北アルプス 槍穂高連峰 主脈 全山 縦走
- 投稿者
- 田渕 幹敏
- 日程
- 2011年08月07日 (日)~2011年08月10日 (水)
- メンバー
- ららぽーと横浜店 田渕
他 2名 (TL)
- 天候
- 08/07 晴 ⇒ 08/08 雨 ⇒ 08/09 晴のち霧 ⇒ 08/10 晴
- コースタイム
- 【08/07】 全体で2時間 (休憩込)
新穂高ロープウェー ⇒ 西穂山荘 (ツェルト泊)
【08/08】 全体で11時間 (休憩込)
西穂山荘 ⇒ 西穂高岳 ⇒ 間ノ岳 ⇒ ジャンダルム ⇒ 奥穂高岳 ⇒ 穂高岳山荘 (テント泊)
【08/09】 全体で10時間半 (休憩込)
穂高岳山荘 ⇒ 涸沢岳 ⇒ 北穂高岳 ⇒ 南岳 ⇒ 中岳 ⇒ 大喰岳 ⇒ 槍ヶ岳山荘 (テント泊)
【08/10】 全体で10時間 (休憩込)
槍ヶ岳山荘 ⇒ 槍ヶ岳 ⇒ 奥丸山 ⇒ わさび平 ⇒ 新穂高ロープウェー
- コース状況
- 西穂山荘までの登山道はよく整備されている。
山荘から独標までは、比較的易しい岩稜で大きな危険ヶ所は無い。
独標直下の登りは落石に注意。
丸山付近は尾根が広く、霧が出ると道迷いの危険有り。
独標から西穂は、それなりに難易度の高い岩稜。
登山道の状態は良好だが落石や転滑落には注意が必要。
最低限の岩稜歩行技術は必須、ヘルメットはあった方が良い。
西穂から奥穂は国内の一般登山道では最難に位置付けられているコース。
登山道の状態は良好だが、ルートを示すマーキングや難所の鎖は少ない。
的確なルートファインディング能力と基礎的な岩登りの技術、総合的な知識と判断力、及び体力が必要となる。
クライミングの難易度は高くないが、気を抜けない岩稜が長く続く事/途中に有効なエスケープルートや水場が無い事/比較的重い荷物で長時間の行動が必要になる事/天候悪化時の行動が難しい事…等を鑑みるとルート全体としての難易度はけして低くない。
奥穂から槍は、大キレットと呼ばれる難所を通過するルート。
西穂~奥穂に比べるとマーキングや鎖の整備はしっかりしている。
いわゆる難所として有名な場所(飛騨泣きや長谷川ピーク 等)は勿論だが、むしろ何気ない稜線や頻出する鎖場での一瞬の気の緩みに注意が必要。
槍から奥丸山は、昭文社の「山と高原地図」では破線表記のルート。
ルートは比較的荒れており、一部トレースも分かり難い。
笹で覆われた痩尾根では踏み抜きに注意。
奥丸山から小池新道までも、ルートコンディションはあまり良くない。
大きな段差の急な登下降では転倒に注意。
林道に入ってから新穂高ロープウェーまでは、よく整備されており歩き易い。
- 難易度
感想コメント
国内の一般登山道では最難ルートの1つとされる西穂~奥穂。
北アでは屈指の難ルートと言われる大キレット。
この2つを繋げて歩いたら楽しいのではと、前々から計画していた縦走に行って来ました。
本当は逆周りの方が楽なのですが、「常に槍を見ながら、その穂先を目指す!」と言うコンセプトで西穂スタートにしました^^
西穂~奥穂は、昨年の冬期に単独で歩こうとしてあまりの怖さに入口で断念したルート(笑)
積雪期にも、いつか再チャレンジ出来れば嬉しいです。
今回僕はツェルト泊で行ったのですが、あいにく初日以外は雨…最終夜は暴風!
中日最終日は弟のテントに逃げ込み、翌朝ツェルトを見に行くと(飛ばずにちゃんと立っていましたが)中は池でした^^;
ニーモ社のメタと言うワンポールシェルターで泊まった連れは、シェルターごと飛ぶのではと一晩中ポールを握り締めて座っていたそうです(笑)
現代の自立式テントと言うのは、凄いものですね!!
西穂~奥穂は素晴らしいルートでした。
岩稜歩きの色々な要素が詰まった、充実したコースです。
難しいクライミングを強いられるヶ所はありませんが、全体として気は抜けず良い緊張感が続きます。
僕らが歩いた時には途中から雨が降ってきましたが、降雨時には難易度がかなり上がりますので晴天時に行かれる事をお勧めします。
ただ、今回は途中で水が無くなってしまったメンバーがいたので僕は岩窪に溜まった雨水を飲みながら登攀しました。
まさに"天の恵み"、ありがたかったです(笑)
「ジャンダルムでは奥穂の登山者から手を振って貰えるよ。」と聞いていたのが、雨で全く見えなかったのは残念でしたが・・・><
因みに、奥穂登頂後に気付いたのですが・・・山頂には雨で誰もいませんでした(笑)
大キレットは西穂~奥穂と比べると遥かに整備が行き届いており、難所にはきちんと鎖が張られステップが切ってあります。
ただ、奥穂から槍までは距離が長く疲労が溜まり易いです。
南岳付近だけは美しいお花畑の広がるなだらかな稜線を楽しめますが、それ以外のトレイルは岩場やガレ場が多くあまり気は抜けません。
ちょっとした気の緩みや、疲労からバランスを崩したりと言った事故には注意して下さい。
難所を通り抜けて辿り着く南岳のお花畑は、本当に美しくホッとしますョ。
その後がまだまだ長いのですが・・・^^;
大喰岳の降りで槍ヶ岳山荘のテン場が一杯なのを発見。
予約を取る為、山荘まで20kgのザックを担いで猛ダッシュと言うオマケも付きました(笑)
今回の下山は、奥丸山を経由するちょっとマニアックなルートを取りました。
少し荒れた登山道なのですが、歩いて来た槍穂高連峰の稜線が綺麗に見えるのではとのパートナーからの提案に選択しました。
結果は・・・彼の予想通り!!
「あの尾根をずっと歩いてきたんだね~!」と感慨もひとしおでした!
西穂から槍まで、文字通り槍穂高連峰の岩稜を歩き尽くす素晴らしい旅でした。
日数のわりに疲れた気がしますが、それが充実度を物語っているのかもしれません。
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