鳳凰三山で滝と紅葉めぐり 

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
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日程
2018年09月28日 (金)~2018年09月29日 (土)
メンバー
単独
天候
1日目 晴れ 2日目 曇→雨
コースタイム
【1日目】青木鉱泉(100分)南精進ヶ滝(40分)鳳凰滝(80分)白糸滝(30分)五色滝(60分)鳳凰小屋(50分)地蔵岳(40分)鳳凰小屋

【2日目】鳳凰小屋(40分)分岐(30分)観音岳(30分)薬師岳(60分)御座石(90分)小屋跡(40分)青木鉱泉
コース状況
【青木鉱泉まで】一部ダート、すれ違い困難、運転は細心の注意を。鉱泉手前に駐車場あり、宿で1500円支払い領収証を外から見えるように車のフロントに置いてください。

【ドンドコ沢】倒木、土砂崩壊地多数、うっかりすると滑落しそうな斜面や、手がかりの乏しいスラブ地帯があります。

【鳳凰小屋】幕営料800円、トイレ・水使用量200円。約20張のこじんまりとしたテン場です。石の使用は禁止なのでペグを必ず持参してください。ハンマー貸出しあり。

【地蔵岳オベリスク】残置ロープありましたが、小屋の方によると頂上は登攀禁止だそうです。
難易度
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感想コメント

 連休をもらって南アルプスの奥の方へ出かける計画を立てましたが、台風が北上してきたので急遽予定を変えて、鳳凰三山1泊2日の旅に変更。滝見学は外せないのでドンドコ沢コースを選択、寄り道しながら上を目指すことにしました。

 出発地の青木鉱泉は、時が止まったかのような古びのお宿。駐車場代を支払いにガラガラと玄関の戸を開け「すみませーん…」と呼んでみたものの返事は無し。何度か呼び掛けてようやく出てきたのは若い娘さん、おやこんな辺境にこんな若い子が、とどぎまぎしながら「あの駐車場代を…」言い終える前に奥へ引っ込んでしまい、続いて出てきたのはお爺さん。下山予定を伝え料金を支払うとまたすぐに奥へ戻っていきました。俗っぽさがないというか素朴というか、このお宿とても気になります。時間があったら長居したかったです。

 気を取り直して出発、堰堤工事中の林道を迂回しながら進み、時々渡渉してはジグザグの急登を登って行きます。平坦な道に出たと思ったら左側が切れ落ちていてのんびり歩けない。倒木も多く何度跨いだりくぐったりを繰り返したことか。荷物も重いしヒイヒイ言っていた私を元気づけてくれたのは4つの大滝。二段の南精進ヶ滝、轟音で幅のある鳳凰滝、下部が筋状になった白糸滝をめぐり、最後を飾ったのは落差が最も大きい五色滝。この滝は滝壺に近づくことができるので下まで行ってみると飛沫のなんと冷たいこと。体が一気に冷えたので少し戻って高台から眺めることにしました。崖から勢いよく流れ出した水は、下に落ちる前に水蒸気となって消えていく。その繰り返しを目で追うのが楽しくて時間が経つのを忘れるほどでした。この圧巻の大滝は登山道から5分ほどのところにあるので、ザックを置いて休憩がてら寄り道するのがおすすめです。

 全ての滝を見納めてあとは小屋を目指すだけ。小川の流れる庭園のような開けた場所に出ると、その上に錦秋で彩られた白砂の大地と象徴的なオベリスク見えました。小川が中くらいの流れになった頃鳳凰小屋にようやく到着、スタッフの方が暖かく出迎えてくれました。テントを立てて一息ついてから地蔵岳まで行ってみること。森の中を上昇しダケカンバの黄色い林に出ると、急に足元がもつれてきました。そういえば誰かが、地蔵岳は蟻地獄のようでなかなか近付けないと言っていたような。右手に形を変えながら次第に大きくなるオベリスクを見上げつつ、土を足で掘り返すように踏ん張り、白い砂地を茶色に染めていくと前方にお地蔵様の集団が。ようやく頂上台地に着きました。
 左にはあのオベリスク。他の山からでも、道路を走っているときも、遠くからすぐにそれとわかる特徴的な形、間近で見れて感動が沸き起こりました。せっかくなのでもっと近づいてみたいと思い基部まで様子を見に行きました。最後の一枚岩は上から残置されたカラビナとスリングがだらーん。微妙なスタンスもあるけどこれ以上は無理そうなので、ここからしばし周りの絶景を堪能することにしました。気が付くと周りに誰もいなくなり、お腹も空いてきたので日が傾きかける前に小屋へ戻ることに。明るいうちにテラスで夕食をとり、コーヒーを沸かしてテントに潜り込みました。風もなく静かなテン場はこの前の北岳とはうって変わってとても穏やか。少々寒かったので、シュラフカバーの代わりに持ってきたエマージェンシーシートを一枚かけてみたらとても暖かく、快適に寝れました。

 翌朝は昼から雨予報だったので早めに行動開始。寝起きから段差の大きな急登を登って再び白砂の稜線に着くと、昨日はガスで見えなかった北岳が真正面に聳えていました。観音岳へ向かい高度を上げると、白峰三山がくっきりと連なっており、地蔵の後方には甲斐駒、仙丈、南アルプスのスター達が勢揃い。雲海からにょきっと顔を出す八ヶ岳や富士山の胴体も見えました。歩いている人はほとんどおらず絶景を独り占め、白い道を天空に向かって歩いているようでした。そんな幸せな時間は長くは続かず、薬師岳へ着いた頃には北岳も霞みがかっていました。
 
 足早に下り始めましたが、ポツポツきていたのがカラマツ林でとうとう雨具を引っ張りだすことに。足元は笹で覆われ霧が立ち込めた森の中は、雨に濡れしっとり美しく、爽やかな気分で下ることができました。駐車場に着いて青木鉱泉に寄るか迷いましたが、雨で一層近付き難い雰囲気。またの機会にということで、ダートな道がより一層ダートになる前に急いで市街地を目指しました。

フォトギャラリー

錦に染まる地蔵岳と甲斐駒、仙丈。

気になりすぎる青木鉱泉。

南精進ヶ滝。登山道から。

鳳凰滝。登山道から10分、一番遠い。見とれて沢にドボン!

白糸滝。こちらも登山道脇から眺められます。

落差50mの五色滝。飛沫が飛んでくる!

おめさん、どっから来たね?て言われた気がしました。

もうすぐ小屋。ここも素敵な場所。

鳳凰小屋。優しくて美人なお姉さんが二人と親父さんが働いてます。

ペグオンリー。ハンマー貸してくれるなんて驚き。

かわいい!小屋のトイレにて。

ダケカンバの明るい林を抜けると・・・

鳳凰戦隊、ジゾレンジャー登場!

ザ・オベリスク。

恐る恐る。

秋色の観音岳。

翌朝、北岳。山肌が赤く染まってます。

薬師岳と富士山の胸の辺りが見えてます。

雲海に浮かぶ八ヶ岳にょきにょき。

下山の中道ルート。緑に癒されました。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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