「晴天の槍ヶ岳 北鎌尾根」

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2016年08月31日 (水)~2016年09月02日 (金)
メンバー
天候
コースタイム
一日目
上高地バスターミナル(150分)横尾(180)水俣乗越分岐(70分)水俣乗越(120分)北鎌沢出合
二日目
北鎌沢出合(150分)北鎌尾根(120分)独標(230分)北鎌平(60分)槍ヶ岳(15分)槍ヶ岳山荘(150)ババ平
三日目
ババ平(240)上高地バスターミナル
コース状況
■上高地から水俣乗越は危険個所はありません。
■水俣乗越から天上沢への下りは、出だしの20分程度がザレ場でとても崩れやすいです。パーティで出かける場合は、落石注意。
■北鎌のコルから独標基部までは、踏み後が明瞭で迷うことはありません。
■独標から先は、コース取りをよく考えないと行詰まる可能性があります。慎重に。
■足元の非常にもろい場所があります。自分が落ちないことは当然ですが、落石を絶対しない技術は必須です。
■ルートファインディングも含め、楽しめる余裕があれば、素晴らしい景色に出会えます。
難易度
Google Map
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感想コメント

本格的な登山を始めて、早くも30年が過ぎました。
そして、いつかは行きたい、そう思いながら、後回しになっていた北鎌尾根。
その北鎌尾根に、最高の天気と最高のメンバーで登ることができました。

台風の通過したタイミングで、晴天の一日目。
上高地のバスターミナルから緑の中を歩き始めます。水俣乗越分岐までは、長いながらも歩きやすく、屏風岩を眺め、清流を眺め、のんびりと歩いていきます。
分岐からの急登で、体力を削られたものの、初日の核心はこの後に待っていました。
水俣乗越から天上沢へ下る部分は、急なザレ場です。慎重に足を運ばないと、下にいる人を落石に巻き込みます。荷物を背負い、バランスを取りながらの下りで大分精神的に削られました。
傾斜が落ちて川原に入ってからも、北鎌沢出合までが長く、早々に夕食を食べて就寝。見上げる星空は素晴らしいものです。

2時起き4時発と言う、部活の合宿のようなスタートで始まる二日目。
暗闇の中、北鎌沢を一気に詰めて行きます。
対岸の稜線が白くなり始め、美しい朝焼けに感動して北鎌尾根に出ます。ここからが本番です。
踏み後は明瞭で、登攀的な要素も無く、独標の基部に到着。
写真で見た、緑のナイロンフィックスロープがありますが、使わないでも歩けます。使う場合は、良く状態を確認しましょう。
有名な(?)逆コの字のハングも、足場がしっかりしていて落ちる要素はありません。が、慎重に行動しましょう。落ちた場合は、もちろんケガでは済みません。
トラバースの後、簡単なクライミングがあり、独標の上に向かいます。
独標からの槍ヶ岳は、おそらく忘れることが無いでしょう。
それほどに、姿が良く雄大でした。
実は、ここから先の後半戦が、なかなか長い。
コース取りも良く考えないと、途中で行詰まると思われます。
今回は、晴天に恵まれたのですが、雨やガスだったら、かなりシビアになったと思います。
北鎌平まで来れば、本当に槍の穂先は目の前です。
大きな岩が堆積した裾を基部に向かいます。1m四方の岩でも、不安定に乗っている物がいくつかありました。慎重に確認しながら、進んで下さい。
基部から山頂までは、幾つかのルートがありますが、ある程度のクライミング経験があれば技術的には問題ありません。やはり、浮石のみ注意して行きましょう。

そして。
ひょっこりと祠の脇から山頂へ。
長い間の思いで、感無量。ですが、10名ほどの人が山頂にいたので、記念写真を撮ったら、すぐに下山です。ここまで来て梯子で落ちるわけにいかないので、慎重に。

肩の小屋に到着して、安全地帯で仲間と乾杯(ノンアルコール)
今日の幕営地、ババ平まで一気に降ります。
ひやむぎパーティでお腹が膨れたら、就寝。

穏やかな朝を迎えて三日目。
のんびりのつもりが、まあまあのペースで下ってしまい、徳沢でモーニング・コーヒー・ブレイク。
最高の贅沢です。

今回の山行を振り返りながら、河童橋に到着。
最高の旅ができました。
同行した仲間全員に感謝。

フォトギャラリー

さあ、スタートです。

清流を眺めながら…

水俣乗越分岐へ。

ここから神経を使うザレ場が始まります。

立ち止まれば、明日歩く稜線が。

二日目は暗闇の中を一気に上がります。

朝焼けのご褒美。

北鎌尾根、スタート!

快適に進みます。

独標、見えてきました。

基部のトラバース。

逆コの字を超えて行くと…

あそこに行くわけです。

ここからが気が抜けない。

隣に目を移せば、硫黄尾根。

最後の一登り。

無事山頂。

安全地帯へGO!

テン場に向かいます。お疲れ様でした!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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