おとな女子登山部レポート残雪期・立山雄山東尾根

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
日程
2022年04月25日 (月)~2022年04月26日 (火)
メンバー
山仲間2名
天候
1日目/晴 2日目/曇
コースタイム
【1日目】黒部平駅(90分)鉄塔(210分)幕営地(2750m付近)
【2日目】幕営地(60分)雷電峰(35分)雄山(75分)室堂
コース状況
・雪はかなり緩くたまに膝上まで潜りました。
・幕営は2750m付近の僅かな鞍部にて。
・ほぼ尾根上歩き、雷電峰は直登しロープは使いませんでした。
難易度
Google Map

感想コメント

 立山ロープウェイのすぐ左手に平行に伸びる雄山東尾根。アルペンルートが出来てからはすっかり歩かれなくなった、積雪期のバリエーションルートです。そんなマイナールートをいつものメンバーで挑戦してきました。
 今回は経験者はおらず行ってみないとルートが判断出来ないため、お酒や食糧を減らして皆軽量化を徹底。全員20kg未満に収まりましたが、私はこっそり餃子を仕込みギリギリ19kg。シュラフやダウンは薄めにしても、おやつや食べ物のスペースはちゃっかり確保していきました。

 GW前の扇沢はとても静か。でっかいザックもボーダーやスキーヤーに混じって目立ちません。今回の出発点は黒部平。降り立ったのは我々だけ。お土産売場の端っこで準備を整えたら、ロープウェイの下をくぐり抜けて暖かい残雪の中へ繰り出しました。
 数分歩いただけで額ににじみ出る汗。風がなく照り返しが強烈な雪の上を黙々と歩きます。たまに踏み抜くのでその度に体力を削られる始末。先頭は適度に交代しながら上を目指しました。なぜロープウェイを使わずに歩いているのだろうか、あちらからはそのように見られているかもしれない。自意識過剰な私など全く気に止めることもなく、ロープウェイは左の谷を緩やかに上昇していきました。
 所々クラックや際どいトラバースが出てきましたが、ロープは使わずに切り抜けました。折角運んだロープは今回は確保ではなく枕として使用。最近ロープ枕にはまっていて、バッグに入れて使うと頭の形に程よく馴染んで意外と良い寝心地を提供してくれます。後立山のキレット小屋よろしく、鞍部に出来た僅かな平地にテントを張り、快適な夜を過ごしました。

 翌朝は風が強く、昼過ぎには雨予報。出来るだけ早く切り抜けるため5時には歩き出しました。核心かと思われた雷電峰もフリーで直登。ハイマツや岩の間を縫うように登りました。     
 途中冬毛の雷鳥に遭遇。期待通り雷電峰で、しかもつがい。こちらのことなど気にせず堂々とした振る舞いには、神々しさすら感じました。無事に雷電峰を越えたら雄山まではあと僅か。山頂の祠と半分埋まった鳥居が、こちらの到着を待ち侘びているかのようでした。
 山頂からは剱や穂高など、高曇りの空に名峰がずらり。眼下には眠っているかのように静かな室堂。シーズン前の今はまだ沈黙しているようでした。
 下りの西斜面はほぼ岩が出ていたので、アイゼンを引っかけないよう慎重に。一の越まで来たら登ってくるハイカーやボーダーと挨拶を交わし、広い雪原を歩いてターミナルへ。ちょうど始発が出発する前に下ってこれました。

 帰りのロープウェイから昨日歩いた尾根を確認すると、思っていたより距離が近くトレースもばっちり残っていました。歩いた道を上から俯瞰することはあまりないので、ある意味貴重な体験。踏み抜いて難儀したことや荷物が重かったことなど思い返し浸っていると、あっという間に駅に到着。呆気ない程一瞬で着いてしまったので、やはりこのルートはずっとマイナーなままなんだろうな。車窓を見ながらそんなふうに思いました。

フォトギャラリー

一緒に登った仲間に感謝!

黒部平からロープウェイ横の尾根に取り付きます。

強い日差しと雪の照り返しで暑い。

際々のトラバース。右手は谷底。なるべく下は見ないように。

先頭は交代交代登ります。

踏み抜いてもがいていたら足がつっちゃった。

前方には雷電峰。

踏み抜いてもめげずに上へ。

傾斜が緩くなって一息。

こちらの鞍部に張りました。

ちょっと嵩張ったけど何とか運んだ餃子。おこげがGood!

翌朝。黒部湖と針ノ木、蓮華。

まずは雷電峰を目指します。

岩をよじ登ります。

雷電峰の雷鳥。つがいでお出かけ。

今度はハイマツを登ります。

お一人様雷鳥。

間も無く雄山。

雄山から見た室堂。雷鳥沢は6張くらい。

真っ白な室堂。とても静かでした。

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