真夏の乾徳山・旗立岩
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2024年07月29日 (月)~2024年07月29日 (月)
- メンバー
- 山の先輩
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 駐車場(30分)登山口(100分)高原ヒュッテ(120分)取り付き(120分)雨乞岩(90分)道満山(30分)駐車場
- コース状況
- ・駐車場トイレ、自販機あり。
・高原ヒュッテのバイオトイレは使えます。避難小屋として利用できます。
・旗立岩の取り付きまでは山頂部から懸垂2本するか、今回のように高原ヒュッテから先の道を、途中から右に入って尾根を登ります。踏み跡、テープ有りますが所々不明瞭です。
・旗立岩は3ピッチ。ルート上にはハンガー多数あり。支点はピナクルとカムで構築します。1Pのみ5.6、2P、3PはⅢ級程度、雨乞岩で終了です。
- 難易度
感想コメント
暑い中、マルチピッチ訓練をしに乾徳山の旗立岩・中央稜を登ってきました。取り付きまでは無風の登山道、次いで急過ぎる尾根を迷いながら登ったり下りたり、蒸し暑さの為クライミングを始めるまでに干からびてしまいそうでした。真夏に行くべき場所ではなかったです。
乾徳山は数年前に一度登りましたが、その当時はマルチのルートがあるとはつゆ知らず。山頂直下には鎖場があり、北アルプスなどの岩稜トレーニングにはもってこいの場所です。ただやはり暑さのせいか、この日登っていたのは他に2組だけでした。
取り付くには山頂付近から2回の懸垂下降をして行くのが一般的のようですが、歩いて行けるならその方が手っ取り早いと判断し、今回は道なき道を這い上がりました。安定した登山道を逸れて不安定な斜面に取りつき、木や枝に掴まりながら、時には僅かな草や地面をプッシュして登ります。蒸し暑さと付きまとう蝿に耐えながら、集中力を切らさないよう必死でした。
旗立岩の基部に着いた時はぐったり。雄大な富士山に一瞥だけして、休憩しながらギアの準備をします。暑さで疲れてリードは遠慮しようかと思いましたが、これしきで挫けていては諦め癖がついてしまいそうだったので、気を取り直してシューズを履き替え、意を決して離陸しました。
旗立岩は1P目が核心といわれ、切れ落ちたカンテからのハング越えや、明確な終了点がないので慣れていないと戸惑います。当然私も右のカンテに躊躇して左に逃げてしまいました。落ち着いて良く見ると、カンテ上にボルトが打たれていたのでトポ通り右に抜けるしかないと随分時間が経ってから悟りました。慎重にスタンスを探して足を決め、ガバに手を伸ばしてようやく切り抜け中間を取りました。その後は若干過剰気味に支点を取りなんとかハング越え。支点に出来そうなピナクルがあり、安定した場所だったのでここでピッチを切ることにしました。支点はピナクルの他にカムを2つ。カム1つだと不安だったので2つ取って3点で確保、ビレイ解除のコールまで間が随分開きました。その間先輩は立ったまま寝そうになったとか。
ここまでは良かったのですが引き上げの頃にはもうくったくた。3回引くと全身ぐったりでロープが伸びっ放し。リードに集中しすぎて、大事なフォロー引き上げで集中力が切れかけてしまいました。ダメダメすぎる相方です。いくら暑かったとはいえこれではシステムが成り立ちません。今回も反省点の多い山行となりました。
2P目はフォロー、ロープの送り出しをしつつ何とか休めたので気持ちを切替えて最終ピッチに臨みました。3P目も切れ落ちてはいましたが、先ほどよりはスタンスが豊富で短かったため早めにゴールできました。頂上は広場になっていたのでボディービレーしてフォローを上げます。上がって来たところでお疲れ様のタッチを交わして終了、見上げると遠くに美しい富士山が佇んでいました。
その横には北岳はじめ、南アルプスの峰々。北岳や甲斐駒は特徴的なのでわかりやすいですが、他は教えてもらわないと判別できません。先輩は山梨百名山を踏破しているので、端から端まで細かく山の名前を言い当てていました。私が登ったことのない荒川三山や難関の笊ケ岳も見えていたそうです。
時間はかかりましたが目標にしていた1P目リードを達成し、富士山と北岳が見れて満足です。何とか持ち運んだ半解凍のスイカシャーベットは最高のご褒美となりました。
綺麗な景色に別れを告げたら下山開始。ここからがまた大変でした。麓までは約3時間、半ばうんざりしながら日が暮れかけた登山道を下りました。
【仕様ウエア】
(上)アンダー/ミレーのドライナミックメッシュ+ベースにノースフェイスのドライドットクルー。汗のベタつきがなく汗染みもほとんどありませんでした。暑い夏には最高の組み合わせだと思います。
(下)ノースフェイス/バーブライトスリムパンツ。ウエストゆったりなのにスリムなシルエットが作れる優秀パンツ。ハーネスやザックのウエストベルトにも干渉しないので、アルパイン要素のある山にはおすすめです。岩の擦れにも強いです。
【使用ギア】
○キャメロットC4 #0.5、#0.75、#1、#2
○240ダイニーマスリング、120アルヌン、60アルヌン、クイックドロー数本
フォトギャラリー
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。