鹿児島県 九州の山 25 屋久島三山 淀川登山口から宮之浦岳・永田岳・黒味岳を登頂

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2025年08月26日 (火)~2025年08月27日 (水)
メンバー
アミュプラザみやざきやま館店 戸田
天候
晴れ
コースタイム
【アクセス】
①徒歩
鹿児島市電・朝日通駅→南ふ頭旅客ターミナル
歩行時間 13分 1km

②折田汽船 フェリー屋久島2
南ふ頭旅客ターミナル→宮之浦港
乗船時間 4時間 141km

③屋久島交通バス
宮之浦バス停→合庁前バス停
乗車時間 35分 19.1km

④屋久島交通バス
合庁前バス停→紀元杉バス停
乗車時間 1時間17分 22.4km

⑤徒歩
紀元杉バス停→淀川登山口
歩行時間 28分 1.7km

宮之浦港⇔紀元杉は屋久島交通バスで往復¥4,340かかりますが、「屋久島交通乗り放題乗車券」であれば1日券2000円、3日券3000円とかなり割安になります。バスの料金支払いでは新紙幣・高額紙幣が使用できないため、事前に硬貨や旧紙幣を用意しておく必要があるのが手間なところなので、バス利用であれば事前に乗り放題乗車券を購入しておくことをお勧めします。
発売所は屋久島観光協会ホームページで確認ができます。

【コースタイム】
1日目
紀元杉バス停
↓ (15分)
淀川登山口
↓ (35分)
淀川小屋

2日目
淀川小屋
↓ (120分)
宮之浦岳
↓ (40分)
永田岳
↓ (60分)
宮之浦岳
↓ (75分)
黒味岳
↓ (80分)
淀川登山口
↓ (15分)
紀元杉バス停

7時間20分 20.6km 上り1764m 下り1764m

※標準コースタイムではありません。
※休憩時間は含みません。
コース状況
【コースの概況】
①紀元杉バス停~淀川小屋
淀川登山口までは車道を歩いていきます。
登山口から小屋までアップダウンのない登山道で快適。

②淀川小屋~花之江河
いたるところに小さな流れができており、川の流れの中に登山道がある感じです。

③花之江河~宮之浦岳
流れの中を歩いていくような道なのは途中まで変わらず、下地に花崗岩の露岩が目立つようになるとさらに歩きづらくなります。一般的なハイカットのトレッキングブーツでも浸水させずに歩くのは難しいでしょう。
投石岳のあたりから樹林が開けてきて解放感のある登山道に変わります。

④宮之浦岳~永田岳
花崗岩だらけの細い登山道で、横には朝露に濡れた笹薮。
レインウェアを着ていないと服と靴がかなり濡れます。

【気象】
1日目
淀川登山口(1368m) 15:00時点 22℃ 無風
淀川小屋(1386m) 19:00時点 19℃ 無風

2日目
淀川小屋(1386m) 3:00時点 17℃ 無風
宮之浦岳(1936m) 5:10時点 13℃ 3~5m/s
永田岳(1886m) 5:50時点 13℃ 3~5m/s
黒味岳(1831m) 8:00時点 19℃ 微風

【装備】
トップ
・ミレー ティフォンファントムファストJKT
・フォックスファイヤー TS EX HEATクルー
・スマートウール アクティブULタンク
・ミレー ドライナミックメッシュNS
ボトム
・パタゴニア ストライダープロショーツ
・フォックスファイヤー TS EX HEATタイツ
シューズ
メレル MTLMQM
ザック
・エクスペド ライトニング60
・マウンテンハードウェア サミットロケットベストパック20
スリーピングギア
・エクスペド ウルトラ3R MW
・シートゥーサミット スパーク0

淀川小屋まではライトニングに全てをパッキングしていき、翌日は泊まり装備を全て小屋にデポしてサミットロケットで行動。
小屋での就寝用にTSウォームの上下が温かさぴったり。
行動中は上着は着ずに行動し、休憩中も結局着ることはありませんでした。

【トイレ】
淀川登山口に水洗トイレがあります。
淀川小屋に汲み取り式トイレと携帯トイレブースがあります。
花之江河に携帯トイレブースがあります。
翁岳付近に携帯トイレブースがあります。

【駐車場】
淀川登山口に10台ほど停められます。
Google Map
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感想コメント

記録を見返すと2017年に縄文杉まで行っています。いま再び九州で生活している身ながらなぜか気が向かずにいたものの、ようやく重い腰を上げて九州地方最高峰の宮之浦岳まで行くことにしました。
せっかくだからたくさん歩こうと思って縦走を計画してみたところ、今回の1泊2日の行程で移動にフェリーとバスを利用する形では、フェリーとバスの連絡が悪くうまいことつながりません。
仕方なく淀川からピストンで計画してみると、屋久島三山を全て回れて時間的にもぴったり。ではいってみましょう。

