白馬でセルフレスキュー講習会(長野県)
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2015年02月12日 (木)~2015年02月13日 (金)
- メンバー
- 天候
- 12日:晴れ 13日:雪
- コースタイム
- コース状況
- 13日:スキー場ゲレンデ
14日:スキー場トップより少し歩きながらルートファインディング。ワカン、スノーシュー必携。
- 難易度
感想コメント
私にとっては、今回で3回目のセルフレスキュー講習会。
今年も白馬まで行ってまいりました。
今回の1日目はビーコン探索はせず、ビーコン探索で掘り出した要救(ここでは雪崩に巻き込まれた方のこと)を、搬出する方法を学びました。
まずは室内で、要救をツエルトでくるんで搬出する手順を学びます。
スリングとカラビナを使ってしっかりくるむ。ロープを用いて引ける様にセット。
言葉にしてしまえば、これだけ。
後はロープを用いたおんぶでの搬出法。
これを午前中は室内で、午後はスキー場ゲレンデで行いました。
ツエルトを用いる搬出は、お互いの声掛けが重要。
誰が何をどの部分でしているか、自分も急ぐ作業をしている中、耳から入ってくる情報は大切です。
焦らず急ぐ。簡単な様で難しい。
くるんだ後に引っ張りながら搬送する際は、要救の身体に負担がかかりにくい様に斜面を引いて行きます。
どのルートを進んだら良いか、雪が要救にかかっていないか、スリングが緩んでツエルトがはだけていないか、見ながら考えて・・・常に頭で何かを考えています。
もし雪崩の現場に居合わせたら、ビーコン探索から搬出まで緊張感を切らせる事なく行う事が大事になってきます。
そんな事、本当に出来るのだろうか?
リスクを最小限にする為に必要なのが、2日めに行ったルートファインディングです。
実際に山に入って、危険因子(ハザード)を集め、それがどの位のリスクになるのかを考えて行動決定します。
行くか行かないか。それを決めた理由は?。
行くならば、誰が先行でどの順番にするか。その理由は?。
行動の一つ一つに理由を求められます。
ちなみに「ここは過去に雪崩れた事が無いから行ける」は理由になりません。
地形、気象、現在の雪の状況。斜面。
目で見て、音を聞く。肌で感じる。
今いる状況で判断します。
その判断材料の一つがコンプレッションテストとバープテスト。
雪山に行くたびに毎回やって、様々な状況のものを沢山見る。見て判断して、それを何回も繰り返していくうちに分かる時が来るのだそうです。
そして、歩いている時も常にハザードとリスクを考えながら歩く、という事も学びました。
残念ながら2日めは天候が悪く、午前中いっぱい講習会をして下山。
後は室内でディスカッションを行いました。
やればやる程、難しさを痛感するセルフレスキュー。
二木ガイドの言葉が今も耳に残っています。
「出来ると思うな」
「やれると思うな」
出来ないし、やれないです。
誰かの命を助けるのは、そんな簡単じゃないはずだ。
だから私は毎年、白馬にビーコンとスコップを持って行くのです。
恐らく、来シーズンも。
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。