剱岳 (源次郎尾根ー平蔵谷)

このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年11月17日 (火)~2015年11月19日 (木)
メンバー
天候
雨/曇り/雪
コースタイム
1日目
室堂ー(110)ー剱御前小舎(冬季閉鎖中)ー(30)ー剱沢キャンプ場
2日目
剱沢キャンプ場ー(60)ー源次郎尾根取り付きー(140)ーⅠ峰ー(40)ーⅡ峰ー(80)ー剱岳頂上ー(30)ー平蔵谷下り口ー(60)ー平蔵谷出合ー(80)ー剱沢キャンプ場
3日目
剱沢キャンプ場ー(165)ー室堂

総行動時間
1日目:2時間30分
2日目:8時間50分
3日目:2時間50分
コース状況
別山乗越からの斜面はアイゼンが必要だが、剱沢キャンプ場はほぼ積雪なし。
水はない。雨が降っていたので水たまりを掬って汲んだが、剱沢まで下りればきれいな沢の水が取れる。

気温が高かったので源次郎尾根下部は岩もハイマツも濡れていたが凍ってはいなかった。
積雪もなし。
頂上直下のがれ場から積雪あり。頂上付近では雪が降った。
別山尾根上も積雪あるが、頂上付近以外はほとんど岩が露出しているので、無雪期と変わらないが、濡れていてかなり滑りやすい。
下降路は平蔵谷をとった。時間的には別山尾根と変わらないかもしれない。
平蔵谷の下りもきついが剱沢の登りもきつい。
難易度
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

さあ今年も雪山シーズン到来!!・・・と思いきや、すっかり溶けて黒々とした山々・・・。
当初の予定を変更し、無雪期バリエーションということで源次郎尾根に行ってきました。

立山駅から美女平へ、美女平から室堂に降り立つと雨。いきなりモチベーション下がりますが、ともかく本日のテン場、剱沢キャンプ場へ向かいます。
雷鳥坂を黙々と登り、別山乗越に近づくとところどころに積雪が。剱御前小舎に着くと強風が吹き荒れています。そしてガスで全く展望がありませんが、一面雪景色。アイゼンを装着し、夏道通りにトラバースから剱沢へ下っていきます。あちこちからライチョウの鳴き声が聞こえてきました。

斜面は雪に覆われていましたが、剱沢キャンプ場付近はほとんど積雪がありません。強風の中、管理棟の陰にテントを張り逃げ込みます。雨のおかげで、ちょろちょろと地面を流れる水を得ることができたのは不幸中の幸いでした。

ずぶ濡れになったウエアをテントの中で乾かしつつ、気分はがた落ちでした。
「明日どうする?」「帰ろうか・・・」などと言葉を交わしつつ就寝。夜通し大荒れで、テントが揺れに揺れました。

4時起きの予定が、目が覚めたら外が明るい。6時。すでに日が昇っているようです。完全に寝坊しました。外は雨模様で、ガスに覆われて真っ白。もぞもぞと帰る支度を始め、ザックに荷物をほとんど詰め終え、テントをたたもうかというところで、俄かに青空が覗きました。
あれ、これ行けるんちゃう?行こう!ということで、いらないものをテントに投げ込んであわただしく出発しました。7時40分。ギリギリです。
天気は徐々に良くなってきているようです。

取り付きからいきなり急登。すぐにいやらしい2mほどの岩場です。水が流れ落ちており沢登の様相を呈しています。ロープが垂れ下がっていましたが、引っ張るだけ伸びてくるので使えません。パワームーブで抜けます。
その後も微妙な草付きの岩場を登っていきます。田中氏曰く「5.7をロープなしで延々登ってる感じ」。
木登りを交えつつ、時々現れる岩壁が良いアクセントです。
風もなく暖かで、絶好の登山日和。

Ⅰ峰からの下りは急坂に雪がついていて、ハイマツ頼りにじりじり下りました。
2峰の登りは見た目よりなんということもありません。
なんだかんだで、源次郎尾根名物「30mの懸垂下降」のⅡ峰に到着。
このあたりから冷たい風が吹き始めました。剱岳もガスの中に隠れ始めています。
50mロープ一本なので、途中まで下りてクライムダウンしようということで下降してみると、ほぼ下まで下りれてしまいました。30mないよ・・・。

雨が降り始めました。

そこから尾根通しに上がっていくと、ガレ場になった途中あたりから積雪がありました。
そして雨が雪に変わりました。気分も盛り上がってきます。
雪をつないで直登していきます。キックステップが決まる程よい堅さで、楽チンでした。

ラスト100mほどのところで頂上の祠が見えました。雪面を駆け上がり頂上へ。積雪は50cmほどでしょうか。少し休み、下山開始。尾根上に雪が乗ってちょっと嫌な感じですが、カニの横這いあたりで雪もなくなりました。ほんとに今年は雪がない!!

濡れた岩場を下るのが嫌なので、平蔵のコルから谷を下ることにしました。すぐ真下に剱沢が見えます。しばらく雪のついたガレ場を下り、雪渓をどんどん下っていきます。しかし急なのでひどく疲れました。剱沢出合からの登りも辛く、降りしきる雨がさらに疲労に拍車をかけます。
なんとか明るいうちにテントに戻ってこれたものの、またまた濡れ鼠の二人。テントの中で体から湯気を出し続け、テント内は水滴が落ちてくるほど結露し、むなしい乾燥作業にいそしみます。

冷たいシュラフに潜り込み、昨晩に輪をかけて不快な夜を過ごして翌朝下山したのでした。

フォトギャラリー

剱沢キャンプ場

行くでー!

雪渓は安定してました。

時々ボルダー。

不安なら迷わずロープ出しましょう。

抜群のロケーション。

Ⅰ峰からⅡ峰。

Ⅰ峰からの下りは雪。

Ⅱ峰より剱を望む。

懸垂下降

ガレ場は積雪あり。

こんなところにも雷鳥が!!

よいしょ。

剱岳頂上!

カニの横這い。怖い。

梯子鎖場は慎重に。

平蔵谷を下る。

雪渓割れまくり。

下山日の朝。

火山ガス多めで目に染みました。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

この記事を見た人は次の記事も見ています

アクセスランキング

同難易度の登山レポート

  • スタートナビ
  • おとな女子登山部