北アルプス 西穂高岳

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2012年01月17日 (火)~2012年01月18日 (水)
メンバー
単独
天候
01/17 晴のち霧 ⇒ 01/18 晴
コースタイム
【01/17】
新穂高ロープウェー 新穂高温泉駅 ⇒ (22) ⇒ 新穂高ロープウェー 西穂高口駅 ⇒ (60) ⇒ 西穂山荘 (西穂山荘 泊)

【01/18】
西穂山荘 ⇒ (60) ⇒ 独標 ⇒ (35) ⇒ ピラミッドピーク ⇒ (60) ⇒ 西穂高岳 ⇒ (120) ⇒ 西穂山荘 ⇒ (40) ⇒ 新穂高ロープウェー 西穂高口駅 ⇒ (22) ⇒ 新穂高ロープウェー 新穂高温泉駅

※ 単位は分、休憩含む。
コース状況
ロープウェーの西穂高口駅から園地内は、圧雪されておりツボ足で問題無い。
観光客も多い。

登山口から先は、冬山の装備と技術が必須。

西穂山荘までは6本爪以上の軽アイゼンで登降可能だが、8~10本爪の足裏全体をカバーするアイゼンがあるとBetter。
雪上歩行に長けた方ならツボ足で問題は無いが、それなりに疲れる。

山荘から丸山までは、軽アイゼンの方も見かけるが…稜線の雪はクラストもするのでアイゼンは8~10本爪以上の方が良いと思う。
稜線は風が強い事が多いので、防寒対策はしっかりする方が良い。
丸山の山頂付近は稜線が広く、ホワイトアウトすると道迷いの危険がある。

丸山から独標までは厳冬期の装備と冬期の基礎的な岩稜歩行の技術が必要、滑落があり得るので基礎的なアイゼンワークと滑落停止を含むピッケルワークの基礎は必ず身に付けたい。
独標直下の登降は滑落や落石に注意。
下山では、ルートを間違え易い支尾根が右に出るので悪天時は注意が必要。

独標から先は、本格的な北アルプスの岩稜になる。
厳冬期の装備と、然るべき技術を身に付けて臨みたい。
雪が深ければ夏道は使えないので、崩れ易いトラバースの通過が必要になる。
雪庇も発達するので踏み抜きに注意。
山頂直下のルンゼは雪が薄いと急斜面にベルグラが張り付いてちょっと怖いので、夏道が使えればそちらにまわる方が楽な場合もある。
特に独標から先は、少しでも怖い場所があったら積極的にアンザイレンする方が良いだろう。

雪山は気象条件等で大きくコンディションが変わるので、出発前に山荘で最新の情報を貰う方が良い。
難易度
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感想コメント

西穂高岳は、公共交通機関でのアクセスがし易く通年の宿泊施設もあります。
四季を通して本格的なアルピニズムを学ばせてくれる山で、普通免許を持たない単独行者をこれほど暖かく迎えてくれる山は多くありません。
僕の知る限り、関東近県では西穂高岳と谷川岳が最も無免許ソロイストに優しい様です(笑)

疲れが溜まっていた事もありこの休みは登山をする予定ではなかったのですが…。
厳冬期の北アでは年に数回有るか無いかの素晴らしい気圧配置に、ついバスを予約してしまいました。

高速で大事故があり急遽夜行列車に替えたり、ちょっとハプニングもありましたが無事に西穂山荘へ到着。
乗継時間の関係で松本からタクシーを使わざるを得なかったのですが、優しい運転手さんが驚きの格安料金で運んでくれました!!!
首都圏からも松本からも、冬期は新穂高までの直通バスがありません。
人数が揃うなら、こう言う行き方も楽で良いかもしれませんね。

天候は予報通り2日間とも概ね良好!
初日は午後から霧につつまれましたが、2日目は最高のお天気でした。

登山口から山荘までは、深く雪の積もった美しい樹林帯を行きます。
山荘直下の斜面のみ急ですが、他は比較的なだらかなUpDownが続く歩き易い登山道です。
快適なスノートレッキングが楽しめますが、ロープウェイの駅に整備された園地からダイレクトに登山道が延びるので軽装の観光客が入り込んで遭難してしまう事があります。
初級のアプローチとは言え冬期の北アです、冬山の装備を持たない場合は園地内までにしておきましょう。
実は、この園地がある事が西穂の大きな魅力の1つでもあります。
これから雪山を始めてみたい方や雪山登山は怖いけれどその美しさには魅力を感じている方は、是非ここを訪れてみて下さい。
園地から見上げる西穂高岳は、時にキラキラと陽光に輝き時に荒々しく雪煙を舞い上げ…その風景を見るだけでも冬の北アの美しさを堪能出来ると思います!

相性が良いのでしょうか…、冬に西穂に来ると僕は大抵天候に恵まれます。
今回も最高のお天気で嬉しい限り!
珍しく風も弱めで、最初から最後まで青空の下!
朝焼けに染まる笠ヶ岳、空を切り裂く美しい吊尾根、白く聳える穂高の峰々。
本当に気持ちの良い山行になりました。

時期が早い事も有り雪は少なめ、夏道がかなり使えルートのコンディションは良かったです。
昼間の気温が上がった為に帰りは雪が腐って少し危ないヶ所もありましたが、概ね快適な状態でした。
山頂直下はベルグラの張ったルンゼを直登しましたが、ココはノーザイルだと少し怖かったです。
ソロで行かれる方は注意して下さい。

いつか冬期に西穂-奥穂を歩きたいなぁと思っていますが、さていつになるでしょうか?
その時は、どうか今日の様な天気であって欲しいものです!
やりたい事や行きたい山は沢山ありますが、まずは今年も元気にこの山を登れた事に感謝しています。

フォトギャラリー

松本から平湯へ向かうバスの停留所は凄く綺麗だった。しかし、乗り継ぎ時間の関係で今回はバスは断念。

初日は午後から霧につつまれた。山荘に着いた頃には真っ白。

翌朝は晴天!まだ月が残っている。

美しい朝焼け。この光が笠ヶ岳を紅に染める。

朝焼けの稜線。稜線上のピークの内、右手前の平らな山頂が独標。真ん中のピラミダルなピークが、その名の通りのピラミッドピーク。

青空に吊尾根が美しい!

独標の登りを上から見下ろす。ココまでは簡単とよく言われるが、なかなかに急だ。

ピラミッドピークから来た道を振り返る。独標の上に人がいるのが見える。

ピラミッドピークより西穂側を望む。峻険な美しい尾根筋。

山頂直下のルンゼ。岩に薄氷が張り付いて、その上に薄く雪が乗っている。

山頂から奥穂高岳方面。

槍ヶ岳も綺麗に見えた。

西穂-奥穂の稜線。イイですね!

ルンゼの降り。ノーザイルだと少し怖いので、右に夏道が見えていればそちらにまわる方が楽な場合もある。

奥の斜面では雪が全層で滑っている。あれが落ちて来たら怖いだろうなぁ…。

無事に山荘へ到着。中は暖かいのでレンズが曇っている。

名物の西穂ラーメン。この頃は醤油と豚骨の2メニューだったが、この後に豚骨が味噌に変わる。

西穂山荘。今日は午後も天気が良い!

園地内はこの様に圧雪されており歩き易い。

帰りに立ち寄った、平湯バスターミナルの温泉。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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