巻機山 表の顔 裏の顔
- 投稿者
-
齋藤 千春
浦和パルコ店
- 日程
- 2014年06月30日 (月)~2014年06月30日 (月)
- メンバー
- 単独
- 天候
- 曇/雨
- コースタイム
- 桜坂駐車場(60分)五合目焼松(40分)六合目展望台(40分)七合目(50分)
九合目ニセ巻機(10分)避難小屋(20分)御機屋(30分)割引岳(30分)
御機屋(70分)六合目(60分)桜坂駐車場
- コース状況
- 割引岳へのコースは雪渓が残っており100m程夏道が完全に塞がっている箇所がありました。傾斜もそれなりにあるのでストック必携、軽アイゼンもあると安心です。
檜穴ノ段は森林限界を越えるまでは割と急で、雨でぬかるむと大変滑り易かったです。
- 難易度
感想コメント
深田百名山の一つ、魚沼の巻機山。巻機山という一つの山があると思っていたら、割引岳から牛ヶ岳一帯を総称して巻機山と呼ぶそうです。登ってみるまで知りませんでした(^^ゞ登山者の増加により一時は荒れ果てていた道や池塘は、ボランティアの努力により今の姿まで回復したという歴史も持っています。女性的な雰囲気のするこの山は、尾根コースはその名の響きの通り豊かな植生とたおやかな稜線が魅力的ですが、沢コースは荒々しく豪快な裏の顔も持つ二面性のある山だと思いました。
この日は井戸尾根ピストン、初級者コースとはいえ、行程は短くはないので登り応えはありました。前日の雨のせいで、私の最も苦手なドロドロ滑り易い道になっていました。何とか五合目・焼松まで辿り着くと、展望が開けて米子沢の滝が正面に見えてきます。さらに右手には上越のマッターホルン・大源太山が。槍ヶ岳に勝るとも劣らぬカッコ良さです。そこから先のブナ林も見事でした。整然と並ぶ白い幹にはうっとり見とれてしまう程でした。ブナには人に元気を与えてくれる見えない力が宿っているような気がします。
ブナ林を抜け再びジグザグに登ると六合目で圧巻の景色が待ち受けていました。天狗岩を抱くようなヌクビ沢、そこから突き上げる割引岳、巻機の猛々しい一面が現れました。十分堪能してからさらに灌木帯を登り詰めると、ようやく森林限界を越え巻機らしい広々とした道に出ました。右手に丹後山へと続く緑の稜線を見ながら気持ちの良い尾根歩き…とはいかず植生保護の為の階段を一歩一歩踏みしめ、漸く傾斜が緩やかになるとニセ巻機の広場に出ました。そこからは広大な巻機山塊を眺めつつ、タテヤマリンドウやワタスゲ、ハクサンコザクラなどの高山植物を愛でながら、今度こそ気持ちの良い稜線歩きを楽しみました。避難小屋を過ぎると池塘が現れ、程無くして御機屋と呼ばれる山頂に到着します。この先は右に進むと牛ヶ岳、左に進むと割引岳となりますが、私は迷わず割引岳へ。三角錐にどうしても引き寄せられてしまったようです。
道が雪渓で覆われており一瞬怯みましたが、渡ってみるとそこまで急でもないので一気に向こう岸まで行きました。越えた先には綺麗な三角錐が。少しガレた坂を登り切って割引岳山頂へ。ここまで来る人はあまりいないようで、今日は山頂を独り占め、贅沢な昼ご飯となりました。のんびり構えているとガスが高速で山肌を駆け上がり急に辺りは真っ白に。こりゃ一雨来そうだ、わずか10分程の休憩で下山の支度に取りかかりました。
下山するまで持ち堪えてくれと思いながら駆け足気味で下っていると、ニセ巻機を過ぎた辺りでポツポツ、さらに六合目で雨足が強まり雨具に身を包んで下ることとなりました。もう天狗岩も大源太も全く見えません。案の定何度かコケて、登山口に戻って来た時にはかなり泥だらけに。いつも以上に泥まみれの山行となってしまいました。
※番外編※
過日敗退した割引沢コースのレポートです。
6月中旬でしたが雪渓はまだまだ大きく、雪渓に辿り着く前に何度か際どい渡渉を強いられました。足が完全に水に浸かってしまうので、沢靴を別に用意した方が良さそうです。苦労して登った先の、アイガメノ滝は恐ろしい程巨大で豪快で思わず吸いこまれそうになりました。雪渓の急坂の後に待ち構えていたのはこれまた巨大な奇岩・天狗岩。なぜこんな形の岩がここに存在するのか、異質なだけにかえってその重力に惹きつけられてしまいました。
この天狗岩上部の基部に道があったのに見落とし、そのまま急な雪渓を歩き続け藪で行き止まり。藪を漕いで山頂を目指す方が早いと見誤り、漕いで漕いで漕いだ先にシャクナゲが立ちはだかり立ち往生。このシャクナゲ、表では優美な花をつけるが、根っこは太く広く一筋縄ではいかない厄介な奴。何だか花魁のような花だと思いました。天気にも見放され敢え無く敗退。次は沢登りをきちんと身につけてリベンジしたいです。
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