ニセイカウシュッペ山南稜
- 投稿者
- 小山田 隆博
- 日程
- 2020年03月24日 (火)~2020年03月25日 (水)
- メンバー
- 小山田
他1名
- 天候
- 晴れのち曇り
- コースタイム
- 24日
高山(1時間)尾根取付き(3時間)1558m(1時間)C1=孫槍手前
25日
C1(4時間20分)頂上(2時間)C1(2時間30分)高山
- コース状況
- 前日まで若干降雪有り、南稜上がり小槍手前までスノーシューでの歩行。
○小槍
今回は往路は直上して越えた。ルンゼを1ピッチ40mで小槍頭に抜けれる。ランニングはイボハーケンとブッシュで取れる。難しくはないが慎重に。
頭からはラッペル2ピッチで稜上に戻れる。
○大槍
雪崩に注意しながらルートを取る。今回はノーロープで登ったが、メンバーによってはロープを出すこと十分に検討したほうが良い。下りはラッペル。トラバースして処理する際は雪崩の危険性を考慮すること。
- 難易度
感想コメント
今シーズン3回目の挑戦でニセイカウシュッペ山の南稜ルートをトレースできました。過去2回は悪天候のために小槍すら越えられずに敗退。今回も決して恵まれた条件ではありませんでしたが、ラッセルと強風に負けることなく頂上を踏むことも出来ました。
24日
今回も阿寒在住のN君と層雲峡で朝7時に合流。夜中まで荒れた天気だったもののなんとか収まり、「今度こそは!」と気合を入れて出発。ニセイノシキオマップ川の林道には先行パーティのスキーのトレースがあった。二股を左に入りしばらく行くと右手の尾根に取り付き。取り付いていると沢をはさんで対岸の尾根からスキーの3人パーティが滑り降りてきた。意外とスキーでの入山も多いようだ。
急傾斜に苦しむ箇所もあったが前回よりかなり早いペースで1558の南稜にあがる。小雪が降り風もあるため視界はそんなに良くない。南稜上を少し進んでスノーシューからアイゼンに切り替える。その後孫槍手前まで進みC1とした。テントに入った後も断続的に雪が降る。日頃の睡眠不足の解消を目指し18時前にはシュラフに潜り込む。
○25日
日付が変わる頃は寝てられないほどの強風だったが、太陽が昇ると雲一つない快晴。俄然モチベーションは急上昇。孫槍をトラバース気味に処理すると小槍が目の前に。迫力ある姿は圧倒される。リッジを忠実に詰めると小槍南側のルンゼに行き当たる。ロープをつけて1ピッチ40mのブッシュクライミング。子槍の頭からは2ピッチの懸垂下降で南稜上に戻る。所々細いリッジと深いラッセル、そして強風に消耗しながらも大槍へ。かなりの急傾斜だが、N君確認しながらノーロープで一気に抜けた。ここからは一層強くなる風に耐えつつ頂上に!
頂上からは雲がかかった大雪の山々がよく見えた。記念写真をのとって下山開始。帰路は大槍は懸垂、こやりは基部をトラバースしてC1へ帰着。天気はつかの間の晴天だったようであっという間に下り坂。テントを撤収して転がるようにそして最後はフラフラになりながら下山。
決して高い登攀技術が要求されるわけではないが深いラッセル、厳しい気象条件、雪崩の危険のあるルートなど総合力の必要な良いコースだと思います。頂上からの展望も素晴らしいので僕のおすすめのルートの一つです!
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。