突然の春の陽気の雪面 北岳

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投稿者
三谷 卓亮
日程
2015年03月30日 (月)~2015年03月31日 (火)
メンバー
さいか屋藤沢店 三谷
天候
快晴
コースタイム
【3/30】
夜叉神峠西登山口→(30分)→鷲住山登山口→(30分)→野呂川発電所吊橋→(40分)→あるき沢登山口→(220分)→池山避難小屋

【3/31】
池山避難小屋→(50分)→城峰→(70分)→砂払→(50分)→ボーコン沢の頭→(60分)→八本歯の頭→(30分)→八本歯のコル→(20分)→八本歯の頭→(120分)→池山避難小屋→(120分)→あるき沢登山口→(45分)→鷲住山登山口(野呂川発電所側)→(120分)→鷲住山登山口(夜叉神峠側)→(60分)→夜叉神峠西登山口
コース状況
夜叉神峠から雪なし
鷲住山の西側斜面下部凍結
池山吊尾根下部1400mくらいから凍結積雪あり
当日は異常なほどの春の陽気で、夜明けとともに温度が一気に上昇。2800mの吊尾根稜線上でも日が出ると暑いほどで、雪の緩みが激しかった。
下山の吊尾根積雪は踏み抜きが激しかった。
難易度
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感想コメント

ギリギリ厳冬期の雪の北岳・・・のはずが春まっただなかの北岳へ行ってまいりました。
当日は異常なほどの気温上昇(夜叉神峠でさえ18度を超えたらしいです)により、雪の緩みが激しかったです。

※八本歯のコルのちょっと先で撤退しました。

一般的に北岳の冬季登頂を目指す方は正月前後に多い。
その時期は雪もまだ多くなく、そして比較的沢山の方が入山されるのでトレースも期待できるでしょう。
それ以降の冬季北岳の入山者は一気に少なくなります。
入山も、奈良田温泉からが長ーい林道歩きの方が多い。

今回、私は奈良田温泉からではなく、夜叉神の森の無料駐車場に車を止めてそこからのスタートとしました。
鷲住山登山口までは、山岳道路を歩いてのアプローチ。
落石も多く、凍結箇所もあります。
鷲住山への小さい登りを経て、野呂川へ一気に下降していきます。
野呂川には小さな鉄製の吊り橋がかかっており、これを渡って対岸の車道を進みます。
車道歩きは、あるき沢登山口まで。ここからが本格的な登山となります。

登山口から急登で、1400m付近からはびっしりと凍結・積雪が始まります。
池山避難小屋までは延々と急な森の登りが続きます。
つづら折りの細い道が続き、登山道は圧雪されガチガチに凍結した氷で埋まっているところばかりでした。1500mの手前くらいからアイゼンをつけることを勧めます。
池山避難小屋は小さいですが、きれいな小屋です。10人以上泊まることができるでしょう。

翌朝3時に小屋を出発。真っ暗であり、ヘッドランプの明かりを頼りに積雪した森の急登を行きます。
小屋の入り口から左前方向に赤テープがあり、そこから稜線まで赤テープと踏み跡に導かれて行くことができます。
砂払に到着する頃夜明けを迎え、南東方面に富士山のきれいなシルエットを見ることができました。
夜明けと共に気温もどんどん上がっていきました。
稜線上では夜明け後それほど時間経過していないのに、歩くと暑い。
夜明け前に来ていたフリースなども脱ぐことに。

ボーコン沢の頭からは左右に均整のとれた見事な北岳を望むことができました!

八本歯の頭手前まででトレースは消え、そこからは自分ひとりでの挑戦となっていきました。
八本歯はギザギザ尖った岩のリッジ地帯で、岩稜が出ていたものの雪もそこそこついていました。
しかしながら異常な気温上昇で雪は緩み、ピッケルダガーを使った通過をしている最中も2度足場が崩れあぶなかったです。
(八本歯の頭からフィックスロープを張っていきました)

八本歯のコルを超えたものの、その先の南に面した上部雪面が緩いように見えました。
登り1時間、下りその後。雪の状態がもたないかもしれない。
2時間後再び通過する八本歯エリアの雪ももっと危なくなるかもしれない。
色々な悪化状況から判断し、今回はここでの撤退としました。

目の前にあるピークを目にして悔しいという気持ちもありましたが、安全を優先しました。
冬と春のはざまの雪山はこういう事もあります。
また大好きな北岳の雪シーズンに遊びに来たいと思います。

フォトギャラリー

夜明けの北岳

夜叉神峠西登山口

荒れた車道 落石が多い

白い峰 左:間ノ岳 右:北岳

鷲住山登山口(夜叉神側峠)

鷲住山から野呂川への下り

野呂川発電所吊り橋

あるき沢登山口

1400mあたりから積雪あり

池山避難小屋 きれいな小屋でした

夜明けの青い間ノ岳・農鳥岳

雲海と富士山

日の出

ピンクに染まる雪面

足跡は自分だけ

雪に埋もれる北岳山荘

北岳!!!

核心の八本歯 フィックスロープを張りました

たくさんの真っ白な雷鳥がお見送りしてくれました

帰りの吊尾根は踏み抜き地獄でした

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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