冠雪の京丸山・高塚山【静岡県】~読図入門の山~
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2014年12月15日 (月)~
- メンバー
- 天候
- 快晴
- コースタイム
- 京丸林道ゲート(15分)登山口(35分)山の神(20分)見晴しベンチ(60分)京丸山(100分)高塚山(100分)京丸山(90分)京丸林道ゲート
- コース状況
- ・全区間距離表示やコース案内などは一切ありません。
・京丸林道から京丸山までは道は明瞭。
・京丸山から高塚山まではテープはあるが目立たない。違う尾根にもテープがつけられている。
・人よりも哺乳類の方が多く見るほど、この時期は登山客は少ないことが予想されます。
・ドコモの携帯電話の電波はコース全般入りません。
- 難易度
感想コメント
ご来店頂いたお客様や他の店舗の方のレポート見ていると、雪山に行きたい衝動が抑えられませんでした。ただ
①ノーマルタイヤでアプローチでき
②浜北の自宅から50km圏内で
③アイゼンを使う山(本当は12本爪を使いたい)
という条件の山を探していましたが、なかなか該当した山がない。が、土日寒波が来たから、浜松の北部の山であれば少しは冠雪してるのでは・・・ということで、以前から行ってみたかった京丸山(1469m)と高塚山(1621m)に行ってきました。
まず車でのアプローチ。これが結構大変。気田という場所を過ぎると、小石間トンネルという1台しか通れないトンネルがあります。そこで行き帰りどちらとも対向車と鉢合わせになりました(汗)トンネルの手前で一度止まること必須です。
その後、水力発電所を通過すると、林道ゲートまで細い道になります。距離表示があり、7.5kmの辺りから未舗装になります。不安になりますがこの道で合っています。10km地点に林道ゲートがあります。
林道からこれから登る高塚山方面が見え、山頂付近が白くなっていてテンションアゲ♂アゲ♂でした(笑)
この山域の特徴として、標識や案内板が皆無なところです。なので、事前の情報と地図またはGPSがないと迷います。とくに京丸山から高塚山はテープはありますが、踏み跡はありません。しかもテープもかなり小さく、何度も見失います。山を始めてから単独でここまで情報がない山は初めてでした。
しかし、ある程度の読図力と判断力、天候が良ければそんなに難しくありません。読図を実践するには丁度良いと思います。そんなわけで以前から行ってみたいルートでもありました。
林道ゲートから京丸山までの道は明瞭です。が、一歩見落とすと標識がないので、予期せぬルートに入り込みます。
まず林道ゲートは左と右に分けれますが、右です。そして、15分ほど歩くと、ピンクのテープがあり、「これが登山口!?」と思うほどわかりにくい入口があります。
細いトレイルを40分ほど登ると、古びた運搬用のケーブルが出てきます。ここが「山の神」というそうです。柏原ですね(箱根駅伝ネタです)。
すぐに林道にぶつかりますが、ここを左です。林道の途中、見晴しの良い場所から、高塚山や岩岳山への稜線がよくわかります。この辺りから雪or霜が出てきます。哺乳類の足跡が色々ある中、まだ新しいデカい足跡が・・・やっぱりまだ動いてるんでしょう。
林道が終わり再び登山道に入ると雪が積もっていたので、6本爪アイゼンを装着しました。京丸山まで深さはありませんが、着けるとかなり楽に登れました。
京丸山についても当たり前のように誰もいません。最高です。ここから核心部の高塚山に向かいます。
確かに踏み跡はないが、テープがあるので大丈夫!とあてにしていたら、高度がドンドン下がるし、高塚山に続く尾根から外れている。慌てて地図を見ると、途中から北に伸びている尾根に入り込んでいました。あぶないあぶない。
ちなみにGPSの調子が悪く、地図が表示がされていませんでした。電子機器に全てを委ねてはいけませんね。
正しい尾根に戻った後は藪漕ぎもありますが、ほとんど枯れているのでバキバキいけます。相変わらず踏み跡とテープはわかりにくいですが、黒法師方面や浜松方面など右も左も景色がとてもよく、気持ちいい稜線歩きが楽しめます。
4つほどピークを越えると、高塚山の広い山頂に到着します。高塚山は日本300名山です。
標高が1621mとあって、積雪は5~10㎝ありました。やはりここにも誰もいません。が、富士山のとてもきれいに見えます。
止まっているとさすがに寒いので、5分ぐらい休んだら来た道を戻ります。しかし、自分のトレースを見失って違った方向に行ったりします。
京丸山まで戻ると、雪はだいぶ減っていました。
7時間かけて林道ゲートに帰還。道迷いやクマとの遭遇や天候の急変など緊張感のある山行でしたが、ポールと6本爪アイゼンを久しぶりに使って新たな発見をしたり、かなり充実した山行になりました。
晴れていればそんなに地図とコンパスを駆使するところはありませんが、周辺の山がよく見えているので、山座同定の練習とかもできます。車2台あれば高塚山から竜馬ヶ岳・岩岳山へ向かうとルートを使うとさらに道は不明瞭みたいです。
最後にレイヤリングですが、自分も接客していてこの時期の適切なレイヤリングというのは正直悩むところです。天候や場所、その人が暑がりか寒がりかにより、ハードシェルかソフトシェルするか、ウールの厚さをどうするか、ミドルレイヤーをどうするか、グローブを厳冬期用にするかソフトシェルタイプにするかetc・・・
私はソフトシェルとウールのアンダーウェアをとても重宝しています。今回の山行は、寒い時は0℃前後だったと思いますが、それでも上下薄手のウールとジャケットはソフトシェル、パンツはストームゴージュアルパインパンツで快適に登れました。
おそらく正解というものはないと思いますが、選択肢を多く持っておき、それを着こなすことが冬山に向かうには必要な"技術"だと考えています。
これから厳冬期に向けて本格的な雪山登山やバックカントリーが楽しめると思うとワクワクする季節になってきますね!
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。