御坂山地 毛無山 (淵坂峠 分岐 迄)

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2014年02月05日 (水)~2014年02月05日 (水)
メンバー
ららぽーと横浜店 田渕 (TL)
他 1名
天候
コースタイム
全体で7.5時間 (休憩込)

文化洞トンネル 毛無山 登山口 ⇒ 長浜ルート 分岐 ⇒ 長浜ルート 出合 ⇒ 淵坂峠 分岐 ⇒ 長浜ルート 出合 ⇒ 長浜ルート 分岐 ⇒ 文化洞トンネル 毛無山 登山口
コース状況
全体に良好で、大きな危険ヶ所や難しいポイントは無い。
本レポートで難易度を中級としているのは降雪直後のタイミングを狙って入山している為で、ルートとしては初級と考えて問題無い。
積雪が多いと、稜線上の吹き溜まりで軽度のラッセルが必要となるので注意。
今回の様に降雪直後のノー トレースで積雪量がある程度ある場合は、ルート ファインディングも必要になる。
また数ヶ所の急斜面があり、雪が乗るとスリップの危険があるので念の為注意。
難易度
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感想コメント

山梨県 南部、富士山を対岸に河口湖と西湖に沿う様に延びる山地が御坂山地です。
クライマーにとっては素晴らしいゲレンデでもある三ッ峠(御巣鷹山/開運山/木無山)や、鎖場や吊橋を擁する冒険的な十二ヶ岳など、御坂山地は沢山の名山を抱く魅力の多い山域です。

クライミングで三ッ峠へ行く以外では、僕は御坂山地の山へは殆ど入った事がありませんでした。
十二ヶ岳を含む縦走路は一度歩いてみたいなと思っていたので、この機会にまずは毛無山へ偵察に行く事にしたのです。

毛無山は、御坂山地に於いて十二ヶ岳を中心とした縦走路の起終点になる事の多い山です。
山頂部からの展望が素晴らしく、裾野の広がりまで一望出来る富士山の絶景を中心に、左右には陽光にキラキラと輝く河口湖と西湖を見渡す事が出来ます。
お天気が良い時の毛無山から眺める富士山は、数ある富士の展望を誇る山の中でも屈指の美しさであろうと思います。

展望の美しい山に雪が降ると、それはもう…まさに絶景です!
関東で多量の降雪があると、普段はそれ程積雪の無い低標高の毛無山にも翌日にはかなりの深さで雪が積もるのです。
そして…その翌日が晴天となれば、もう毛無山 日和と言う他ありません!
今回のお休みはそんな2月のある日とぴったり重なってくれました^^

降雪直後の晴天を狙って電車を乗り継ぎ、毛無山 登山口へ!

強い寒気の影響で雪がやんだ後も気温が上がらず、駅から登山口までの道路状況は大混乱でした。
大幅に遅れながらも何とか無事に登山口へ辿り着き、いざ出発です。

出だしから取付きに少し迷う程の積雪量で、予想通り全くのノー トレース!
毛無山は、林業の方の物と思われる赤テープが登山道から外れた尾根にも多く点在しています。
積雪が多く登山道が隠れている時にはそちらに導かれてしまう可能性がとても大きいですので、注意して下さい。

尾根上の吹溜りでは膝下程度のラッセルもかなりありました。
雪は軽く一回の距離も長くはないですが、ラッセルを予想する山ではないので場合によっては初めての経験になる方もいらっしゃると思います。
予定よりずっと時間もかかり体力も消耗すると思いますので、気を付けて下さいね。

登山道は山頂付近まで展望はありませんが、道を囲む樹林はとても美しいです。
木々の間を縫ってとどく木漏れ日、樹間に見え隠れする富士山と湖の水面からの照り返し、そして唯一の先導者である鹿や小動物の足跡。
雪に音を吸われた森の中では、時折の風にカラカラと響く枯木の葉鳴りだけが響いていました。

初めてのラッセルを苦労しながらも楽しむパートナーと一緒に、静かで美しい森の斜面をゆっくりと歩きました。
スピード ハイクやファスト トレッキングが隆盛の昨今ですが、山にはゆっくりと歩く事でしか見えない魅力も沢山あります。
雪鳴りする新雪を踏みしめ、頭上を吹き抜ける冷たい風に心を傾け、そこここに隠された生き物達の送ってくれるサインに耳を澄まします。
山の息吹、森の鼓動を感じながら歩くのです。
普段生活している都会の時間の流れが…ゆっくりと自然のそれに溶け込む様な、僕を包む時の流れが本来の姿に戻っていくのを感じます。
こうしてゆっくりと、笑顔で一緒に山を歩いてくれるパートナーがいるのは嬉しい事ですね!

暫く山に行けない時期が続きましたが、それだけに自分の体や心が求めている山を何となく強く感じる気がします。
月内にもう幾つか人の住む世界に近い雪の山を登りたい、そんな風に思います。


※ 今回の山行はのんびりと休憩や訓練の時間を多く取るコンセプトの為、ゆっくりです。
※ 標準的なコースタイムは、地図やガイドブックをご確認下さい。

フォトギャラリー

河口湖の駅に降り立つと、もう目の前には美しい富士山が迎えに来てくれている!

登山口は雪の中。予想通りのノー トレース!旧トンネル跡付近からの取付きは、少し分かり難いので注意。

木漏れ日の美しい雪の樹林帯を進む。登山道は見えていないが、基本は尾根を忠実に辿る。

動物の足跡。時々登山道と沿いながら、かなり上まで僕らを導いてくれた。

鹿だろうか、猪だろうか?雪を掘り返して餌を探した跡だろう。

木々の間から富士が覗いている。

稜線上には吹溜りが多く、定期的に膝下程度のラッセルがめぐってくる。

十二ヶ岳へ向かう、迫力の稜線!

日当りの良い場所では、岩や木々から立派なツララが多く見られた。

山名が示す様に、木が薄くなり草原が見えてくると山頂は近い。

樹林が切れる辺りから、河口湖を見下ろす。

恥かしがり屋の富士山は雲の中へ。ゆっくり待っていれば、きっとご機嫌を直してくれるはず!

淵坂峠 分岐 手前の山腹で休憩。雲一つ無い青空が最高に素敵!

空には飛行機雲が。「空に憧れて 空をかけてゆく ♪」、ゆーみんの飛行機雲を思い出す。哀しいけれど素敵な歌だったなぁ。

河口湖と周辺の街並み。人の住む世界から近い山は、どこか優しく温かくて好きだ。

淵坂峠 分岐でご飯。温かいスープでホッと一息!直ぐ上が山頂だが、時間と体力を考えて今日はここまで。山頂へのご挨拶はまた次回の楽しみに!

さて、富士山はご機嫌が治りました!

ちょっとアップ。まるで不思議なくらい、姿形端麗な山だなぁ。

更にアップ。厳冬期は世界でも屈指の厳しい山となる富士山。今日のあの山頂では、どんなドラマが起こっているのだろうか?

帰路、茜色の木漏れ日に染まる山腹。西湖の湖面に弾かれた夕焼けが、山まで届いて僕らを照らすのだ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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