ムーンにフィット◯後立山月見紀行
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2014年09月09日 (火)~2014年09月11日 (木)
- メンバー
- 友人1名
- 天候
- 曇り→晴れ
- コースタイム
- 1日目 八方池山荘(60分)八方池(120分)唐松岳頂上山荘(30分⇔)
唐松岳ピストン(120分)五竜山荘
2日目 五竜山荘(50分)五竜岳(180分)キレット小屋(60分)鹿島槍北峰(30分)
南峰(70分)冷池山荘(70分)種池山荘
3日目 種池山荘(100分)扇沢
- コース状況
- 鹿島槍北峰直下の岩は脆く、浮石が多かったので素早く慎重に進みました。
道はほぼ飛騨側に付いており、天気が良くても立ち止まると風がかなり冷く感じたので、上半身は保温性のあるウールの着用がオススメです。
- 難易度
感想コメント
去年フラれた八峰キレットに再チャレンジ!連休でお天気ももちそうだったので八方から扇沢まで、人気のルートを辿りました。1日目の9月9日はちょうど、新月が地球に最接近するというスーパームーンが観測できる日だったので、五龍山荘で贅沢にお月見もしちゃいました。
初日の見所、八方池で観光客の方に混じりながら白馬三山が水面に映るのを待ちましたが、なかなかガスの中から顔を出してくれず。しかも池の周りは整備中で、ヘリが行ったり来たり、水面が波立って逆さ白馬どころではなかったので、諦めて早々に先を目指しました。
幸い雨にはなりませんでしたが、辺りは濃いガスに覆われ、久々の北アルプスでしたが、はて、ここはアルプスなのか?と首を傾げてしまいそうなほど不明瞭でした。しかし展望が無い時は、アルプスのアイドル・ライチョウが現れるチャンスです。いつ現れるかとワクワクしていると、丸山ケルン手前で早速発見!ハイマツの下から首だけ出してキョロキョロ。ギャラリーが集まったのを確認すると全身をお披露目してくれました。人馴れしてるみたいだけどカワイー(*‘∀‘)
それからさらにガスの中を進み、唐松岳に到着。雲の中から時折垣間見える不帰方面は、切り立った岩稜が鈍く光っており、容易に近づけなさそうな雰囲気でした。山荘で腹ごしらえし、五竜目指してこの日の核心・牛首に突入しました。牛首…恐ろしい名前です。赤茶けた岩肌は脆く、霧に覆われた谷底は吸い込まれそうな程深く見えました。アップダウンも多いのでそれなりの根気が必要です。最低コルから先は、相変わらずのガスで、同じような景色が続いて特に長く感じました。途中でクマを見たという方もおり、五竜山荘の発電機の音が聞こえた時には正直ホッとしました。
山荘で荷を解いているうちに天気はみるみる回復し、五竜名物・夕食の絶品カレーをいただいている時には、空が金色の夕焼けに染まっていました。おかわりを諦めて外に飛び出してみると、五竜岳が正面にドンと構え、西の毛勝三山に夕日が沈むところでした。そして東の空には真ん丸大きなお月様が。スーパーという程ではありませんが、兎が餅を突いている姿がはっきりくっきり見えました。テラスでのんびりお月見といきたいところでしたが、季節は既に秋、5分もすると鼻水がだらーんとする程寒かったので、明日に備え早めに就寝しました。
そして翌日は早朝4時半出発、群青色の空に五竜の黒いシルエットがくっきり浮かび上がっています。天気は良さそうです。遠見尾根の彼方の空から次第にご来光スペクタクルが始まり、燃えるようなピンクの太陽柱も見ることができました。山頂からは、これから挑む八峰キレットと鹿島槍の双耳峰が明るく輝いていたので緊張がいくらか和らぎました。西には立山と、着物の衿のような三ノ窓雪渓を抱いた剱岳が、まだ眠りから醒めずに静かに浮かんでいました。
予報は午後から崩れる模様。早めに核心を抜けて鹿島槍を目指すことにしました。岩登りよりもしんどく感じたのは冷たい風です。この時期の稜線は晴れていても吹いている風は秋そのもの。ウールのアンダーや手袋など、しっかりとした防寒対策が必要だと思いました。
剱が見守る中、近づくにつれ形が大きく変わっていく鹿島槍の変化を楽しみながら登りました。そしてついに、去年お預けとなっていた北峰に立ちました!静かな感動がじわじわと込み上げてきます。振り返ると、ここまでの縦走路が後立山の特徴的な地形、東側が切れ落ちた非対称山稜であることがはっきりわかります。サインペンですらすらっと書いたような、流線形のきれいな稜線が眼下に描かれていました。
北峰は狭いので、南峰まで行って小休憩。今度は爺ヶ岳が姿を現しました。天気は崩れる素振りは全く見せず、幸いこの日の宿・種池山荘に着いてから漸く降り始めました。
翌日も下山を開始する頃には空はすっかり晴れ渡り、もしや晴れ女に戻れたのでは⁉と感じずにはいられませんでした(-`ω-)
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