蝶ヶ岳敗退/長野県【北アルプス】

このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年01月12日 (月)~2015年01月14日 (水)
メンバー
天候
1日目曇り。2日目以降は晴れ。
コースタイム
【1/12】
中の湯バス停⇒(30分)釜トンネル出口⇒(100分)上高地バスターミナル⇒(170分)徳沢
【1/13】
徳沢⇒(330分)長塀山⇒(180分)徳沢⇒(150分)上高地バスターミナル
【1/14】
上高地バスターミナル⇒(120分)中の湯バス停
コース状況
冬の北アルプスは天候不良が多い山域ですが、今回の山行に限ればかなり天候が安定していました。
○コースは入山前までに天候不良の降雪があり、トレース(踏み跡)は長堀山まですら付いていませんでした。スノーシューがあれば大幅な時間短縮が可能な状況でした。
○徳沢から蝶ヶ岳に向けての長堀尾根はいきなり急登の連続ですので、8本以上の前爪アイゼンが必要ですし、ラッセルの為にワカンかスノーシューが必要です。
○雪崩れるような箇所は見当たりませんので、比較的コース難度としては低めです。
難易度
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

2015年雪山シーズンの始まりに北アルプスの蝶ヶ岳を歩いてきました。
今回の山行は藤沢店の三谷さん企画で自身は初めての厳冬期北アルプスでしたが、舞台が比較的難易度の高くない山を設定してもらえました。八ヶ岳は縦走も経験しましたが、やはり‘アルプス’となると緊張します。

イメージでは吹雪いている日が多く、めったに晴れない山域イメージですが、今回は雲に恵まれ2日目からは見事な快晴でした。
しかし、入山前に天候が荒れたみたいで積雪量も増え、トレース(踏み跡)は蝶ヶ岳までの取り付きの長堀尾根の登りになると徐々に薄まり今回は結果的には敗退で終わりました。残念です。
高度的には2300mあたりでは完全にラッセル状態に変化。長堀尾根は樹林帯の道が続くので少しでも尾根泉をはずすと道迷いの可能性が高くなるので、GPSと地形図で現在地を確認し注意しながら進みました。
やがて腰まで潜ってしまう積雪量になり、時間的にも余裕が少なくなり長堀山の手前で時間切れで引き返しました。
たとえ長堀山まで進めても、目的地の蝶ヶ岳までは時間の計算が困難なのも撤退理由でした。

ただ、登っている側の気持ちとしては上高地や徳沢周辺より仰ぎ見る周囲の山々の美しい銀嶺…
全て自力で歩き、テントにこもり雪を溶かして自炊する。
疲れた体に染み入る暖かい山ご飯…
ゆらゆらと眠気が起こり、そして次の日に思いをはせる。

仲間と充実した山の生活を過ごすことができ心の静養となった楽しい山行となりました。
しかし…やはり心残りとしては蝶ヶ岳からの穂高の山々を見てみたかったですが。それはまたの機会へ!!

今回もGPSが大活躍しました。やはり夏道が雪で埋まってしまう場面が多い雪山登山では効果的で威力を発揮するのを感じます。
単独であれグループであれ、装備品に加えていただくことを強くお薦めします。
もうひとつはスノーシュー。
これもラッセルでの体力消耗を減らせ効果的な冬山でオススメの道具です。
完全パウダーのさらさら新雪直後では多少沈んでしまいますが、程よく締まった積雪面や踏み込みの甘い積雪面では、ワカンよりも確実に浮遊力があり推進力を稼げます。

気温はテントで泊まった日は両日ともマイナス20℃を下回りました。
厳冬期対応の寝袋。羽毛量では最低でも600g以上のモデルからが対応してくれます。
800g以上あれば不安なく休めます。
防寒着もフリースや保温性のある肌着は基本的ですし、ダウンジャケットでもインナータイプだと保温力が弱く寒いです。しっかりとアウター仕様に作られている厚手タイプがお薦めです。

装備を万全に雪山をお楽しみください。
難易度としては初心者にもチェックを入れましたが、あくまで冬の北アルプスにおいての位置づけの中の蝶ヶ岳としてです。営業小屋はありませんし幕営装備が必要です。十分な雪山経験が欲しいです。

フォトギャラリー

スタートは釜トンネルから。トンネル近くの中の湯バス停までバスで入れます。

上高地も雪がいっぱい積もって、スノーシューの入山者も多くおられました。

明神岳。上高地も奥まで歩けばスノーシューも減り徐々に冬山登山者の世界になります。

明神館。

2日目は徳澤から歩きます。テントで寝ましたがマイナス20℃は体の芯から冷えました。

蝶ヶ岳への登りはいきなりの急登から始まります。

途中いい景色。今日は快晴です。

積雪量も増え徐々にラッセル気味になり…

樹林帯が続きます。途中、展望がひらける場所では素晴らしい景色が見えます。

ラッセtルも序盤は意気揚々、しかし、トレースも無くなり進むのに時間がかかり時間切れが近づきます。

結局、時間切れで敗退。野生の猿の群れに遭遇。

上高地にもどります。

2日目の宿泊地の上高地に戻るのに、日が沈んできて山々独特の美しさに。

冬の上高地にはテントを張れます。

河童橋から穂高の山々が素晴らしかったです。

河童橋から穂高の山々が素晴らしかったです。

お疲れ様でした。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

この記事を見た人は次の記事も見ています

アクセスランキング

同難易度の登山レポート

  • スタートナビ
  • おとな女子登山部