新緑 荒沢谷遡行 (奥秩父 雲取山北西面 大洞川支流)

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投稿者
伊藤 岳彦
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日程
2012年05月23日 (水)~2012年05月24日 (木)
メンバー
単独遡行
天候
晴時々曇
コースタイム
【1日目】
池袋(7:30発)-西武秩父(9:10発)-秩父湖(10:00発)-荒沢谷出合(12:45着13:15発)-菅ノ平(16:00着)

【2日目】 
幕営地(8:00発)- 遡行終了・雲取山巻き道(11:15着)-雲取山荘(11:45発)-三峰神社(15:20着)
コース状況
【雲取林道(大洞林道)】
・車が進入できるのは、サメ沢橋まで。ゲートがありそれ以上は進入不可。
・サメ沢橋より先は、落石に要注意です。
・三峰神社行きのバスは、秩父湖~三峰神社間の自由乗降ができます。
 林道入口で下車をすれば、秩父湖から歩くよりも45分ほど短縮できます。

【ベンガラの滝】
・右岸に比較的明瞭な巻き道があります。
 滝を越えてさらに進んで先のガレを下ることができます。

【井戸淵】
・深い釜をもった小滝が連続するゴルジュ。盛夏なら泳いでもよさそうです。
・右岸の巻き道は急斜面につけられているようです。
・少し戻った左岸の小沢から高巻いて、狼谷へ急下降する方が分かりやすいと 思われます。

【ビバーク適地】
・菅ノ平もよいですが、谷が大きく左に曲がる地点の右岸台地の方が、明るくオススメです。

【大雲沢のツメ】
・急峻なガレ場となり、危険も少なくありません。
・それまでの遡行の楽しさを阻害しかねない苦行となるかもしれません。
・北雲沢のツメの方が、正確なルート取りが要求されますが、適していると思わ れます。
難易度
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感想コメント

老若男女多くの登山者に親しまれる東京都最高峰・雲取山。
沢登りの観点から分水嶺としてこの山を捉えるならば、3つの水源を成していることが分かります。
1つ目は東面の「大雲取谷」。その名を冠し、日原川の上流に位置するこの谷では、鬱蒼とした原生林のなかの静かな沢旅が味わえます。
2つ目は南面の「青岩谷」。豊富な湧水をもち、水量豊かなこの沢は青岩鍾乳洞を経て、後山川となります。
これら2つが多摩川水系であるのに対し、3つ目の「荒沢谷」は北西面を水源とする、荒川水系大洞川流域の入門的な沢。野性味溢れるとても静かな沢で、釣師にも知られる初級の沢ルートです。

だいぶ強くなった春の日射しのなか、今回はこの「荒沢谷」を独り静かに遡行し、新緑まばゆい沢旅を満喫してきました。
秩父湖から和名倉山の懐へ延々と続く落石だらけの雲取林道を辿り、ようやく午後に入渓。
水のなかでの足運びを体がすぐに思い出し、軽快に幾つかの小滝を越え、この沢最大の「ベンガラの滝」8mを巻き、初日は「菅ノ平」と呼ばれる絶好のビバーク適地にて幕営。
久しぶりの焚き火の炎に魅せられながら、鹿の声と沢のせせらぎ、そして不気味で妖しい鳥の啼き声をBGMに幻想的な夜を過ごしました。
翌日は、肌寒いなか意を決して濡れたウェアを身に纏い、井戸淵と呼ばれるゴルジュを高巻き、低い水温にめげず順調に遡行。
大雲沢の詰めは急峻なガレ場となり、かなり体力を消耗しましたが、充実した遡行をすることができました。

濃密な沢旅ほど非日常を強く意識させてくれるものはありません。
焚き火で過ごす夜だけでなく、行き詰った状況を柔軟な発想で乗り越えるシチュエーションや、全ての筋力を自然のなかに開放する感覚は日頃味わえるものではありません。
こうした経験は自分の登山ライフを豊かにしてくれるだけでなく、自身のスキルアップのために何が必要なのかを教えてくれるような気がします。

フォトギャラリー

静寂の荒沢谷

林道入口より雲取方面

荒沢橋 ここまで約3時間の林道歩きです

入渓点より

桂谷出合

新緑がまぶしいです

アシ谷より先は傾斜がややキツくなります

ベンガラの滝8m

滝を高巻いた後、このガレを下ります

ベンガラの滝上のゴルジュ

また穏やかな渓相になります

菅ノ平 ビバーク適地

井戸淵 高巻き道より

狼谷出合を見下ろす

朝の淵は冷たいです

さらに上流へ

2条5m

大雲沢と北雲沢出合の二俣

長いガレツメの始まり

和名倉山を振り返る 傾斜がキツくなってきました

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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