再びの高妻山(長野県)~あの日のリベンジを今!~

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投稿者
浅見 直紀
さいか屋藤沢店 店舗詳細をみる
日程
2021年10月15日 (金)~2021年10月15日 (金)
メンバー
Aの会大幹部1名
天候
快晴
コースタイム
登山者用無料駐車 →(120分)→ 一不動避難小屋 →(70分)→ 六弥勒 →(115分)→ 高妻山山頂 →(95分)→ 六弥勒 →(105分)→ 戸隠牧場 →(30分)→ 登山者用無料駐車
コース状況
滑滝、不動滝ともに鎖通過注意だが、不動滝のトラバースを越えた先の短い鎖が一番やらしい感じ。
九勢至から先は斜度・段差があり、ストックが邪魔になるかもしれません。
難易度
Google Map
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  • おとな女子登山部

感想コメント

「性懲りもなくやって来おったわ」

そんな声が聞こえてきそうなのは気のせいではないだろう。

2019年、夏。ワタクシが人生で初めて膝にダメージを喰らった山であり、正直未だにこの時の違和感を足に引きずっている魔の山。

だが、関係ない。「連れてけ」と言われたら行きます。膝への恐怖があろうと絶対に楽しいに決まっている。なお、いわゆる「フラグが立った」とは自分でも思ったので指摘しないで欲しい。

午前2時には駐車場に入り、仮眠。そこからスタート。予定よりも30分くらい遅くなったが寝坊ではない。ド緊張で足が動かなかっただけだ。人間、過去の恐怖を目の前にすると足がすくむってもんです。

牧場を突っ切って、以前と同じ一不動を目指す。滑滝と不動滝の鎖を下りで使いたくないので。えぇ。で、最初の渡渉箇所が早速現れる。キレイな鉄の橋(工事現場の足場みたいなヤツ)がかかっていた。あれあれ?早速記憶と齟齬が・・。こ、こんなキレイな橋は無かった!ズルい!(何が?)

沢沿いの道だけあってヌチョっている場所は少なくない。が、水量が前回よりも少ないのでそこまで苦労しなかった。

と、油断したのか調子に乗ったのか・・。

滑滝に差し掛かる少し前、渡渉箇所に差し掛かった時だった。置いた足がズルっと滑ったのだ。力を入れて止まったものの、その静止姿勢は無理があるもの。ツンと突かれたら尻餅を突くような、プルプルする感じの姿勢。最近の運動不足が祟って一瞬後には限界を超えて左の尻から川にダイブ!ヒップドロップ!

ストックを握った手を強かに打ち、左尻が濡れた。か、カッコ悪ぃ・・・。

折角滑滝に差し掛かっても、恥ずかしさを引きずってしまって楽しめなかった。ぐぬぅ!

そして黙々と歩いて不動滝。この辺りで日が照り始めて暑くなった。日差しが当たることで、周囲の色が輝きだす。紅と黄の見事な紅葉!素晴らしい!そしてトラバースの鎖を越え、短い鎖が現れる。この鎖、濡れているというより水に浸かっていると言って良い状態だ。しかもツルツルな岩。一瞬掴んだ鎖がズルっと行って冷や汗をかいたことは秘密。

この辺りから傾斜が急な気がしなくもない。意識すると精神に致死量のダメージを負いかねないので、割と黙々といった感じに歩いた。で、一不動避難小屋に到着。栄養摂取がてら小休止し、冷えないうちに出発。

「なんか臭いませんか!?」
「え?ワタクシ!?」
「いや獣臭!」

大幹部が指摘なさった通りにすんすんと鼻を意識してみると、あれま、確かにちょっと臭う。風向きが変わるとフワっと。心持ち話し声を張って、熊鈴を信頼して進む。六弥勒まで続いたが、結論から言うと遭遇はしなかった。

ひぃひぃ言いながら九勢至に。出たよ、このネタバレ感。山頂までのルート丸見え、しかも急。2年前の絶望が想起される。だがあの時はソロ。今回は違うのだ。仲間に勇気を貰い、あまりの急さに開いてはいけない扉を開きそうになりながら、そして遅々として上がらないスピードと体力の限界を感じながら、青空へ飛び出すように開けた稜線へ。

ゴロゴロとした岩場を抜ければ山頂だ。このゴロゴロ感もなんだか「ステイ!」と言われているようでもどかしい。しかし、山頂で待っていた360度の展望には言葉に出来ない充実感があった。写真撮ったり食事したりで、20分くらい滞在。

さぁ、下りだ。九勢至までジェットコースターである。膝が・・・!

案の定どころか、これまた人生初の「ひざ関節ロック」を極めてしまい、我慢できずにサポーターを装着。膝が曲がらずにカクンてなるんですよ、下りで。前のめりに転びそうで怖いし、初の痛みで冷や汗が止まらんのです。ストックを使っていてもこれだけダメージがくるので、本当にこの山は・・・。と思いました。えぇ。

サポーターの力で痛みが大分緩和されたので、あまり意識しないように下山続行。六弥勒から段々と雲が出始め、樹林帯に入る頃にはガスの中だった。疲労からか、どう見ても蛙にしか見えん切株にしばし心を奪われた。前回は熊で今回は蛙か。なお、この弥勒尾根は泥濘が多く、滑りやすい急傾斜なのでストック使用をオススメします。

で、ある程度進むとモオォと牛の鳴き声が。牧場はすぐそこだ!ちょっとした渡渉箇所を過ぎれば、平和な道がお目見え。開けた放牧地が目の前に広がるが、モォモォ鳴いていた牛達の姿は皆無。集団幻聴でも聞いていたのか。恐ろしい場所だ。とまぁ、後は駐車場までうだうだ歩くだけ。思考が思わず散漫してしまう程に充実した山行だった。戸隠蕎麦で英気を養っていなければ浄化されていたことだろう。

フォトギャラリー

山頂。感無量ですよ

お邪魔しますぅ

水量は普通くらい?

滑滝。この日の鎖は濡れていた

不動滝。キレイな色づきですね

滑滝のトラバース終了地点。岩も鎖も濡れているぅ!

空がキレイ。アハハ

山頂から九勢至への下り。正にジェットコースター

キッツ!と何度呟いたことか・・

や、やっと九勢至・・・

ここから弥勒尾根へ

滑る滑る!

疲労からか、カエルにしか見えん

やっぱり戸隠蕎麦は最高!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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