南アルプス白根三山縦走その2 北岳山荘~間ノ岳・農鳥岳~奈良田

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年09月14日 (月)~2015年09月15日 (火)
メンバー
天候
1日目:晴れ 2日目:晴れのち曇り
コースタイム
北岳山荘→120分→▲間ノ岳→60分→農鳥小屋→50分→西農鳥岳→40分→▲農鳥岳→120分→大門小屋→240分→奈良田バス亭
コース状況
■農鳥岳~奈良田の沢の橋は一部崩壊していました。増水時の渡渉はかなり難しくなると思います。
■大門小屋から奈良田間は一部登山道のペンキが古いものと新しい物が混在していますので注意。
■発電所のつり橋から奈良田間は大規模なダム工事をしていますので、従来の登山道から少しそれます。ただ、臨時の迂回ルートには明瞭な道標がしっかり設置されています。
■奈良田からの最終バスはかなり時間が早いので注意。
難易度
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感想コメント

翌朝、2時にテントの窓から外をのぞくと風はほぼ無し、気温も思ったほどは寒くない。
3時、テントを撤収し、歩き始める。
真っ黒なシルエットの間ノ岳へ、ヘッドライトの明かりを頼りに進む。
月が出ていないので、だいぶ暗く心細い。間ノ岳へのルートは草がまだらについたなだらかなガレ場が多く、闇の中でのルートをたどるのが難しい。ザッと見ると、どこもみんな同じように見えてしまう。
ランタンを懐中電灯に切り替えて、ヘッドライトと併用してルートを探り探り歩く。
登山道を見つけて、置いたザックの所に戻ろうとすると、今度はザックが見当たらない。置いたザックは真っ黒の影になり、周りの岩と同化してしまった。慌ててあちこち探したら、結局もといた場所にあった。
深呼吸してまた歩きだす。
苔の多くついた石の上を歩くと、不安になって立ち止まって周りを照らす。
「あ、こっちじゃない」
谷にライトの光が飲み込まれる。暗闇に慣れていない自分の心臓がバクバクする。
ゆっくり、広くライトをあて、人が歩いている道のシルエットを少しずつたぐりながら進む。
稜線に出ると、東に甲府の夜景が光っている。途中途中のケルンや道標、そして浅く付いた登山靴の足跡にいちいちホッとしながら進む。
山頂に着いたのは4時50分。ここから先は徐々に闇が緩んできた。農鳥小屋への道中で東の地平線が明るくなってきた。
いつのまにかヘッドライトの光がいらなくなっていたので、ジャケットのポケットにしまう。

農鳥小屋から、テント泊の女の子が私のちょっと後ろから登ってきてた。人が自分と同じルートにいるだけで、なんて嬉しいんだろう。
農鳥岳までの道の途中で小休止していると、女の子が笑顔でこんにちはーって声かけてくれたので、嬉しくて、「あのっ、どちらまでですか?」とすかさず聞いてしまった。
「奈良田です!」
「あ、じゃ、一緒だ!」
テント場から出発して4時間40分、やっと最後のピーク、農鳥岳に到着。
「やったー!」
さっきの女の子も、到着。先に山頂にいらした御夫婦にシャッターを押してもらって、
しばし休憩。はー良く歩いた。
が、今日の行程はこれからがキツイ。コースタイムであと6時間30分も下り続けなくちゃいけない。
しかも最終バスのタイムリミット付き。
名残惜しく農鳥岳を後にして、ほぼ駆け足で下山。大門小屋までコースタイムよりだいぶ余裕をもって到着できたので、ここでちょびっとお昼休憩。が、この下山の核心はむしろここから。長い長い急傾斜、崩壊しかけの丸木橋、超スリリングなつり橋渡りに、とどめが長い林道歩き。バス亭に着くころにはもう母趾球の皮が、両方ずり剥けてました…
最終バスにもなんとか間にあいました。ホッとして広河原までくると、なんとここにも最後の難関が!
バスが超満員で、ザックを抱えながらの立ち乗り。芦安の自分の車に着いた時には、もうへたりこんでしまいました。
まぁでも、それでも無事歩き通せてよかったな。
帰りは、20時まで営業している市営の温泉にギリギリ間に合い、2日間の疲れを癒して帰途につきました。

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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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