【1日目】
夏の屋久島に行く人が多いことは知っていましたが、フェリーの乗船券売り場の行列を見て驚きました。30分ほどは待ったでしょうか。平日にも関わらずなかなかの混雑ぶりです。
そしてもっと驚いたのは、屋久島マスターとして界隈で名高い、好日山荘A-Ruku店の店長・今村さんも乗船していてばったり船内でお会いしたことです。聞くと出発が同じ淀川で2泊3日の縦走とのことだったので途中までご一緒することに。ガイドレベルの方が道連れにいると一気に心強くなります。
鹿児島湾内をフェリーが航行している時、たまにトビウオが並走するように飛び出すことがあると今村さんが教えてくれ、写真に収めようとしばらく海にカメラを向けてみましたが残念ながら見ることはできず。

宮之浦港に着いてからは、待ち時間はほぼなくベルトコンベアのようにバスを乗り継いで一気に紀元杉バス停まで。
しかしここまでの移動は長かった・・・。
鹿児島市内のフェリー乗り場を出てから7時間たってようやくスタート地点です。
午前中降っていたであろう雨はすっかり上がり、湿度たっぷりの屋久島の森が広がっていました。淀川登山口から歩き始めてすぐにヤクザルとヤクシカがトレイルを塞ぎにかかってきて、さらに屋久島の風情を盛り立てます。彼らはあまり人を怖がらないので本当にそこら中で見かけますね。
石塚小屋まで行くという今村さんとは淀川小屋で別れ、小屋の脇を流れる淀川源流で水を汲んで1日目の行程は終了。綺麗な流れでした。いちおう浄水器は通しましたが、浄水しなくても普通に飲めそうなほど澄んでいます。

【2日目】
この日は朝3時出発で永田岳で日の出を見るのが目標。途中にある黒味岳・宮之浦岳は暗いうちに通過してしまうので、復路で景色を楽しむことにして黙々と進みます。

小屋に宿泊の道具は全てデポし、トレラン装備に切り替えているので身軽にはなっているのですが、登山道上はいたるところから水が吹き出し、流れを作り、花崗岩と木の枝の間を走っている様相、さすがに水の島と謳われるだけはあって歩きづらく、非防水のトレランシューズを濡らさずに歩くことは早々に諦めました。
しかし8月末とはいえ明け方の涼しさはさすがに屋久島で、標高1600mを超えた山域ともなると大汗をかくこともなく、身体が冷えることもなく、不快ではありません。

翁岳を通りすぎたあたりで先行して歩いていた今村さんに追いつき、宮之浦岳まで同行して明け方の空を一緒に堪能。
白み始めた空は、水平線よりやや上の空間で濃紺から白、橙へと変化する連続的な諧調をたたえて、変わらない山の営みを兆しています。
この時間だけは、20年近く山をやっていても飽きることがないですね。
日が上がり切る前に永田岳まで行きたかったので再び今村さんと別れて先を急ぎます。

濡れた笹薮に下半身をズブ濡れにされながら岩の急登を上がりきり永田岳の頂上に着くと、空が一段明るくなりちょうど日が上がりました。宮之浦岳の端正なシルエットが逆光の中に浮かんで見事です。しばらく呆けたように休憩し、復路に備えます。

帰りはバスの時間があるのでなるべく走れるところは走り、飛ばしていったおかげで少し時間の余裕ができました。黒味岳も登れて、バス到着の1時間前くらいに紀元杉に着いてフィニッシュ。沢水で体を洗うこともできてすっきりです。
例によって帰りのバスやフェリーも時間的な余裕がなく観光らしいことは一切できなかったのが心残りですが・・・。

次はクライミングか縦走で訪れたいと思います。

フォトギャラリー

翁岳のかわいいシルエット。

フェリー乗り場から桜島。

合庁前~紀元杉のバスはEV車でした。さすがです。

遠かった淀川登山口。

お世話になった今村さん。

のっけからヤクザルと、

ヤクシカ。逃げないので道を塞がれることもしばしば。

淀川小屋横の沢。非常に綺麗です。

浄水器はいらなかったか・・・?

明け方の空はいつだったいい。

宮之浦岳は暗いうちに通過。

幽かに照らされる永田岳。

到着。

日が上りました。

九州最高峰らしい宮之浦岳の姿。

「岳参り」の祠。なぜか隠しているように目立たない場所に据えられていました。

明るくなったので宮之浦岳で登頂記念写真。

立派な携帯トイレブース。

まだまだ時間に余裕がある。

黒味岳も登頂。トンボが舞っていました。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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