富士山 雪上訓練

このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者
高野 優
池袋西口店 店舗詳細をみる
日程
2015年12月04日 (金)~2015年12月05日 (土)
メンバー
髙野
他8名
天候
晴れ(強風)
コースタイム
4日 御殿場口(5:30)~御殿場口7合目
5日 御殿場口7合目~(0:20)~大タルミ沢(雪上訓練)~(1:30)~剣ヶ峰~(3:00)御殿場口5合目
コース状況
強風の為6合目よりアイスバーン。
積雪は少なかったもののここからアイゼン装着。
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

大学山岳部の耐寒合宿に参加してまいりました。
入山日は非常に風が強く、宿泊を予定していた7合目を6合目に変更しようかとも考えましたが、
部員の体力やコースタイムを見て、予定どおり7合目に宿泊しました。
登山中は頻繁に突風が吹き、小石が風と共に舞い降りてきて条件的に厳しい登山となりました。
夜もテントを大きく揺さぶり、ポールを抑えたりしながら過ごしたのでほとんど寝る事ができませんでした。

私が大学1年生の時の耐寒合宿は同じく富士山で行ったのですが、入山2日目に発達した南岸低気圧が通過した為、台風並みの強風。気温上昇に伴い、昼間の雪が夜には雨に代わり、おまけに当時は今では博物館物のウィンパー型の布製テントを使っていたため、テントはびしょびしょ。
経験の浅い私は、下半身をシュラフに入れて、ヘルメットをかぶりポールを頭で抑えていたのですが、気が付いた時にはヘルメットから伝った雨が下着、シュラフまでを濡らし、全身ずぶぬれになってしまいました。
明け方まで耐えればと頑張っているところで、仲間が入っている隣のテント(ナイロン製のドーム型)がボトム部分を残して飛ばされました。ウィンパー型テント生地は厚く、ポールも直径2センチ近くある極太でしたので、今の軽量ナイロンテントより強度はかなり強かったと思います(当たり前?)。ただし、重量は重く、布製の為、冬山で水分を吸収し凍ると畳めなくなり、収納袋どころか大型のザックに収納することすら困難になりますが…。
飛ばされた個人装備を回収し、全員ウィンパー型テントに逃げ込みましたが、こちらも生地が大きく裂け、いつ飛ばされるか分からなかったため、テントをたたみ、隣にあった2畳ほどの道具小屋に部員7名が逃げ込み、身動きが取れない狭さの中、立ったまま震えながら裂けたテントを縫い合わせました。こんな一夜を過ごした後も当時の主将は合宿を続行。5人用テントに7名が入り、翌日はレスト。翌々日に山頂を目指しましたが強風の為結局敗退…。
この合宿から可能性がある限りあきらめない粘り、不屈の精神を学びました。
そんなことを思い出したりしました。

話を戻します。
翌日も風が強いものの、前日ほどではなかったので、予定通り大タルミ沢にて雪上訓練。
歩行訓練、滑落停止、コンテニュアンス、ビーコン操作訓練等を行い、お昼過ぎに学生は7合目へ戻りました。
私とOB1名は山頂を往復して下山。
登っている時は突風が頻繁に起こり、耐風姿勢を取りながら登りました。
しかし、積雪期の富士山の核心は頂上からの下山です。
硬いクラスとした斜面でスリップすると致命的です。滑り台の様な斜面を何百mと滑落することになります。熟練した登山者が突風によってバランスを崩し、滑落するケースも多いです。
学生の頃、大先輩から「冬の富士山ほど恐ろしいところは無い。」と聞かされていました。

今回は久しぶりに富士山の恐ろしさの片鱗を垣間見てしまいました。

フォトギャラリー

御殿場口より入山。

6合目付近での積雪は薄いものの非常に硬く、この後アイゼン着用。

うっすらと雪が付着しています。この日はキックステップでは登れませんでした。

学生たちはプラスティックブーツ。積雪期も長い時は2週間近く入るのでインナーが取り外せるほうが便利。

宝永山から吹き下ろす風が旋風となって襲ってきます。

重荷に絶えながら登る学生。

2日目。雪上訓練。

雲一つない空でしたが、風は強い。

12時頃、学生たちと別れOB2名で山頂へ。

頂上直下も積雪は少ない。

剣ヶ峰を目指します。

気持ちいい!!

無事登頂。この頃にはだいぶ風も収まっていました。

ガッチリ下ります。

お鉢からの下りは滑落に注意!!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

この記事を見た人は次の記事も見ています

アクセスランキング

池袋西口店 - 登山レポート

  • スタートナビ
  • おとな女子登山部