一年越しの下ノ廊下&水平歩道
- 投稿者
-
酒井 健
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2018年10月17日 (水)~2018年10月19日 (金)
- メンバー
- 妻
- 天候
- 17日:曇りのち晴れ 18日:晴れ 19日晴れ
- コースタイム
- 17日:黒部アルペンルートで立山駅から黒部湖駅へ
25分ほどでロッジくろよん着
18日:ロッジくろよん<100分>内蔵助谷出合<120分>黒部別山沢<100分>十字峡<110分>仙人谷ダム<45分>阿曽原温泉小屋
19日:阿曽原温泉小屋<100分>折尾谷<70分>志合谷<90分>欅平上部<40分>欅平駅
- コース状況
- 高度感のある道幅の狭い道が続きます。バランスを崩すと危ないのでテントマットなどザックの外付けは極力しないほうがいいと思います。すれ違いもギリギリなので広い場所で譲り合って歩いてください。ずっと鉄線を掴んで歩くことになるのでグローブ必須。ほとんどの方がヘルメットを被っていました。
ロッジくろよん 標高1480m
阿曽原温泉小屋 標高880m
シュラフはファイントラックポリゴネスト4×3とポリゴンシールト1×1で暖かく寝られました。
両日とも早朝スタート時は薄いフリースを着用しましたがすぐに暑くなり脱ぎました。日中はベースレイヤーと薄手のソフトシェルのみで行動。
欅平から乗るトロッコ電車ですがオープンな普通車に乗るときは意外と寒いので防寒対策をしてからご乗車を!
- 難易度
感想コメント
行ってきました!!下ノ廊下!!紅葉にもどんぴしゃ!
が、、、、
しかし、、、、
高所恐怖症の私がなぜここに来たんだ?というぐらい高所との闘いでした(笑)
初日は黒部アルペンルートの文明の力を使って黒部湖までアクセスし20分ほどでロッジくろよん着。わりと早めに着いたと思ったのですがすでにテントは6張。みな考えることは一緒ですね。特にこのルートを歩けるのは長くて2か月。状況によっては歩けない年もあるそうで、集中してしまうのも仕方ないです。それほど広いテン場ではないのでなるべく早めの到着をおすすめします。
翌日、いよいよ旧日電歩道歩きです。
トロリーバスの黒部ダム駅を通っていくのですが、分かりにくいとの情報だったので前日に案内所で確認。聞いておいて良かった。まだ営業開始前なので駅への階段を通り過ぎ本来は閉まっているゲートを通り抜け(登山者のために開けてくれているそうです)、初の曲がり角で左に。ここに案内の張り紙がしてありました。そうするとトロリーバスへの乗り場に。そのまま進むと登山者出口という大きな看板が出て左に折れて屋外に出ます。ここが最後のトイレなので注意。営業前の駅でちょっと冒険気分。
内蔵助谷出合まではまだまだウォーミングアップ。鳴沢小沢とうい案内板を過ぎるとだんだんと高度感がでてきて道幅も狭く【いよいよきたな】という感じになります。登山道には鉄線がずっと設置されており厳しい場所には丸太橋、焦らず歩けば大丈夫!なのですがやはりこの高度感がキモ。だって空中に浮くように丸太橋が設置されてるし!マジで何でここに来たんだ!?(笑)ひたすら続く股のゾワゾワ感と闘いながら進みます。
安全な場所で立ち止まっては上を見上げ青空と紅葉のコントラストを楽しみ、下を見下ろして高度感に震え、振り返って素晴らしい渓谷美を堪能し、、、対岸には見ごたえのある滝が幾度となく現れます。見どころである十字峡、白竜峡、半月峡、S字峡をすぎようやく仙人谷ダムへ。山頂を目指す登山のようにゼィゼィハァハァは言わないのですが、ひたすら続く緊張感にかなり疲労困憊していました。仙人ダムをまたぎ楽しみにしていた高熱隧道のあの場所へ。少し観光気分♪
最後に長く歩いて疲れたカラダにムチ打つように急登を登り阿曽原温泉小屋に到着。
テント場は平坦で凹凸も少なく水場もトイレもすぐそば。そしてトイレはなんと水洗!今日も多くのテントが並びました。このテン場の一角に立入禁止のトンネルがあるのですが、実はその奥が関西電力専用鉄道の駅になっていて作業員の方が電車を待っていました(笑)電車の走るゴーーーって音が聞こえてきました。
さぁ、最終日。水平歩道です。
昨日の断崖絶壁に作られた登山道というより、木々の多い山肌の斜面をくり抜いたような感じで昨日ほどの高度感&恐怖感はありませんでしたが、そうはいっても急斜面に変わりはなく、鉄線をしっかりつかんで慎重に進みました。栃尾ノ大滝は見ごたえ抜群。そして撮影ポイント大太鼓展望台。そう、よく見るあの場所です。こんなくり抜かれたトンネルのような道が延々続くのかとビビっていたのですがこの場所だけでした(苦笑)その先にヘッドランプ必須の150mの真っ暗で水の流れる長いトンネルがあります。ここもちょっと観光気分で楽しんでしまいました。
鉄塔や送電線が増え始め遠く唐松方面の展望が見え始めるといよいよ終盤です。水平歩道始点・終点看板のある欅平上部から一気に高度を下げ(この下り結構急なので注意)無事に欅平駅に到着。下界モードに引き戻されました(笑)
山頂を目指すような体力消耗の山登りではなく、とにかく緊張を強いられ続ける山行でしたが、なかなか人が踏み入れることのできない場所に入り、自然の素晴らしさと怖さを感じ、この道を築いた先人たちに感服し、今この歩道を守り整備してくれる方々に感謝する山歩きでした。
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