三郡山系を歩こう!!Vol.4 『四王寺の滝(氷瀑) と 雪の英彦山』
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2017年02月10日 (金)~2017年02月10日 (金)
- メンバー
- 天候
- ☁⇒☀
- コースタイム
- 銅の鳥居バス停(30)奉幣殿(50)四王寺の滝分岐(30)四王寺の滝(50)南岳(15)英彦山中岳(15)産霊神社(25)中津宮神社(30)奉幣殿(20)銅の鳥居バス停
※数字は分単位
ゆっくり歩いています
※積雪時は夏季より時間がかかります
余裕を持った計画を立てましょう
- コース状況
- 《積雪状況》
〇銅の鳥居~奉幣殿 10~20㎝ほど。
〇標高750m以上からさらに雪が多くなり、ツボ足になる箇所が出てきます。
〇四王寺の滝分岐~四王寺の滝 40㎝ほど
沢が積雪で埋まっており、周囲は踏み抜いた跡が散見されます。
ルートファインディングに失敗した踏み跡もあります。地形図で方向を見極めましょう。
〇南岳・中岳周辺 40㎝~吹き溜まりで最大75㎝(股下)ほど。
中岳山頂周辺~北西尾根周辺は雪遊びに絶好のポイントです。
《凍結箇所》
〇英彦山駅~銅の鳥居 車道はチェーン規制。圧雪層が厚いです。
歩行の場合は軽アイゼン着用しても可。
〇銅の鳥居~奉幣殿までの参道 または 主要登山道
踏み固められて滑りやすい箇所があります。不安を感じたら早めにアイゼン着用が良いでしょう。
奉幣殿にアイゼン着用場が設けられています。参道で雪を様子見し着用場で装着しました。
《その他注意点》
四王寺の滝から南岳直登コースは道幅が狭く人一人通るのがやっとです。
尾根に上がるまでは結構な急斜面ですが、今回は12本爪 ピッケルで登り易かったです。
残置ロープがあります。踏み固められていた為キックステップが困難な所があります。
通行の際は手足元に注意しながら登りましょう。
- 難易度
-
感想コメント
今月下旬に雪の伯耆大山登山を計画していたので、直前の肩慣らしに12本爪アイゼン ピッケルを持ってどこの山に行こうかと思案していたところ…。なんと前回の大寒波に次ぐ強めの寒波がまたも到来してくれました!!
前回と比べると寒気の流入期間は短かったものの、近場の三郡山周辺でもはっきりと積雪しているのが分かる程まとまって降雪してくれました。
せっかく寒気が入った直後のこのタイミングをどうせなら有意義に使いたい!
この前の寒波ほどではないので少し山奥に入った方がいいかな?などと思いつつ、この時期の氷瀑で難所ヶ滝の他にもう一つ気になるのが『四王寺の滝』です。氷瀑の程度と積雪に期待して、県内でも積雪量の多い英彦山周辺に行ってみました。
この日は彦山駅から銅の鳥居まではチェーン規制中。
スタッドレスタイヤやチェーンを持っていなくてもバスで銅の鳥居まで行けます。
山と高原地図では片道徒歩1時間。バスなら片道200円なので利用しない手はないですね!
銅の鳥居から奉幣殿までは石畳の上に積雪しています。奉幣殿にはアイゼン脱着場がありますが、不慣れな方は駐車場やバス停から軽アイゼンを着用しても良いでしょう。
それにしても、雪の奉幣殿もやっぱり美しい!!
奉幣殿から四王寺の滝分岐まではトラバース道が続きます。途中梵字岩への分岐などもありますが今回はパス。
四王寺の滝分岐から四王寺の滝までの沢沿いの道では若干交錯したトレースが。雪で埋もれた平らな場所で方向を見失った跡が散見されます。
中途半端な積雪で埋没した沢沿いは、踏み抜くとすぐ下が石や岩で不安定な足場だったりします。正規のルートはしっかり見定めたいですね。適時地形図を参照しつつ、細かな地形の変化や方向をよく観察しておくと良いです。
肝心の四王寺の滝は今季一度完全に溶けたものの、また今回の寒波で氷瀑らしい姿に戻っていました。
寒波が続けば岩肌の露出はもっと少ないはずですが、今年らしさのある氷瀑だったのではないでしょうか?
そこそこ高さがあるので生では充分見応えを感じます。
つららの裏ではジャボジャボと氷が溶けだている音が聞こえていました。翌日にかけて気温がかなり上がる予報。落氷前でタイミング的にはバッチリだった様です♪
南岳への直登ルートは四王寺の滝直下から右手側(東側)に上がる方向です。
ここからは目に見えて斜度が上がりますのでストックからピッケルに持ち替え、万が一のつららの落下を若干気にしながら滝直下を横切ります。
尾根上に上がり切るまでは狭くかなり急なルートです。短い区間ではありますが、ピッケルをダガーポジションで使ったり、12本爪アイゼンの前爪を使いながら登ります。ピッケルと12本爪の試運転には丁度良い区間でした。
南岳山頂前後から中岳周辺に至るまでは登山者が多いのでトレースがはっきりしています。
南岳山頂周辺から中岳山頂周辺にかけて膝上~股下くらいの積雪量。今回の行程では最も積雪量が多い区間です。
流石に中岳山頂では登山者が多く、ほどなくして山頂の休憩所に人が入りきらずに外のベンチも埋まり切りました。
天気は好転傾向だったので山頂からは福岡・大分方面の山々がバッチリ見渡せます!
下山は奉幣殿へ。産霊神社に至るまでの区間では、正面に三郡山系、脊振山系、古処山系が視野に収まり、雪越しの展望を楽しみながら気持ちよく下山。
産霊神社、中津宮もすっかり雪景色に変貌し、透き通った青空の下で柔らかい新雪をたっぷり纏って、昨年の梅雨時期に訪れた時とはまったく違った穏やかな表情でした。
英彦山周辺は九州でも代表的な修験の山らしさが四季折々の顔と重なり魅力の多い山だと再認識しました。スノーハイク 氷瀑観賞に加え、英彦山の持つ魅力で満足度の高い登山となりました。
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。