしまいました。
沢は変化はするけれども、復元はしない、という事実が少し哀しく思えました。
なお2011年8月号の「岳人」にも「渓谷に消えた登山道」としてこのルートが紹介されているので、ご興味のある方はそちらもご参照下さい。
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