夏の中央アルプス　三ノ沢岳と宝剣岳

三ノ沢岳（さんのさわだけ・2847ｍ）は極楽平から木曽側に派生する尾根上の一座で花の百名山の一つ。木曾駒ヶ岳・宝剣岳の支尾根にあるせいか一般登山者には知名度は低いが静かな山行が楽しめます。主稜線から見るときれいな三角錐の姿をしていますが、結構、遠いです。
宝剣岳（ほうけんだけ・2931ｍ）は千畳敷カールから、大きな岩峰として望め、中央アルプスの代表的な風景に挙げられているが、急峻な岩峰な為、事故も多いようです。
本日の朝一のバスは06:15で、平日でしたが列ができていました。第一便には乗れたもののロープウェイが第二便に乗車。千畳敷駅に着くと気持ちの良い涼しさで昨年のような暑さはありません。今日は昼から天気が悪くなるという予想で雲海越しに見える富士山を先に撮影してから極楽平へ進みます。木曽駒方面に比べ、こちらの登山客は少なめで渋滞なしで快適、ミヤマクロユリ・チングルマ・シナノキンバイ・キバナノコマノツメ・ヨツバシオガマ・ミヤマキンポウゲ・コイワカガミ・イワツメグサ・ミヤマキンバイ・ミヤマシシウドなどが見られました。
主稜線は少し風が吹き、快適そのものでヒメウスユキソウ・チシマギキョウ・タカネツメグサが雫付きでかわいい姿で咲いていました。
いよいよ三ノ沢岳へ向かいますが、どんどん標高を下げ、途中からキバナシャクナゲが混じるハイマツの中を歩きますので、暑苦しく、足元が見えず、枝に足を取られて、歩きにくい。最低鞍部からはじまる上りはそれほどしんどさを感じませんが、2箇所のロープがありました。頂上直下でようやくホッとする花園があり、ここにハクサンイチゲ・コバイケソウ・チングルマ・シナノキンバイ・ハクサンチドリが共演していました。雲が出てきて、御獄や白山のような遠い山は見えずじまいでしたが、山頂には岩の上に小さなプレートが乗っていて、岩越しに中央アルプスの主稜線が映りこむ画像を収めましたが、なかなかかっこいい。
もときた長い長い稜線を戻りますが、またあのハイマツ帯を歩くとなると嫌気がさしますのでさっさと主稜線まで戻ります。分岐まで戻ってきて、まだ時間がありますので宝剣岳経由で帰ることにして、鎖場へ向かいます。3年前はガスの中、逆コースから来ましたが、今日は晴天で、こんな鎖場があったかなと思いつつ、なかなかいい箇所に梯子も整備され、歩きやすい悪場。こちらへ向かってくる登山者もいなかった為、時間待ちもなく、ほどなく山頂へ進めました。宝剣山荘側から向う人が多いので、山頂と山頂から先は人が多く、順番に下っていきますが、こちらもちょうどいいタイミングで下る人が多く、スムーズに下降でき、ラッキーでした。
八丁坂はさすがに人が多く、ちょうど下山者の列ができている時間帯で、まだ登ってくる登山者もいます。ガスが立ち込めてきて、画像には収まっていないですが、ハクサンイチゲやミヤマキンポウゲの花園越しにみる宝剣岳もなかなかいい風景です。下山者が多いのでそれほど時間待ちもなくこちらもスムーズに下降、千畳敷ではコバイケソウが今年は当たり年できれいに咲いていました。
ハイシーズンの千畳敷もなかなかいいもので、久々に夏山らしさを感じました。