マウントホイットニー イーストバットレス(アメリカ シエラネバダ)
- 投稿者
-
高野 優
池袋西口店
- 日程
- 2019年09月14日 (土)~2019年09月16日 (月)
- メンバー
- 高野
他一名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 9/14 マウントホイットニートレイルヘッド~(2:00)~ローワーボーイスカウトレイク~(2:00)~アッパーボーイスカウトレイク~(2:00)~アイスバーグレイク
9/15 アイスバーグレイク~(1:00)~イーストバットレス取りつき~(6:30)~マウントホイットニー頂上~(2:00)~アイスバーグレイク~(1:30)~アッパーボーイスカウトレイク
9/16 アッパーボーイスカウトレイク~(1:30)~ローワーボーイスカウトレイク~(1:30)~マウントホイットニートレイルヘッド
- コース状況
感想コメント
アメリカ合衆国本土(アラスカを除く)の最高峰、マウントホイットニー(4418m)に登ってきました。
今回は登ったのは通常ルートではなく、クライミングルートであるイーストバットレス(5.7)。
4000mを超える標高、そして頂上に突き上げるラインの美しさに惹かれ、夫婦二人でチャレンジしました。
◎登山許可
マウントホイットニーを登る場合、登山許可の取得が必要になります。
通常ルートであればインターネットから事前予約。(かなり人気が高くすぐに定員になるそうです)
クライミングルートであれば、入山当日または前日に麓の街、ローンパインにあるビジターセンターで登山許可を取得します。その際にベア缶(有料)やワグバック(簡易トイレ)などを受け取ります。
※環境保全の為大便は持ち帰りです。
但し、通常ルートでもキャンセル等で空きが生まれるそうなので、入山当日や前日に取得する事も可能です。その際はビジターセンターで決められた時間にくじ引きとなるのでの開始時間前に並んでおく必要があります。
◎登山口までの移動手段
麓の街、ローンパインは国道395沿いにあり、公共交通機関での移動が可能です。
ローンパインから登山口となる「マウントホイットニー トレイルヘッド」までは約20㎞ほどあり、車以外に移動手段はありません。レンタカーが無い場合は、ヒッチハイクまたは歩く必要があります。
◎登山日数
通常のルートであれば1泊2日がスタンダード(日帰りする方もいらっしゃいます)ですが、
クライミングルートは、アプローチ・クライミング・下山にそれぞれ1日とした、
2泊3日がスタンダードです。
今回私たちも2泊3日でしたが、べストな日数だったと思います。
宿泊地はアッパーボーイスカウトレイクがオススメ。緑もあってとてもきれいな場所です。
初日の重荷での行動時間が減らせるので、ゆっくりと行動できます。時間が余ったら散歩して高度に体を慣らして翌日に備える事ができます。
ルートの取り付きまで3時間ぐらいかかってしまいますが、早朝出発すれば問題ないと思います。
私は高所での行動に不安があったので事前に富士山を2回登り、高所順応しておきました。
◎感想
今回はロサンゼルスからレンタカーを借りたので、登山口までそれで移動しました。
初日は時差ボケや買い出しなどでローンパインまでたどり着けず、ロードサイドにて一夜を明かし、
翌日7:00からオープンするビジターセンターの入り口で他の登山者とともに並び、許可を取得しました。
20人くらいはいたと思います。
その後、早速トレイルヘッドまで移動して、駐車場で準備します。
食材を選別して、お昼用のサンドイッチも作りました。(滞在中の昼食はほとんど手作りサンドイッチでした。)
また、車内に食料品等がある場合は備え付けのベアボックスに移しておかなければなりません。
唯一の売店では食事ができ、ガス缶やちょっとした食料品やアウトドアグッツは揃えられますが、事前に準備していくことをお勧めします。
トレイルヘッドからの登山道は明瞭ですが、ローワーボーイスカウトレイクへ上がるまでに岩場を通過します。岩場をやり過ごししばらく行くとローワーボーイスカウトレイクです。
レイクサイドには幕営も可能です。
そこからガレ場を小一時間登り、スラブの上を流れる沢を対岸に渡ります。ガレ場を登りすぎると沢を渡る場所まで行くのに藪漕ぎになります。ここはルートファインディングが難しい・・・。割と早い段階で沢沿いに出てしまった方が賢明です。
沢を渡った後30分程登るとアッパーボーイスカウトレイクです。ここからさらに2時間ほど登り詰めるとアイスバーグレイクです。
目の前に見えるマウントホイットニーやキーラニードルズが圧巻です!!
●アイスバーグレイクについて
水はここから補給しますが、浄水器を持参するのが一般的です。
池の手前に平らなテント場が点在していますので、どこにでもテントは張れます。
標高は富士山よりも高く、朝晩は冷え込みますので暖かい装備で睡眠をとれるよう準備しておきましょう。
今回はダウン量500gのシュラフでしたが寒さも感じず丁度良かったと思います。
●イーストバットレス
ルートの取り付きまでは約1時間。明確なスタート地点は分からないので、傾斜が強くなってきたらロープを出します。基本的に残置支点はありません。ビレイ点も含めほぼ皆無です。
キャメロットは0.3~2番まで1セット持っていきましたが、もう少しあった方が安心してロープを伸ばせます。ビレイポイントは極力岩角を使いましたが1セットは少なかったです。有効なクラックは随所にあるので支点に困ることはないと思います。
120㎝以上のスリングもあると便利だと思います。
●ギア
トライするとしたら個人的には↓のクライミングギアが適量かと思います。参考までに。
シングルロープ 60m×1
キャメロット 0.3~2×1.5~2セット
スリング 240cm×1 180cm×1 120cm×2
アルパインクイックドロー×5
日本のルートで各ピッチ60mいっぱいに伸ばすとすぐに終了するのですが、さすがにそうはならず、
思っていたよりも時間が掛かりました。
夕方にはテント場に戻り、日暮れ前にはアッパーボーイスカウトレイクまで移動することが出来ました。
疲労回復のため少しでも標高を下げたかったのと、アッパーボーイスカウトレイクに泊まりたかったのです。
最終日はゆっくり下山。
ビジターセンターでベアボックスを返却して、モーテルでシャーワー(確か7ドルくらい)を浴び、時間があるのでマンモスレイクまで移動しました。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。