北アルプス紅葉狩り

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
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日程
2017年09月25日 (月)~2017年09月27日 (水)
メンバー
単独
天候
晴れ
コースタイム
<1日目> 扇沢(45分)大沢小屋(140分)針ノ木小屋(60分)蓮華岳(70分)北葛乗越(60分)北葛岳(90分)七倉岳(10分)船窪小屋(20分)テン場

<2日目> テン場(100分)船窪岳第2ピーク(90分)テン場(20分)七倉岳(110分)北葛岳(40分)北葛乗越(130分)蓮華岳(40分)針ノ木小屋

<3日目> 針ノ木小屋(55分)針ノ木岳(45分)スバリ岳(80分)赤沢岳(50分)鳴沢岳(30分)新越山荘(45分)岩小屋沢岳(75分)種池山荘(90分)柏原新道登山口(10分)扇沢
コース状況
○扇沢無料駐車場あり。有料駐車場内、バスターミナルにトイレあり。
○針ノ木雪渓の雪は少なく高巻きルートとなります。道は明瞭。
○蓮華の大下りは後半岩場の難所です。ホールドが小さく脆いので下りは特に注意。
七倉岳直下も切れ落ちた岩場となっています。
○船窪岳は梯子数ヶ所、20mロープの急登降、ザレ場トラバースなど危険箇所多数。
○針ノ木岳下り、ズバリ岳下り、黒部側へ向かって急なガレ場となっています。

ルート詳細はこちら⇒http://yama-osusowake.hatenablog.com/entry/2017/09/29/223322


【針ノ木小屋】テント500円30張、水は1ℓ200円で販売、清潔な外トイレあり(トイレットペーパーあり)営業は10月14日まで。

【船窪小屋】テント500円15張程度、テン場は小屋から20分下ります。簡易トイレあり(ペーパー、流す用のペットボトル入りの水あり)。水場はテン場から10分下った崖の中腹にあります。梯子、足場は滑り易く滑落の危険があるので、両手が使える状態で日が沈む前に汲む必要があります。小屋で1ℓ100円で購入可。営業は10月9日まで。

【新越山荘・大沢小屋】営業終了。

【種池山荘】営業は10月14日まで。
難易度
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感想コメント

 ご無沙汰だったソロテント泊。のんびり北アルプスの秋を堪能したいと思い選んだこのエリア。人が少なく静かでしたが、テントを担いで登るには想像以上にごついルートでした。3日間雨が降らなかったのがせめてもの救いです。

 初日はアルプス三大雪渓の針ノ木雪渓から。秋も深まると雪渓はかなり崩壊し、ほぼ両側を高巻く形で登ります。滑りそうな細い丸太橋をひやひやしながら渡ったり、絶壁を攀じ登るような道もありますが、整備されていて迷うことはありません。沢が次第に細くなり、つづら折りの道が始まると針ノ木峠はもうすぐ。ガスに巻かれた峠に到着すると、南側がわずかに開け槍の穂先を確認できました。針ノ木小屋で休憩がてら今日の予定を練り直し。進むか留まるか迷っていると、若いご夫婦が蓮華方面へ向かって歩き出したので、すかさず追いかけ突撃インタビュー。「き、今日はどちらまで?」なんと船窪小屋まで行くとのことなので、私もさらに先へ進むことにしました。

 蓮華まではこれぞアルプスの醍醐味、稜線歩き。下から見上げた蓮華は大きくたおやかで、実際に歩いてみてもイメージ通りのなだらかな稜線が広がっていました。そこから一気に北葛乗越まで500mほど急降下。蓮華の大下りの名にふさわしい難所でした。徐々に傾斜を増していくガレ場を過ぎると、狭い岩場の通過、くずれかけた段差の大きな木段を下りて行き、その先の遥か下方に鞍部が見えました。ようやく北葛乗越を確認して安心しましたが、最後の下りはまるで八海山の八ッ峰のようでした。打ちこんであるボルトはぐらぐら頼りなく、掴めるホールドは小さい。くじけそうな気持ちを奮い立たせ慎重に下りました。核心が終わったと思ったら、今度は北葛岳までダラダラ長い登り。針ノ木小屋を出発してからだいぶ経つのに、その針ノ木小屋はまだそれほど小さくなく、直線距離にしたらいくらでもないはずなのに、遠回りさせられている気がしてとてもやるせない気持ちになりました。北葛岳からまたうんざりするほど下り、切れ落ちた岩場をうんざりするほど登り、身も心もクタクタになった頃、ようやく七倉岳の頂上稜線に出ました。そこから見たのはこの日一番のご褒美絶景、夕日に染まる槍穂連峰。疲れも吹っ飛び、船窪小屋でささっとテントの受付を済ませいざテント場へ。小屋は大賑わいだったのにテン場は私独り。最初は枯れ葉がこすれる音にもビクビクしていましたが、慣れてくるといつの間にか耳を澄ましていて、普段味わえない秋の山の音をじっくり聴き入りながらぐっすり眠りに就いたのでした。

