槍ルート 奥丸山経由槍ヶ岳へ(冬季ルート下見・タイムアウト撤退)(2/2)

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投稿者
三谷 卓亮
日程
2014年04月30日 (水)~2014年05月02日 (金)
メンバー
(単独)
天候
1日目:雨  2日目:曇りのち吹雪 3日目:晴天
コースタイム
【2日目】
槍平冬季小屋→(220分)→奥丸山稜線→(20分)→奥丸山→(120分)→2360mビバーク地点

【3日目】
2360mビバーク地点→(30分)→飛騨沢からの合流点→(210分)→千丈乗越→(60分)→槍平冬季避難小屋→(200分)→新穂高ロープウェイ駅
コース状況
積雪
奥丸山東尾根は森の中にも大量の雪が着いています。
稜線上では雪庇も残ります。
難易度
Google Map

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感想コメント

【2日目】
朝からガスがかかっていました。
奥丸山尾根に取りつきます。
1日日は沢沿いの中腹まで登りましたが、2日目は下部から尾根に取りつきました。
奥丸山東尾根の森の中は、大量に雪が残っていました。
比較的斜面の急な尾根の下部、春山のグズグズ雪に足を取られ、ほとんどスピードが出ません。
2100m以降からは左右の切れ落ちた場所が数か所。

2200m付近では、木々に支えられた雪の壁が現れました。
自分の身長を超えた雪壁で2~3m以上ありました。
もっと冬季の雪の多い締った時期であればその壁も直登することもできそうでしたが、温度と雨によってその雪もグズグズ。下手に無理をすると滑落もありそう・・・。
木を伝って壁を越えようとしたり、壁を崩しながら越えようとしたり、さまざまなことを試しましたが全て失敗に。
結局、右に大きく巻いて急斜度の雪面を登ることにしました。
ここの壁の対処で時間をロスしました。

奥丸山までの東尾根はそれ以降は斜度のきついところもあるものの、難しいところはありませんでした。
最後に雪庇を乗り越えるように。4時間近くもかかってしまいました。
トレーニングしてないのがモロに出ちゃいましたね・・・。

ここからは稜線上を歩いて槍を目指すだけです。
アップダウンはあるものの難しいものはありません。
ガスが多く、真っ白でした。そしてみぞれが降り始め、雪になり吹雪へ。
真っ白な中槍の稜線に取りつくのは危ないと判断。
2360m付近の大木の前に壁を作ってビバークしました。


【3日目】
おはようございます。3000m級の白い山々が目の前で出迎えてくれました。
見事な晴れです。
時間的に槍登頂は無理かもしれない・・・。
出発前の時間計算でそう出ていました。とりあえず行けるところまで。

稜線歩きは快適の一言です。
踏み抜きや雪庇など数多くあるものの、ピークに向かってつながる稜線が見えているので苦がありませんでした。

30分ほどで飛騨沢から稜線に取りつく踏み跡がありました。
2460m付近でしょうか、飛騨沢を直登せずにこちらに取りつくひとがいるのですね。

千丈乗越手前の雪面から急斜面になってきます。
雪面表面に薄くついた氷の層、その下は何だか堅いような緩いような雪。
歩く毎に、左右に大きくヒビが入っていきました。
何とか崩れずに岩場に取りつき、そこから右に巻いて千丈乗越へ到達。

しかしながらここでタイムアウト。惜しみながらも撤退することに。
千丈乗越から一気にシリセードで下りました。
ピッケル制動かけながらも楽しい滑りでした。

そこからは来た道を戻るだけ。
何だか雨と雪のせいか、二日前よりもデブリが多い気がしました。


【総評】
今回は総じて行動計画がすべて遅れてずれたのが問題だったかもしれません。
初日に奥丸山の稜線に到達できていれば、2日目に一気に槍へと辿り着けたと思います。
奥丸山東尾根は下部が猛烈に雪だまりになっており、これを避け、中腹から一気に取りつくと時間をカットできるかと思います。
雪や天候の状態によっては沢を一気に登ってもいいかもしれません。

フォトギャラリー

奥丸山尾根左沢

奥丸山尾根 雪たっぷり

ちょっと天候が・・・

なーんだ、すぐじゃん・・・これがこんなことになろうとは

数か所ありました

奥丸山尾根完登

稜線上

稜線上

吹雪になってしまい、あえなくビバーク

おはようございます。3000mの朝でございます

うつくしー!

飛騨沢からの合流点

朝日だー!

飛騨沢上部(私は稜線から)

中崎から西鎌へ

右谷

乗越手前雪面、大人数で登ると崩れそう・・・岩場を経由して登る

可能性は見えた。次は厳冬期で!

二日前よりデブリ増えてない・・・?

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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