南アルプス深南部 日本200名山・池口岳

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2014年09月30日 (火)~2014年09月30日 (火)
メンバー
天候
快晴
コースタイム
池口岳登山口(70分)黒薙(40分)利検沢の頭(5分)ザラナギ平(60分)池口岳北峰(30分)池口岳南峰(30分)池口岳北峰(150分)池口岳登山口 計385分(6時間15分)

※昭文社「塩見・赤石・聖岳」のコースタイムは10時間10分、山と渓谷社「日本の二百名山」のコースタイムは13時間5分、12時間で南峰抜かして往復などかなり個人差が出ると思われる。
コース状況
・案内板はほとんどないが、道は明瞭でテープもある。
・ヒルはいないがヤスデが多い(おえ~)。這い上がってきたりはしません。
・ザラナギ平を過ぎた辺りから急斜と倒木と藪が出てきて深南部らしくなる。
・北峰から南峰が核心部。踏み跡は何とかわかるが、登り返しと倒木との戦い。
難易度
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感想コメント

今回紹介する池口岳は、長野県と静岡県にまたがる山で、北峰(標高2392m)と南峰(標高2376m)の美しい双耳峰です。北峰は長野県飯田市、南峰は静岡県川根本町に位置しています。

この山には以前から本当に登りたくようやく登頂を達成できました。
200名山に指定されていますが、非常にマイナーな山かつ遠い存在です。その魅力は人を寄せ付けない自然にあります。

池口岳を知ったのは原生自然環境保全地域という名前を聞いたときです。
原生自然環境保全地域は、日本に5か所指定されています。
北海道の遠音別岳、十勝川源流部、南硫黄島、大井川源流部、屋久島の5カ所です。池口岳から光岳を結ぶ稜線の南側は大井川の源流部にあたり、本州唯一の原生自然保全地域です。手つかずの自然が残され、人をの手がほとんど加えられていません。
とは言うものの、この池口岳はしっかりとした登山道も通っており、ある程度の体力と経験があれば登れない山ではありません。しかし、標高差は約1300m。距離は往復約19kmと全行程10~14時間ととてつもなく長いです(資料によってまちまちです)。池口岳と検索すればいくつかレポートがありますが、日帰りはなかなかハードのようです。

「10時間か~長いな。走るしかない!」
ということで走って行ってきました。往復6時間弱。

■池口・遠山宅(廃屋)~池口岳登山口
遠山宅横に登山届のポストがありますが、機能していません。横の悪路を通って登山口まで行けますが、車高の低い車は確実に擦ります。5分も登れば登山口の駐車スペースに着きます。さらに奥に行くと避難小屋があります。

■池口岳登山口~黒薙
登山口からはスギとカラマツ主体の樹林帯を抜けていくので展望があまりありません。標高1838mの黒薙まで一気にあがります。この間確認できただけでもクマのウ〇コが4カ所ありました(汗)最初はクマの恐怖との戦いです。ちなみにアナ”グマ”には出会いました(笑)
黒薙に到着すると池口岳と鶏冠山の大展望が広がります。薙というだけあって崩壊していますが、難なく通過できます。

■黒薙~ザラナギ平
この間は比較的フラットな道が続きます。標高1902mの利検沢の頭から再び池口岳が見えます。ここも崩壊してますが、普通に通過できます。すぐにザラナギ平に到着。ここは唯一の幕営適地で1泊2日の行程ではここを使います。
この区間は足元を見るとヤスデが多いです(うえ~)。

■ザラナギ平~北峰
このルート一番の急斜面が連続し、岩場も出てきます。しかし短いのでここも難なく通過できます。北峰は展望がほとんどないので、時間と体力に余裕があれば南峰に行くことをオススメします。

■北峰~南峰
短いですが一番の核心部で、往復に1時間もかかりました。北峰の下りは急かつササで道が不明瞭になります。鞍部は痩せ尾根になり軽い藪も現れます。しかし、大展望が開けます。光岳、聖岳、塩見岳の南アルプスの名峰が目の前にあらわれます!特に光岳の光石が光って見える数少ない展望地ではないでしょうか?眼下には原生保全地域も見渡せ、本当に来てよかったと思える展望が開けます。
北峰の登り返しもかなり体力と気力を消耗しますが、この後登山口まで9km、1300mを一気に下り終えました。

加加森~光岳のさらにマニアックなルートを行きたかったですが、ピストンじゃ面白くない~ってことで今回はパスしました。(本当は体力に余裕がなくなってきたからです)m(__)m

迷うことはまずないと思いますが、気を付ける点として
①全行程で水場はありません。もちろん山小屋もありません。水も食料も多めに持って行った方がよいです。
②クマは確実にいます。最低限クマ鈴は携行しましょう。
③肌の露出は避けましょう。特に北峰から南峰は枝に引っかかったり、マダニの危険性があります。
④このルートは体力の個人差と南峰まで足をのばすかによってタイムがかなり前後します。どちらにしても早立ち必須です。
⑤登山届けがないので、事前に知らせていくか、電子登山届けを活用した方がいいです。

今回私以外の登山者に出会うことがありませんでした。憧れの山を独り占めできたことに若干の余韻に浸っております(笑)今回行けなった加加森山の他にも、南峰の西側にある鶏冠山など深南部の山々は魅力的なものが多いので、浜松にいるうちにどんどん狙っていこうと思います。

フォトギャラリー

美しい双耳峰の池口岳(黒薙から)。右側は鶏冠山。

池口岳登山口。この先に畳張りの避難小屋あり。

クマのウ〇コ。朝早いから鈴を鳴らしまくる。

カラマツとササ原。雰囲気が出てきた。

標高1700付近で下栗が見えた。

黒薙。左に登山道が巻いているので安心。

利検沢ノ頭付近で聖が見えてきた!右端のとがっている山です。

利検沢の薙。ここも逆側の斜面は切れていないので安心。

ザラナギ平の幕営地。テントで光岳縦走なんてのも楽し&辛そう!

岩場。3カ所あるがどれも大したことない。

加加森JCT。この奥行ってみたい。

登ってきた尾根を振り返る。今日は快晴!

約3時間で北峰に到着!展望はありませんが、原生自然保全地域の案内があります。

この時点でまだ9時前。南峰を目指す。

北峰と南峰の鞍部。聖岳、光岳が目の前に。おっ、光石が見えるぞ!

どーです?テカってます?。。。

悪戦苦闘して南峰に到着。こちらも展望はなし。今回の装備と一緒に。

北峰の山容。かっこいいです!だがあれを登り返すのか。。。

加加森山と光岳。かなりマニアックなルート。登り返しキツそー

登山口に戻ってきました。仕事の相棒でもあるウルトララプターで走りました。グリップ力がいいです。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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