読図実技講座~浜立尾根~(山梨県)
- 投稿者
-
浅見 直紀
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2014年05月28日 (水)~2014年05月28日 (水)
- メンバー
- 講座参加者の皆様
大蔵喜福ガイド
手塚友惠ガイド
横浜西口店スタッフ 松尾
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- JR笹子駅 →(70分)→ 道証地蔵 →(80分)→ 1246m付近 →(80分)→ 浜立山山頂 →(120分)→ 大鹿林道合流地点 →(25分)→ 中央自動車道架橋 →(30分)→ JR笹子駅
- コース状況
- 道証地蔵までは車道歩き。
赤布はところどころあるものの、基本的には“斜面歩き”の印象。
- 難易度
-
感想コメント
読図実技講座に同行した。今回は初級バリエーションルートの読図ということで、地図に慣れた方々を対象としている。私個人としては1ヵ月ぶりの登山である。うぅ・・・緊張。
京王線が異音だか何だかの理由で遅れたため、集合にも多少は影響するかと思われたが、結果そこまで大きなものは無かった。
笹子駅から道証地蔵までコンクリート。照り返しが凄まじい。汗が止まらぬ。鳴きだしたセミも暑苦しい。とりあえず道証地蔵までは五月雨式に向かったのだが、暑さのせいかペースが皆様乱れていたようで。
道証地蔵から少し下った所が広くなっているので、改めてここで班分け。大蔵ガイド班と手塚ガイド班に分かれた。私は手塚ガイド班。
ここで基本的な地図のおさらいをし、現在地を確認。進行方向を見定めた上で、出発。先に出た大蔵ガイド班の後は追わず、逆側から道を探る。これがバリエーションの楽しいところ!道なき道ということは、自分が決めた進行方向がルートになるわけで、こういうことがあるから地図読みも・・・「進めそうにないので大蔵班の方へ向かいまーす」
まぁ、そんなこともある。道なき道も進めなければ意味が無い。
気を取り直して。滝子山までの“正規”登山道が伸びているのだが、今回はそこから外れる。途中まで歩きやすい道が、わざと脇に入るものだから、傾斜もいきなり凄いことに。木の枝や落ち葉なんかがフカフカし過ぎて足元が不安定。個人的には楽しい。低山ハイクで精神的に鍛えられていたか。
尾根に出たら風が吹き抜けているので、風の気持ち良さを満喫。しかし心臓的には優しくない。イヤでも心拍数が上がる。この辺りで手塚班も、大蔵班もペースが落ちる人が続出。「一緒になって、一所懸命に登る」。そんな状況であった。洒落じゃないよ。
で、1246m付近に辿り着いた。少し長めの休憩。1時間くらいで山頂を踏める予定だが、この感じからしてどうも厳しそうな予感がする。
ここから暫くは歩きやすい斜度に。尾根から外れないこともあり、精神的なゆとりが出た。時々写真を取る。が、またいきなり傾斜が増した。しかも岩が出始めて滑り易い。
だが歩き続ければ目的地に辿り着くものである。気付けば山頂であった。本当、気付けばだ。気付かなければ延々と歩いていただろう。山頂を指す看板も指の長さくらいしか無い。こういうのも堪らんですなぁ。
少し引き返して集合写真を撮る。さて、ここから下る。あの傾斜を下るのかと思ったら辟易したが仕方が無い。登ったら下らなければ。ここで登りとは逆に先行を手塚班が務めることに。
しかしなかなか・・・。前を行く人達は足腰が強いのか、ぐんぐん離され、気付けば大蔵班と同じポジションに。尾根を外さない限りは迷いもしないし、ここで待てるような傾斜ではないので止む無しである。無理せずゆっくり、でも確実に降りればいいのだ。
「あ!」
「ラック!!」
結構な頻度でかけられる落石注意の大声。後ろから聞こえる分、怖さ倍増である。イヤなスリルだ。ドキドキしながら歩いた。
無事1246m付近まで来た。ここから登りとは道を変える。ふかふかである。「落ち葉ラッセルだ。歩きやすいなー」真後ろを歩く大蔵ガイドの楽しげな声がする。確かに。多少滑り易いが、そんなものは登りの傾斜のきつさに比べたら些細なものである。暫くルンルンで下り、ある地点から真横に折れた。
大きくトラバース!滑ったらズルズルと下へ、という角度である。と、先行する人たちが騒ぎ出した。楽しげな雰囲気である。何か居るのか?後ろの大蔵ガイドと推理してみた。
「鹿とかですかね?」
「それか猿か?クマやイノシシならあんなに楽しげじゃないし」
「じゃキジとか?」
「そうだね。あ、でも鹿なら多分みんな無視すると思うよ」
「え?!何でですか?」
「シカトって言うでしょ?」
「滑る!滑る!!二重の意味で!」
こんな傾斜のトラバース時に脱力系ダジャレは禁止です。初めてガイドにツッコミした。
その後、大蔵班が遅れている人を待つために止まり、手塚班は先を急いだ。
傾斜のキツさに遅れたものの、無事に大鹿林道合流地点に到着。一気に歩きやすくなったのが幸いした。大蔵班を待って、林道を進む。途中、中央自動車道の架橋で山座同定とバックベアリングの講習を受け、駅まで帰った。
今回、中級者向けの地図読みということで催された実技講座だったが、改めて地図読みの大切さを確認出来たと思う。でなければこんなルートは入れない。そうそう入りたくはないと思われてしまうが、しかし、静かな山歩きや豊かな自然を満喫するには一番だと思う。
今回行った浜楯尾根もそんなルートの一つ。楽しかった。
今度はその隣の尾根、寂ショウ尾根に行ってみたいものだ。なかなか骨が折れそうなルートだが・・。
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