 2日目はさらにお天気の予感。ひんやりした秋の森を歩きながらまずは船窪岳へ。こちらも難ルートで、梯子ありの、長ーいロープありの、ザレたへつりありのとってもアスレチックな道でした。例えるなら平ヶ岳と荒沢岳を凝縮したようなルートです。
 テン場へ戻った時にはちょっぴり疲れてましたが、重いザックを背負って再び七倉稜線へ出ると、雲一つない大展望が待っていました。北アルプスの名峰に囲まれながら、昨日の道を折り返します。天気が良かったからか、一度経験しているからか、ありがたいことにそれほど苦には感じませんでした。さすがに蓮華まで戻った時はかなり疲労を感じましたが小屋まで何とか踏ん張り、着いた途端速攻でCCレモンを購入して一気飲み、テントを立てて夕食を食べる元気を取り戻しました。今夜も星が綺麗、明日下山するまで天気が崩れないようにお祈りしながらこの日もぐっすりでした。

 翌朝も見事なお天気、昼までもちそうだったので扇沢まで縦走して帰ることにしました。針ノ木まで来て、それまで見えていた船窪に別れを告げ、その先を目指します。ここからは黒部がとても近く、立山、剱がすぐ目の前に聳えていました。針ノ木、スバリの下りは急でガレており、油断すると黒部湖まで一気に滑り落ちていきそうな恐怖感があります。ただ、そこさえ越えてしまえばあとはのんびり稜線歩き。標高が緩やかに下がり、岩場から紅葉の森へと道は続いて行きます。種池山荘が近づくと鹿島槍、五竜、白馬など後立山連峰がぐっと近くなり、とても長い距離を歩いたような気がしてきました。

 岩小屋沢岳を過ぎた辺りからは種池山荘のラーメンのことしか頭にありませんでした。種池の茶色い池の水がラーメンのスープにしか見えなくなっていたので、小屋に着くなり早速ラーメンを注文、人目を憚らず麺をすすり、スープを飲み干し、至福の一時を過ごしました。種池のラーメンはかなりクオリティ高いと思います。
 
 お腹も満たされ後は柏原新道を一気に下るだけ。ここは慣れた道なのでラーメンパワーも相まってスイスイ駆け下りました。終わってみればあっという間、長いようで短く感じたのはとても充実していた証だと思います。そしてテン泊はやっぱり楽しい!来年はもっといろんな場所でテントを張ってみたいです。

フォトギャラリー

A sky full of stars 針ノ木小屋から。

秋の針ノ木雪渓。

雪渓を上から。

蓮華へ向かって。

大下りの始まり~。

北葛の登りはしんどい。紅葉はキレイでした。

北葛~七倉間は気が抜けない。

タルチョが素敵な船窪小屋。

黒部に沈む夕日。

高瀬ダムと槍穂連峰。

不動岳モルゲン。

船窪はダケカンバの黄色が素敵だったんだけど。ここは懸垂気味でした。

今度は蓮華の大上り。

蓮華に架かる雲の影。なごみの一時。

台形の七倉岳に別れを告げて。

針ノ木テン場。トイレ二つもあって驚き。

モルゲン針ノ木とスバリ。スバリは最近までズバリだと勘違いしていた。

黒部湖と大日、立山、剱。

錦秋鹿島槍。

パワーの源。忘れられない味。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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