西丹沢 玄倉川 小川谷廊下 遡行

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2012年08月20日 (月)~2012年08月20日 (月)
メンバー
町田店 阿部
玉川ガーデンアイランド店 福地
ららぽーと横浜店 髙野 (TL)
ららぽーと横浜店 田渕
天候
コースタイム
仲ノ沢林道 分岐 (立間大橋 手前) 駐車スペース ⇒ (30) ⇒ 入渓点 (穴ノ平橋 手前) ⇒ (30) ⇒ 仲ノ沢 分岐 ⇒ (120) ⇒ 大岩 ⇒ (120) ⇒ 小川谷廊下 終了点 ⇒ (10) ⇒ 小川谷経路 ⇒ (90) ⇒ 仲ノ沢林道 分岐 駐車スペース

※ 単位は分、休憩含まず。
コース状況
玄倉林道と仲ノ沢林道を分ける分岐の手前に駐車スペースがあり、そこから入渓点までは舗装路。
分岐にゲートがあり、立間大橋から先は車両通行規制がかかっている。
道は、落石が多く見られる意外は良いコンディション。
入渓点は分かり辛いが穴ノ平橋の100m程手前で、左側の古い鳥居が目印。
付近まで来たら頻繁に遡行図や地図を確認すると良い。

入渓点から穴ノ平沢と小川谷の分岐点の河原までは、急な斜面を降る。
草付きの悪い斜面でよく滑り、少し危ないので注意が必要。

穴ノ平沢 分岐から仲ノ沢 分岐までは歩き易い道。
途中に突堤を降る梯子があるが危険は無い。
仲ノ沢を分けると直ぐに滝が出て来るので、ここで身支度を整えると良い。

小川谷廊下は、とても美しい渓相。
丹沢には珍しい顕著なゴルジュ帯を持ち、適度に楽しめる小滝が数多く現れる。
沢は殆どの場所で明るく開けており、きちんと遡行図と地形図を読みながら進めば迷う可能性は低い。
入渓者が多い為、沢床や岸壁は比較的安定している。

滝の登攀に難しいものはないが、それなりに高さがあるので注意。
高巻きでは、少し嫌らしい長いトラーバースもある。
パーティーに初心者がいる場合は、少しでも危ないと思ったら積極的にアンザイレンする方が良いだろう。

下山に使った小川谷経路は少し荒れ気味。
細いトラバースや崩落ヶ所の通過、ロープ場等がある。
アプローチシューズは、出来るだけ滑り難くしっかりした物を持つと良いだろう。
尾根や沢を頻繁に越えるので、尾根筋に沿って進んでしまわない様に注意。
難易度
Google Map

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感想コメント

丹沢山塊の誇る名渓、小川谷廊下。
この美しい沢は、西丹沢を流れる玄倉川の上流に位置する支沢です。

沢登りをする人にとって、「廊下」と言う言葉は実に魅力的に響く事と思います。
先ず思い浮かぶのは、やはり黒部峡谷の下ノ廊下/上ノ廊下でしょうか。
沢の世界で「廊下」とは両側を切立った岸壁に挟まれた狭い峡谷の事で、"ゴルジュ"とも呼ばれます。
ゴルジュとはフランス語で喉の意。
まさに喉の如く細くなった沢の難所で突破が難しい事が多いのですが、多くの場合その造形は風光明媚で素晴らしい景勝地でもあります。
技術的に難しく、且つ美しい!!!
沢を愛する者にとって垂涎の的となるのも頷けます。

その素晴らしいゴルジュが、何と造山時期は新しく豪雪地帯でもない丹沢山塊にあるのです!
これは是非行かなければ、と言う事で行って来ました(笑)
僕らは平日に出かけたので誰にも会いませんでしたが、人気の高い沢ですので天気の良い週末などは混んでいる事もある様です。
下山では、丹沢では比較的珍しいカモシカにも出会いましたョ。

入渓点が少し悪く気を使いますが、沢内はとても快適。
人気の沢だけあって沢床や岸壁は安定しています。
気持ち良く登れる小滝が数多く出て来て飽きさせませんし、ゴルジュ帯も水線をそのまま突破できるヶ所が殆どでとても綺麗です。
低山の沢によくある潅木を掻き分ける様な場面がなく、上空が開けて明るい事も魅力!
適度に冒険的な滝やゴルジュを擁しながら深めの釜や瀞に美しい瀬もある、沢登りの色々な要素が詰まった懐の深い沢でもあります。

但し、滝はそれなりに高さがありますし少し嫌なトラバースの高巻きもあります。
実際に転滑落による事故も起きている様です。
初心者がいる場合は、面倒がらずに積極的にアンザイレンもしくはフィックスを張る方が良いです。
ゴルジュですので雨後はかなり増水し水勢も強くなりますから、天候にも注意して下さい。

都心からのアクセスも良く比較的近場の山と言える丹沢山塊に、この様な素敵な廊下を擁する沢があるなんて嬉しいですね!
アクセスも良く遡行時間も適当、初心者からベテランまで楽しませてくれる懐の深さがあり、そして美しい!!!
小川谷廊下、人気の高さも納得の素敵な沢でした!

フォトギャラリー

雨の影響か、仲ノ沢林道は洪水に^^

入渓点の降り始め。急な痩尾根を辿る。

最後は泥が滑る急斜面。転ばない様に要注意!

仲ノ沢 分岐の辺りで準備!

木漏れ日の美しい渓内。とても気持ち良い!!

どんどん水に入っていく!

水線を突破するも浅く巻くも自由にルートをとれる!素敵な沢だ♪

水も岩も森も滝も、本当に綺麗!思わずカメラを構えちゃいますネ!

水もとても綺麗だが魚影はない。人が多く入る沢なので致し方ないのでしょう…。

この高巻きは少し怖いかもしれない。ホールドは豊富だが高度感がある。

今回は、フィックスロープを張ってヴィアフェラータの様に登攀。

小川谷名物、大岩の滑り台。上部のボルトが付け替えられて立派になっていたので、バックアップだけとってゴボウでガシガシ登った^^

素晴らしく美しいゴルジュが続く!!!

大きな滝を右岸(左側)の草付から巻く。

ホールドは豊富だが泥が少し滑る^^;

静寂の小川谷廊下。

ゴールが見えて来た。この滝を越えると終了点だ。

古い突堤跡が小川谷廊下の終着駅。物語の様な終り方がとても素敵だ。

下山路は少し荒れ気味。難しくはないが、基本的に片側が切れたトラバース道なので慎重に!

倒木もあります。台風の後などは更に荒れると思うので注意!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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